第三十九話 ホロのお話
私はホロ。
ごく普通のコーギーだった。
少し前までは。
普通の犬だった私にそれは突然襲ってきた。
体は貧血でろくに動けず血尿が出続けた。
私は時間ごとに死が近づいてくるのを感じていた。
主人のサトルさんが病院に連れて行ってくれたけどポーションがなくて手の打ちようがなかったの。
家族はみんな悲しい顔をしていたのを今でもはっきり覚えているわ。
眠るとき、次は起きれるのか凄く心配で目を閉じた。
入院して次の日サトルさんがなんだか丸い球を持ってきた。
最初はあまりの苦さに飲むのを嫌がったけど飲んだら体力が少し戻ったみたい。
でも貧血は治らなくて苦しかったけどサトルさんの手を舐めて精一杯の感謝をした事をおぼろげに覚えてるわ。
そして、去って行くサトルさんを見てまた会いたいと強く願った。
次の日も私はサトルさんを待った。
今日はなかなか来てくれない。
もう私の命は消えかけていた。
もう一度会いたい、その思いだけで私は生き続けた。
苦い薬も我慢して飲んだ。
早く、早く来て。
そして夜になっても来てくれなかった。
わたしはそこでとうとう意識を手放してしまった。
その時、夢を見たわ。
初めて家に迎えてもらった時の事。
一緒にベットで寝た時の事。
小さいときご飯を食べさせてもらった事。
お留守番が寂しかったこと。
一緒に散歩した事。
旅行に行った事。
美味しいお肉を食べさせてもらった事。
公園を一緒に走り回った事。
お風呂で洗ってもらった事。
いろんな夢を見たわ。
私は幸せだった。
そう思ったとき変化が私の中に訪れた。
体が暖かくて病気が消えたみたいに体が軽くなった。
その時、私は死んでしまったと思ったけど目を開けるといつもの医師がいてちょうど検査が終わるところだったわ。
私は床に降ろされた。
そして自分の足で立てるようになっていることに驚いた。
それに近くにサトルさんがいる。
匂いで分かるの。
私は全力で彼のもとに走ったわ。
もう会えないと思っていた相手にもう一度会うために。
それからサトルさんは私をたくさん撫でてくれたの。
家に帰ると家族のみんなも凄く喜んでくれた。
でも、私はある変化に気づいた。
私は一度だけサトルさんの両親に連れられてダンジョンに行きモンスターを倒すのを手伝ったことがあったの。
そして今はなんだか体が前より軽い?
病気で痩せたかしら。
そして次の日からサトルさんがなかなか帰ってこない。
寂しくて玄関でずっと待ってたわ。
そしてある日、サトルさんの両親が私たちを連れてダンジョンに入って、またモンスターを倒すのを手伝わせるようになったの。
私たちはもともと牛追いの犬種。
本能で相手が大きくても上手に足を噛んでダメージを与えられるわ。
ときどきすごく強かったり、大きかったりするのもいたけどなんだか今の私には必要なことだと本能が訴えてきて頑張ったの。
そのおかげでいっぱい強くなれたわ。
今の私のステータスはこんな感じよ
レベル・・・20
力・・・・・59
敏捷・・・・63
防御・・・・52
器用・・・・48
魔力・・・・180
天職・・・・リバイバー
スキル
即死回避・・・即死攻撃をはねのける。
再生・・・傷を自動で治す(魔力使用で部位欠損回復)
状態異常無効・・・状態異常にならない。
魔眼(鑑定)・・・魔力を消費しあらゆるものを鑑定する。
エリアヒール・・・魔力を消費してエリア内の者を癒す。
難しいことは分からないけど、なんだか元気を維持できるってことかな。
そして、とうとう獣人になれる時が来たわ。
スノーさんがサトルさんと何日か出かける日の朝。
スノーさんから聞いた話。
「主のそばにいたいなら力とこの姿が必要です。」
わたしはそれを聞いた時から今日まで頑張った。
イクスは前衛向きだけど私は前衛は向いてないみたい。
だから後ろでみんなの助けになるために黒魔法使いになることにしたわ。
これでサトルさんに付いていける。
そして私は獣人になれたわ。
やっぱり今までの体と違って慣れてないしうまく喋れない。
でも、いっぱい練習してすぐに喋れるようになるわ。
それにこれでケーキも食べれる。うふふ
そう思ってついサトルさんを見てると昨日お預けになったケーキを出してくれたの。
つい犬の姿になって駆け寄ってしまったわ。
はしたなかったかしら?
いいえ今はケーキ、これがジャスティス。
そしてサトルさんに食べさせてもらったわ。
最近甘えられなかったからとても幸せ。
でも数日前には失われる直前までいった幸せ。
でもそんな暗い考えはケーキと一緒に胃の中へさようなら。
いまはこの幸せを色々な意味で噛みしめるわ。
明日はいろいろサトルさんに聞いてもらわないと。
そして、たくさんお話の練習をして次の日には普通に喋れるようになったわ。
今日は彩さん、舞さん、スノーさんが家に来ているの。ついでにリーンも。
そして私は話を切り出したわ。
「サトルさん私もあなたと一緒に仕事がしたいの。パーティーに入れてもらえないかしら。」
「皆はどう思いますか?」
「私は賛成です」
スノーは賛成のようだ。
「私も後衛ですが魔法職はすごく貴重なのでいいと思います。」
舞さんも賛成
「私も後衛の守りが固くなるのでいいと思います。」
彩さんも賛成か。
「ホロ、そう言うことだからこれから頑張ってくれ。」
「はい」
ホロはお日様のように眩しい笑顔で答えた。
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