第四十二話 大型デパートでの事件
サトルたちは本屋を目指して駅前の大型デパートに向かっていた。
しかしそれだけのはずなのにサトルはガリガリと精神を削られた。
理由は簡単。
彼女たち3人である。
見た目二十歳前のかわいい女の子。
20代前半のおっとり系のかわいい女性。
同じく20代前半の美人なお姉さん。
しかも恋する乙女の魅力は5割増しときている。
この3人と30代後半のサトルとが楽しそうに歩いている。
周りの男の視線が痛い。
しかも、たくさんの人の中を歩くのは慣れてないからとホロとは手を繋いで歩いている。
そして何とか本屋があるデパートにつき中に入った。
中にはそれなりに人はいたが混雑しているほどではない。
ここは中央が吹き抜けになっている。
吹き抜けに近づけば色々なお店を確認できる事だろう。
そう、確認できてしまうのだ。
そしてエスカレーターに近づいたところでいったんホロの足が止まった。
「どうしたホロ」
「エスカレーター初めてだからちょっと緊張する。」
サトルは微笑んでホロの手をゆっくり引いてエスカレーターに誘導してやる。
ほほえましい姿に周りのお客さんも文句を言わずに待ってくれた。
そしてエスカレーターから下りた時、ホロはあるお店が目に入った。
「サトルさん。あそこのお店は何。」
「ああ、あそこは水着を売っているところだよ。」
それを聞いてホロは
「あそこに行きたい。」
サトルは固まった
しかしここで後ろの女性二人は心の中でガッツポーズをとる。
二人は今日あそこでサトルに水着を選んでもらうつもりでいた。
しかしどう切り出せばいいかを迷っておりタイミングをうかがっていたのだ。
そしてすかさずフォローが入る。
「サトルさんやっぱり本で見るより直接見た方がいいですよ。」
「そうです。百聞は一見にしかず。きっとホロちゃんもいい参考になりますよ。」
そして票は見事に3対1。
サトルにあがなう術はなく、3人の美女・美少女を連れて店舗に赴いた。
そして、3人は店舗に入っていく。
ちなみに今日サトルは彩と舞の目的を聞いていなかった。
もし聞いていたら断っていたかもしれない。
そして2人から今日の目的を聞いた時サトルは固まった。
「実は今日は社員旅行で着る水着を買いに来たんです。」
「選ぶの手伝ってね。」
しかも水着選びを手伝ってほしいと売り場の前で頼まれれば断ることもできなかった。
サトルは最初抵抗を見せ売り場の前で待っていた。
「これなんてどうですか。」
「これとかいいと思わない。」
「これは子供っぽすぎますか?」
「「「面倒です。こっち来てください」」」
しかし、3人が頻繁に声をかけてくることからとうとう売り場内部まで連れていかれてしまった。
ここまで来ると男にあらがう術はない。
意を決して真剣に水着選びを手伝うのであった。
サトルは今、心の中で呪文をつぶやく。
(明鏡止水、明鏡止水、明鏡止水)
だが、これは失敗だった。
明鏡止水とは無我の境地による集中。
そして一般人であるサトルはあっさり彼女たちの魅力(煩悩)に負けた。
そして試着室の前で待つサトル。
まずは彩の着替え終わりサトルの前に水着姿をさらす。
色は落ち着いた青
胸元は三角ビキニに下はパレオだ。
サトルは言葉を失い、つい見つめてしまう。
その反応を見た彩は微笑んですぐにカーテンを閉めてしまう。
「これにします。」
そう言って購入を決めてしまった。
「何も言ってないけど。」
「顔に書いてあります。」
彩は嬉しそうにそういった。そして
「これ以上は社員旅行までお預けです。ふふ」
そして次に空いたのは舞の試着室だった。
色は黒で上は三角ビキニに白のラッシュガードを羽織っている
下はスカート風キュロット
そして舞さんは3人の中で胸が一番大きい。
舞さんは両腕で胸を強調するポーズをとってこちらを見る。
するとまたカーテンがしまり。
「これで決定ね。」
「あ、あの」
「これ以上は私も社員旅行までダメです。」
「・・・・」
そして最後はホロのカーテンが空いた
色は赤を基調としておりポイントとしてリボンが付いている
胸元は三角タイプで下はミニスカートのようになっている。
なんだか水兵のようだ。
そして頭に丸い水兵帽をかぶっていた。
少し幼い感じのするホロにはよく似合う。
そしてホロもあっという間にカーテンを閉めてしまった。
「決定です。」
(俺ってそんなに顔に出てるかな?)
何とか全員の水着選びが終わり売り場を離れる。
そして軽く食事を取るために最上階のレストランへ向かった。
そこで食事をみんなで取っているときに本当の事件が起きた。
けたたましい音を立てながら鳴る火災報知器。
すぐさま店員が避難誘導を開始する。
ここは地上12階のレストランだ。
このデパートはそれほど高くないため俺たちはすぐ外にでることができた。
店員の避難誘導も適切でトラブルは事前に回避されたかに思われた。
しかし、ここでトラブルが起きた。
消防車が来ない。
多くの消防車が被災地へ出払い、また道路も混んでいたためなかなか到着できないのだ。
そうこうしているうちに煙は大きくなり火は燃え広がる。
そして全員避難したかに思われたデパートの最上階レストランから助けを叫ぶ声が聞こえてきた。
一つは女性の声。
もう一つは少女の声だった。
そしておれはここでもう一つの事を思い出した。
ここにはペットショップがあり子犬・子猫たちが売られていた。
俺はちょうど近くにいたショップ店員に近づきその事を聞いた。
「店の子犬たちはどうなっているんだ。」
「火が出たところは店から遠くて、すぐ鎮火すると思ってたから置いてきたんだ。入って助けたいけど行けなくて困ってるんだ。」
「わかった。」
そしてサトルはみんなのもとへ戻った。
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