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第十一話 リーフを救え

「冬花ちゃん、ちょっと先に寄る所があるんだ。」

「どうしたの?」

「俺たちは今動物達のためにこの薬を集めているんだ。これがないとたくさんの動物たちや飼い主さんが悲しい思いをしてしまう。だからこれを病院に届けないとね。」

「うん、わかった」

「よしそれじゃ冬花ちゃんはスノーに水木さんと乗ってね。水木さんお願いします」

「はい」

「俺は走るので、それと速度は抑え目で行きましょう。それでは出発。」


そしてポーションを病院に届け代金は後日と伝え冬花ちゃんの家に向かう。

冬花ちゃんは怖がるかと思いきや意外と喜んでいたので思っていたよりも早く到着することができた。


場所は町中かと思っていたが郊外の山の近くだった。そしていたる所の山が崩れている。


(ここにも災害の爪痕があるな。)


そして俺たちが彼女の家に着いた時、中から家族が出てきてとても心配しているようだ。


聞こえてくる話によると数日前から家を飛び出し彼女と出会った門まで歩いて向かっていたようだ。


そして問題が発生した。


どうやら犬小屋があった場所は土砂にのまれ彼女の家族はリーフも共に土砂の下敷きになっているという。

直接見たわけではないらしいので確証はないらしいが・・・。


俺たちはまずその崩れた場所に行く。確かに運悪く犬小屋のあった場所は土砂にのまれていた。


「水木さん、この炎天下です。もし本当にのまれているなら腐敗臭がしていてもいいはず。スノーで確認してもらっていいですか?」

「分かりました。スノー、この下から腐敗臭がしてるか分かる?」

「ワゥ」


スノーはさっそく捜索を開始した。

そして「ワゥ」

「どうやら腐敗臭はしないそうです。」

「なら可能性はありますね。冬花ちゃん俺たちはリーフの捜索に入るから家でおとなしく待っていてね。」


俺たちはリーフの捜索を開始したのだった。


スノーは足元の匂いをかいだり鼻を空に向け空気中の匂いをかいでいる。


そして探索は住宅地から山の中へと移っていった。


スノーの動きが少しずつ確かなものとなり次第に直線的に進んでいく。

どうやら見つけたようだ。


(まずは土砂の下敷きになっていることはなさそうだ。)


そして歩いて30分ほど俺たちはリーフを見つけた。


しかしその姿は酷いものだった。

災害から数日しかたっていないがあの日から山をさ迷っていたのだろう。毛並みはボロボロになり足の一つは折れているようだ。

そして傷口には虫がたかっている。


「急げ」


俺は叫んでだ。

そして近づき呼吸を確認する。


「まだ息はある。」


俺は臭いや汚れも気にせずリーフを抱き上げ全速で病院へ走った。


そして医師にリーフを任せ冬花ちゃんに連絡を入れた。


「冬花ちゃんリーフを見つけた。」

「ほんと」

「でも落ち着いて聞いてほしい。リーフはかなり危険な状態だ。親御さんと一緒にさっきの病院まで来てほしい。」

「分かりました。ちょっと聞いてきます。」

(♪♪♪♪♪♪)

数分後


「すぐに向かえるそうです。」


彼女はそう言うと電話を切った。

俺は医師のもとへ行き状況を確認する。


「リーフの状態は?」

「かなり危ない。今初級ポーションを与えて何とか生きているが感染症がひどい。現代の薬学では救うことはできない。」


俺は苦い顔をする。


「何か方法はないのか?」


「万能薬なら救うことはできる。だが当然在庫はない。それにそれでも今の状態なら足は1つ切断だ。」


「・・・わかった。飼い主にも説明を頼む。」


「分かった。何をするかは予想がつくが無理するなよ。それと明日の夜までは持たせて見せる。」


「それまでには帰ってくる。」


俺は水木さんとともにダンジョンに向かう。

そして受付で万能薬の入手方法についての質問をした。


「万能薬ですか?それならば6階層以降から入手可能です。」

「ホントですか?」

「はい。5階層に出るコボルトメイジはご存知ですね。」

「はい」

「6階層からはモンスターにメイジ系が混ざります。そして彼らのドロップ品こそ万能薬です。そして、この階層からは初級ポーションに交じり中級ポーションのドロップも確認されています。」

「それで、どのようなモンスターが出ますか?」

「この階層からはオークがメインとなります。そしてそれに交じるようにオークメイジがおります。そしてこの階層からモンスターは何らかの武器防具を装備しています。ちなみにメイジは杖を持っていますね。」

「分かりました。ありがとうございます。」

「あ、それと盾は持って行かないのですか?」

「盾?」

「きっと役に立ちますよ」


受付嬢はにこやかに言ってくる。

俺は考えた。

(確かにこの階層からは魔法という遠距離攻撃がありモンスターも武装している。使いながら慣れる必要はあるが今の腕力なら剣も楯も片手で扱える。)


「あの、今持っていないのですが近くで手に入りますか?」

「実は中古品でよければこちらにあります。」


そういうと彼女は直径60センチ程に鉄の丸盾を足元から取り出した。


「力持ちですね。」

「受付してると色々あるんですよ。」

「これはおいくらですか?」

「これは国からの援助装備です。お試しのための無料貸し出し品になります。ですから後で返してください。壊れても弁償の必要はありませんが申告は必ずしてください。」

「わかりました。使わせてもらいます。」

「それでは気を付けて。」


「それじゃ水木さん行きましょう。」

「はい、まずは5階層まで急ぎましょう」


そして勝手知ったるなんとやら俺たちは5階層前の階段にたどり着いた。

そして降りていった先に待っていたものは・・・何もいなかった。


「あ、そうかまだ1日経ってないから湧いてないのか。」

「それなら急ぎましょう。帰りにはいるかもしれません。」


俺たちは慎重に6階層へ進んだ。

そしてしばらく6階層の通路を進んでいた。ここは5階層までの通路と違いかなり広い。

恐らく生息しているオークに合わせ広くなっているのだろう。

ここならスノーもかなり動きやすそうだ。


さらに進むと前方から足音が聞こえてきた

まさに

のっしのっし

という表現が正しいだろう。


そして現れたのは予想どうりのオーク。

身長は2メートル以上でかなりの皮下脂肪がある。

しかも剣も鎧も装備している。最初の敵としては危険だが時間はない。

俺は水木さんに視線を送る。

水木さんは俺とスノーを見て頷く。


そして戦闘は開始された。


「水木さん、まず俺が前に出ます。」

「分かりました。私は投げナイフでけん制します。スノーは遊撃、無理はしないで」

「ワウ」


接近するとオークは大上段から剣を振り下ろしてきた。それを横にスライドして躱す。

地面に剣がぶつかりえぐれる。


(スピードは無いが凄い力だ。水木さんとスノーにはこの攻撃はきついな。)


俺は相手の攻撃を何度か躱し隙をついてスノーが肉を削いでいる。

しかし皮下脂肪の多いオークには大きなダメージになっていないようだ。

それは同時に水木さんの投げナイフも同じだ。

俺は水木さんに次のカードを切ってもらうことにした。


「水木さん毒を使ってください。」

「分かりました。」


水木さんはナイフに猛毒を塗りオークに投げつける。今の彼女にかかれば命中させることは簡単だ。場所も鎖骨付近といい場所に刺さった。


数分後、オークの足はふらつきだした。

それに合わせて一斉攻撃を仕掛ける。俺は真正面で注意を惹く。

水木さんは後ろから足首などを攻撃した。

そして気がそれたところで俺はオークの剣を持っている腕を全力で切り飛ばした。

すかさず丸腰のオークの喉笛をスノーが噛み砕く。

倒れていくオークは光の粒子になって消えていった。


(まずは一匹。しかしかなりきついな。)


そして俺はオークとの初戦闘を終えステータスを確認することにした。

渡辺 悟

レベル・・・14

力・・・・・50

敏捷・・・・39

防御・・・・37

器用・・・・38


天職・・・・---


水木 彩

レベル・・・13

力・・・・・39

敏捷・・・・47

防御・・・・30

器用・・・・47

魔力・・・・40


天職・・・・ビーストマスター


スキル・・・契約、召喚、進化、強化、意思疎通


スノー(種族:犬)

レベル・・・7

力・・・・・37

敏捷・・・・35

防御・・・・28

器用・・・・15


しばらくぶりの確認だがこれでもかなりきつい。確認を怠っていたが今の戦闘で上がっていると思おう。


皆かなり上がっているが決定力不足だ。

しかし今回は時間がない

このまま先に進むしかないだろう。


そして俺たちはオークメイジを探し歩き始めた。

読んでいただきありがとうございます。

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