第七話 コボルト無双、彼女の実力
前回は一人で挑んだこの階層も二人ではかなり余裕をもって攻略している。
特に水木さんがすごい。
俊敏と器用が高いためコボルトと同じ土俵でも相手を翻弄し攻撃を食らわない。
俺もレベルが上がっており今までの経験から楽にコボルトを狩れている。
そして遠吠えをしようとするコボルトはその隙をつかれ彼女の短刀の餌食となっていた。
そして水木さんも順調にレベル10までそのレベルを上げていた。
水木 彩
レベル・・・10
力・・・・・31
敏捷・・・・39
防御・・・・24
器用・・・・37
天職・・・・---
そして俺も1つレベルが上がり
レベル・・・12
力・・・・・43
敏捷・・・・35
防御・・・・31
器用・・・・33
天職・・・・---
このようになっている。
数値だけ見れば最初に比べて何倍も強くなっている。
にもかかわらず全く違和感がない。
しかしコボルトが弱く感じてきていることも確か。そこに油断が生まれてしまった。
次に現れたのは今までで初めての3匹のコボルト。
剣持ち一匹、鎧2匹。
俺は瞬時に武器持ち切りかかる。
一合目で相手の剣を切り上げ二合目にがら空きの上半身を切りつけるそれだけで一匹目は粒子となって消えていく。
しかし二匹目のコボルトに水木さんは手間取ってしまった。相手の鎧に阻まていつもよりも数秒だが三匹目に時間の与えてしまう。
その間に遠吠えをあげられてしまう。前後から多くの足音が聞こえてくる。
すぐに三匹目を始末する。
「やばい、挟まれた。」
水木さんも焦る。
しかし彼女は死ねない瞬間で焦った心を落ち着かせこちらに話しかける。
「二手に分かれて戦いましょう」
「それしかないか」
俺は瞬時に判断を下し足音が大きく多いほうへ向かう。水木さんは反対側だ。
そして、それほど離れないうちに前方から六匹の群れが現れた。
剣持ち三匹、鎧持ち二匹、初の槍持ち一匹
まずはなるべく広くない通路に陣取り待ち構える。
最初の相手は槍持ちだった。
相手は一気に間合いを詰めその矛先でこちらを突いてきた。
だが上昇したステータスをもってあえて紙一重で躱す。
そして、すかさず剣の間合いからの突きを放ち相手を光の粒子に変える。
槍は勢いのついたまま彼の後ろへと飛んで行った。
(よし、これで他の奴に槍を拾われる心配はなくなった。)
サトルは最初に槍が攻撃してきたことに感謝した道が狭くとも槍なら後ろから突いてきたかもしれない。そうすれば危険は増してしまい大きな怪我につながる。
最初に槍持ちを始末できたのは運がよかった。
そして次は剣持が切りかかってくるだがこちらは今までに何度も戦っている相手。
しかし今回は先ほどとは違う方法をとる。
剣を切り上げたのちに思い切り蹴りを入れ後ろの群れごと吹き飛ばした。
そして怯んだ剣持二匹を同時に切りつけた。上がったステータスと鋼の剣二つが合わさり鉄の剣ごと二匹を同時に始末した。
後は鎧持ち。こちらはあっけなく切り捨てられた。
そして最後に残った蹴り飛ばされたコボルト一匹。それも素早く始末しドロップを確認。
そして水木のもとへ向かう。
時は少し戻る。
彼女は一人、敵のもとへ向かっていた。今思えばこの階層で初めてのソロ狩りだ。
ここに来るまででも常に彼女の傍にはサトルがおりもしもの時に備えてくれていた。
しかし今は一人。
一つもミスが命取りとなってしまう。
彼女は思う。
自分が死んでしまった時のことを。
おそらく彼ならば自分が死んでも自分の愛犬は助けてくれるだろう。
でも、別の意味でもう愛犬と接することができなくなってしまう。
それは今現在の彼女においてはもっとも心に苦痛を感じることだった。
そして彼女の思考はある一つのことに行きついた。
「皆殺しにすれば生き残れる。」
そして向かった先には4匹の非武装のコボルト
コボルトは彼女を見て足を止める。
彼女の目に4匹すべてが気圧されていた。
まさにサトルが過去に一匹に行ったことを彼女は群れに行い一瞬で行動を止めてしまった。
それは大きな隙となり四匹のコボルトは瞬く間に狩られていく。
気づけは隣の者の首が飛びそして自分の胸に短剣が刺さっている。
そして、死んだことにも気づけぬままにコボルトたちは光の粒子にとなり消えていった。
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