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第三十七話 愛犬進化の時 (リーン)

解散となり帰り支度をしている彩へ銀二は話しかける。


「彩ちゃん、ちょっと話があるのじゃが聞いてくれるか?」

「かまいませんがどうしたんですか。」

「実は先日サトルの両親を紹介されてな。彼らの話によればサトルの飼っている犬のレベルが上がったので獣人化を依頼されたのじゃが。」

「それはホントですか?」

「ああ、サトルを含め家族全員の承諾は取れているらしい。それでじゃ、儂は彩ちゃんさえよければこの依頼をまかせたいと思っておる。」

「いいんですか?」

「彩ちゃんもサトルの両親と面識はあるじゃろ問題はないと思って居る。後は君の気持ち次第じゃ。」

「・・・・・任せてもらってもいいですか。」

「わかった、周りには儂が言っておくから明日サトルの家に行ってくれ。魔石はすでにいくつか準備してあるらしい。それを使うといいじゃろう。」

「分かりました。」


その後、彩は明日の事を思いサトル、舞、スノーと帰っていく。

そして彩はサトルに明日の事を告げる。


「実は明日、サトルさんの所のホロちゃんとイクスちゃんの進化を私が担当することになりました。」

「へ、マジで。」

「マジです。」

「そうですか。サトルさんの子は進化出来ていいですね。リーンは全く鍛えてないから進化は無理ですよ。」


その時スノーの微かな変化に彩は気づく。

そしてスノーの方を見ずに質問をぶつける。


「そうなのスノー」

「・・・・・」

「え・・・?」


そして彩は笑顔で繰り返し質問する。

「ホントにそうなのス・ノ・ー」


観念したスノーは事情を話す。


「実はリーンも進化可能です。」


突然の事実に舞は呆気にとられる。


「実はサトルさんのご両親がホロとイクスと一緒にリーンも鍛えてくれたみたいで。すでに進化できるまでレベルを上げています。」

「ところでなぜスノーはそれを知ってるのかな?」

「そこはその犬のよしみというか何というか・・・」

「まあそこはいいでしょうお仕置きは後に取っておきます。」


スノーは絶望の顔になる。

よほど彩のお仕置きは恐ろしいようだ。


「大事なのは舞さんはどうするかと言う事ですね。」

「私も進化はさせたいけど魔石がないのよね。」

「それなら大丈夫です。私が持ってるものを提供しますよ。もともと私達で狩ったものがほとんどですから。」

「分かったわ、それじゃお願いしようかな。」

「ただ明日は一日では厳しいかもしれません。今から彩さんの所でリーンの進化をしてもいいですか?」

「いいわよ。」


そして、サトルと彩は舞の所にお邪魔する。

実のところ舞は前の部屋を出た後は社員寮ではなく、彩と同じマンションに住んでいた。

そしてリーンは何も知らず玄関で舞たちをお出迎えする。

リーンは嬉しいのか尻尾を大きく振り喜びを表す。


しかしそこで彩が意思疎通でオ・ハ・ナ・シをしたとたん後ろ脚は震え尻尾は股の下に隠れた。


「もしもし、彩さんリーンに何を言ったの?」

「オ・ハ・ナ・シをしただけよ。オ・ハ・ナ・シをね。」

「なんだか、スノーの飼い主が彩さんなのがわかる気がするわ。」


そうつぶやく舞であった。


「まあ、リーン。私は怒ってないからこっちにおいで。」


そしてリーンはそっと舞に近づきその足元へ隠れる。


(ホント、どんな話をしたのやら。まあ、後で聞けばいいわね。)


「彩さん、うちの愛犬と一緒に鍛えたのならかなりレベルが高いかもしれませんよ」


サトルはホロとイクスの体当たりをくらってダメージを受けたことを話す。


「スノーはどう思う?」

「おそらくもう少しで15に行きそうなくらいかと。」

「そう、それならこの異常種の魔石は危ないかしら。」

「どんな感じ?」


彩は猿の異常種から得た魔石を説明する。


進化先

獣人(剣闘士)

天職・・・剣闘士

スキル

獣化・・・魔力を10消費し進化前の姿になる。

人化・・・魔力を10消費し人の姿になる。

生体武具生成 ・・・魔力をそれぞれ5消費し剣・篭手・服を作る。他者装備不可

連撃・・・攻撃をつなげるごとに1撃ごとのダメージが5%アップ(最大50%まで)

浸透・・・ダメージを内部に通すことができる。


進化後使用した魔石に合わせステータス変化


※さらなる進化が可能、次はレベル20と対応した魔石。


そして彩は他にもいくつかの魔石を取り出した。


「これは定番のコボルトの魔石。後、これは使いたくないかな。レッサードラゴンの魔石。これは強すぎて今のリーンじゃ死んじゃうかもしれない。」

「今はこれくらいかな」

「この3つかならあなたはどれがいい?」


リーンはかなり悩んだが前に立つなら二つに一つ。そしてリーンは異常種の魔石を鼻で指した。


「言っておくけどおそらくギリギリよ。フェイトと違って危険が大きいわ。それは分かってる?」

「ええ、でもリーンはこれに決めたみたいだから。」

「分かったわ。こちらも感覚はつかんだしこの前よりもレベルは上がってるからスノーほどの危険はないわ。」


彩はそう言うと魔石を持ちスキルを発動した。


「{進化}発動」


そして進化が始まる。

彩は魔石に魔力を込める今度の消費は60くらいだろうか。

やはりあのオークの異常種ほどではなかった。

そしてリーンは光の繭に包まれる。

この時、彩は新たなことに気が付く。

魔力を多めに込めた方が安定感があることに。

そして今回は60の消費に対し20ほど多めに魔力を込めている。

そのおかげでいつもよりも安定してスキルを発動できた。

おそらくスキルにも熟練度があるのかもしれない。


そして繭が消えた先にはリーンが人の姿で意識を失っていた。

それを舞はリーンを受け止めベットに寝かせる。

そして今回は10分ほどで目が覚めた。

やはり多めに魔力を込めるのは正解のようだ。


いつもの説明をしサトルと彩は部屋から出て行った。


「それじゃ、彩さん明日はお願いします。」

「はい、任せてください。zっタイに成功させて見せます。」


そう言って二人も分かれていく。


そして、彩とスノーは部屋に入っていく。

その時スノーの尻尾が垂れ下がっていたことに気づく者はいない。

この扉の先ではスノーには恐ろしいお仕置きが行われていることだろう。

今まさにこの部屋は空けてはならないパンドラの箱と化した。


「スノー今日はこのへんで勘弁してあげるけど今度悪いことしたら分かってるわね。」

「きゅ・きゅ~ん」

「分かればいいのよ。これはいろいろ頑張ったご褒美よ。」


そして彩はスノーの大好物を与える

スノーは立ち上がり彩に駆け寄った。

見事な飴と鞭である。


それを知らぬサトルは暢気に家に帰り明日の事を両親に伝え明日に備え眠るのだった。

読んでいただきありがとうございます

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