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第二話 初めての探索

情報はネットにあり困ることはなく

幸いに貯金はあったため装備はすぐに整った。


しかしそこでさらに問題が発生した。

今の緊急時に犬のために誰も一緒に行ってくれなかった。


酷い者によっては

「犬のために行けるかボケ」

「この非常時にばかなの」

「犬のために何やってるの」


等、罵倒をあびた。

そして結局は一人でダンジョンを探索することになった。


門の前で登録を行い中に入る


中はありふれた洞窟タイプのようだ。


ちなみにダンジョンにはいろいろな種類がある。


今回のような洞窟タイプ

山や海などのフィールドタイプ

そして建物のような神殿タイプである。


今回は手に入れたいものはポーション。


ネットでの情報収集によりここはポーションの獲得率は高いらしくモンスターも弱い。

そして探すのは「ポーションスライム」と呼ばれるモンスターだ。


このスライムはその名の通りポーションそのもののモンスター。

倒せばその体がすべてポーションになる。


ほかのモンスターを倒してもドロップするが確率はそれほど高くないらしい。


「まずは一匹倒してステータスを得ないとな。」


そして洞窟を慎重に歩いていく時間が限られているため焦る心を無理やりに落ち着かせる。


そして歩いていると前方から何やら


「ギギギ」


と何とも人ではない二足歩行の人型が歩いてくる。


おそらく「ゴブリン」だろう


情報によれば相手が丸腰ならば大人なら素手でも倒せるらしい。


相手を観察しまずは武器の有無を確認する。


運のいいことに丸腰で一匹だ。


(これはチャンス)。


心の中でそう叫ぶ


サトルは先制攻撃をしかけるために一気に走り出した。学生時代に柔道とサッカーをしていたためある程度体が動いてくれた。


そして一気に接近しその足をける。

足払いなんてなまやさいいものではない。

一気にふりきり足装備の脚甲で相手の足を骨ごと粉砕。

移動手段を失った相手に腰の剣を引き抜き突き殺すことで止めを刺した。


最初の戦闘はあっけなく終わったが油断はできない。自分は弱いのだ。


倒されたゴブリンは粒子となり消えた。


「ドロップはなしか」


最初からうまくいくとは思っていない。


しかし落胆は隠せなかった。


「しかたない、それにこれでステータスは手に入った。」


まずはステータスの確認をする。


レベル・・・1

力・・・・・10

敏捷・・・・6

防御・・・・9

器用・・・・7


天職・・・・---


「まあ、一般的な数値かな」

一般人として普通に過ごしていたためステータスはありふれていた。


「天職はえられなかったか。」


天職はそう簡単には得られない。

何か強い決意や使命。極限状態を経験したものが得られる。

一般人には基本敷居が高いため持っている人はまれである。

しかし手に入れれば多くの恩恵が受けられ

手に入れればその時ステータスが進化しスキルを得ることができる。


「今はいらないな。」


「次を探そう。」


サトルは先に進む。

一歩進む時間でホロの命のロウソクは短くなっていく。

しかし目的には近づいている。

何を置いてもそばにいたいというジレンマをねじ伏せ先を進む。


行動は迅速に焦るのではなく急ぐ。


そう自分に言い聞かせながらダンジョンを進んでいく。


少し進むと小部屋があった。そこには二体のゴブリンが何やら言い争いをしていた。


「ギギギギ」

「ギガギギガ」


まだこちらには気が付いていない。


(装備はなし、やれるか?いや、出来る)


サトルは最初から剣を抜く


(こんな最初から引き下がっていてはホロの命は持たない。時間は待ってくれない)


一気に部屋に入り剣でゴブリンを切りつける。


驚いたゴブリンはとっさにかわそうとするが間に合わない。剣を肩から横腹にかけて切りつけ絶命させる。


一匹が光の粒子になり消えたのを確認するのを横目にもう一匹の始末に向かおうとして足を止める。


ゴブリンは剣を装備していた。


どうやら先ほどの言い争いは剣を取り合っていたのだろう。


警戒して剣を構え互いに距離をじりじりと詰めていく。


「不意打ち以外ははじめてか」

緊張からか言葉が漏れる。


そして待ちきれなくなったゴブリンが「ギギギガ」と剣を振り上げ切りつけてきた。

しかしステータスが高くないのかそれほど早くは見えない。


剣を剣では受けたくないがこちらも剣は素人。

躱せるほどの余裕はなかった。


「ギーン」


剣同士がぶつかり音を立て初めての剣での戦闘に手が痺れる。


「これは長くは手がもたないな」


そして合わさった剣を無理やりはねのけ、がら空きになった胴へと剣を突き付ける。


それでゴブリンは光の粒子に変わった。


「ステータスを得てからでよかった」


安堵の息を吐きだしながらそう思った。


この戦闘で手に入れたのは剣が一本、ドロップは何かわからない丸薬が落ちていた。


一応丸薬は拾い剣も回収。


そしてステータスを確認した


レベル・・・2

力・・・・・12

敏捷・・・・8

防御・・・・10

器用・・・・9


天職・・・・---


今回の戦闘でレベル上がっていた。

剣が軽く感じるようになり扱いやすくなった。

心なしか速度も速く感じる。


軽く確認後、次に向かう。


ほどなくして前方から新たな敵が来た。


今度はスライムのようだ。


だが探しているのは青いポーションスライム


今前方からきているのは緑色の普通のスライムだった。


このダンジョンではどのスライムもモンスターとして最弱。

物理でも問題なく倒せるらしい。


これで物理がダメなら詰んでいたため助かった。


躊躇なく近づき始末する。


そして時間は夕方となり今日の探索を終了し外にでる。


その間に遭遇したモンスターを倒し続けたためレベルが上がっていた。


レベル・・・5

力・・・・・21

敏捷・・・・16

防御・・・・15

器用・・・・19


天職・・・・---


レベルアップは今後を考えればうれしいが時間がない俺にとっては二の次である。


早くポーションスライムを見つけないと。


「くそ、物欲センサーか。余裕が無いのに」


そして病院に連絡し状態を確認。まだ数日は大丈夫だという返答をもらえた。


「ホロ・・・頑張ってくれ」


そして換金所に行き今日のドロップを鑑定してもらう。


どうやら鑑定は無料のようだ。


そこで今日のドロップ丸薬と剣を鑑定してもらう。


丸薬は体力回復薬

剣は鉄の剣だった。


薬はいくつかあったので半分換金し剣は不要なのでこちらで売った。

金銭的には5万円ほどになった。


災害で薬は不足気味で高く買い取りしてもらえた。


一応丸薬を一つ食べてみる

「うん、苦い」


そして、疲れていた体がかなり回復した。


しかしこれがあれば少しはホロの体力回復になる。


即座に病院に行き薬を食べさせてもらえるようにお願いした。


最初は嫌がったが先生が無理やり飲ませていた。


飲んだ後体力は回復したのか少し元気になった。


立ち上がり手を舐めてくれる。


元気が丸薬よりも湧いてくる。


明日はもっと頑張ろう。


帰り際に先生が薬を売ってくれるようにお願いしてきた。ここにはお世話になっているので持っていた丸薬をすべて渡した。


お金を払うといわれたが今は必要ないので

「支援物資です。また明日きます」

といって家に帰った。


読んでいただきありがとうございます

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