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勇者として召喚されましたが国王が気に入らなかったので勇者辞めました  作者: pygmy
第二章 旅には美少女のオプションが必要です
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11話 相模蒼夜の戦い方①論破

 なろうよ、私は帰ってきた!!pygmyです。死んではいませんよ。まあ、年が変わって音沙汰ないというのも変な話で本当に申し訳ない。1月は3回以上データが吹っ飛んで再起不能になったり、1月31日に事故に遭ったりと何かと不幸が付きまとう年になりました。今年度もこの作品を宜しくお願いします。今回は難産でした。誰か私に文才を下さい。



…感想とか評価とかブクマとか着けてくれたら嬉しいな…モチベーション的な意味で元気になれるから。では、久しぶりの本編、どうぞ!

 その後、僕たちはブリック商店に向かい借金の返済に行き、何事もなく手続きを終え、今、『レストラン・ド・リア』(ドリアを食べた店)にいる。


「ありましたよ、フレイヤさん。これを転写して…はい、これで写しは完了です。バーツさん、有難うございます」


あ、バーツさんというのは、ここの店主さんの本名だ(戻ってきたときに聞いた)。


「礼など要りません。本来ならば、私たちが頭を下げなければいけない立場。ソウヤさん、フレイヤさん、有難うございます」


「さて、後は、来るかどうかなんですけど…」


「何も無ければ良いんですがね…」


 フレイヤさんがフラグっぽい言ったところで、店のドアが開けられ、何人かの男が入ってきた。身長が小さく、太っていて葉巻を加えたいかにもテンプレな中規模な組織のボスのような男…多分ブリック…を守るように、黒服を着た男が周囲を囲んでいる。


「何ですか、午後は臨時休業だって書いているんですがね」


 そうバーツさんは皮肉を込めた口調で言うが、護衛の一人が


「契約書をもう一度見てください」


などとのたまってきた。


「契約書を見たが、これ以上は何も無かったぞ」


と、バーツさんが言うと、黒服の一人が契約書を奪い取り、組織のボスにに契約書を見せた。数秒後に契約書を持ったまま、こっちに来て


「見忘れて貰っちゃ困るな、店主さん」


と言って、契約書を見せてきた。そこには


『なお、借金の返済に関わらず、店主の娘は社長と婚姻を結ぶこと』


と書いてあった。


「そんな!こんなこと、書いていなかったぞ!!」


「そう言われても、契約書に書いてあるからなぁ。それとも、店主さんは俺が契約書を書き換えたとでも言うつもりか?」


「そ、それは…」


 確かにさっき『書き換える』事は出来なかった。そう『書き換える』事は。大事なことなので2回言った。


「ブリックさん。確かに貴方は『書き換える』事はしていませんでした。ですが、『すり替える』事は出来ましたよね」


「なんだあんたは。いきなり出てきて何言ってやがる」


 確かに名前を名乗らないのは礼儀が欠けているな。なんだかんだと聞かれたら、答えて上げるが世の情けだ。僕が名乗ろうとした時、黒服の一人が反応した。


「ボス、こいつです。こいつが例の”元”勇者です」


 …と僕がせっかく名乗りを上げようとしているのに、邪魔をする黒服A。まあ、自分から名乗るのも恥ずかしいから良かったけどさ。


「ほう、貴方があの”元”勇者か。で、何故私どもが不正をしていると思ったのですか?」


「簡単なことでしょう。まず、黒服の一人から、借用書を受けとる。次に、風魔法か何かで自分の、そうですね…袖口とかかな?に忍ばせた偽の借用書と交換する。それをいけしゃあしゃあと見せれば、完全犯罪ということですよね。」


 これが、今回の真相だ。これはすでにフレイヤさんと共に検証済みだ。


「そうは言うが、証拠は有るのか?無ければ名誉毀損として刑務所(ムショ)にぶちこむが?」


 なにこのフラグ建築士。1級取れるんじゃない?そして口調は砕けた物になってきたな。まあこの場合、友好的ではなく怒りで口調が本来の物になっているだけだが。


「では借用書の件から。まあ、袖口を見れば解りますが、見つけられない可能性もあるので、それ以外から論破しますね。まず血判についてですが、あれはどうとでもなるでしょう。今バーツさんが持っている借用書は確かにバーツさん本人のでしょう。」


「だったら本人の同意もあると同然ではないか?」


 まあ、そう考えるのが普通だろう。しかし、ブリック商店と繋がっているバックがいたとしたらどうなるかな?


「いやいや、血を集める方法なんて幾らでも有るでしょう。例えば、献血と称して血を採取するとか。聞けば、この国では犯罪を起こしたときに誰の血かわかる判定魔法のために15才以上になると血液を採取するそうじゃないですか」


「つまり貴様は俺たちと警備隊が関係してると?」


「端的に言うとそうなりますね」


「だが、仮にそれが本当だとして、それを示す方法は有るのか?」


 ここまでは予想の範囲内なのか余裕の様子。でも、そんな悪人の余裕を覆すのって


堪らなく愉しいよね


「実は、あの借用書にはある仕掛けが有ります。」


「仕掛けだと?」


「そう、仕掛けです」


「あの借用書には付与エンチャントしてある魔法がひとつありましてね」


「ほう?付与の魔法?ハッタリもいいところだな。既にその紙には『判定』と『状態強化』の魔法が掛けられている。付与魔法は媒体が持つ情報量までしか付与できない。この紙の情報量は300。一方、『判定』の魔法が占めている情報量は250。これ以上新しい魔法は付与することが出来ない。お話にならないな」


 そう、意外と博識なブリックの言うとおり、この世界の付与魔法は変わっていて、その物体が持つ情報量という、その物体が元々持っている余分に情報を付与することが出来るスペースの分だけしか魔法を付与することが出来ない。身近な例で例えると、スマホの内部ストレージ(=情報量)に入る分しかアプリ(=魔法)が入ることが出来ないのと似たようなものだ。しかし、抜け穴が一つある。


「確かに、魔法の”種類”は二つだけです。しかし、”個数”を増やすことは出来るでしょう?」


 今回したのは、”二種類”の魔法の内の『判定』の魔法にに”二つ”の役割を持たせたのだ。元々の『判定』の魔法はバーツさんの血に反応する魔法だけだったのを僕の血にも反応するようにしたのだ。どうやって付与したかは、いつも便利な創造と博識なフレイヤさんに手伝って貰いました。で、『判定』の魔法には二つ効果があって、一つは誰のものかを判定する効果。もう一つは何処にあるかを示す効果。


 僕は自分の血を触媒にして判定の魔法を発動すると、ブリックの袖口が発光した。フレイヤさんが袖口に手を入れると、元々の契約書が出てきた。


「さあ、辞世の句は有りますか?」


 一触即発、とその時に新たな乱入者が入ってきた。警備隊がぞろぞろと店の中に入ってきた。さて、役者は全て揃った。今まで甘い汁をすすってきた奴らをどん底に叩き落としてやろうじゃないか。

裏話:ブリックが『書き換えた』と言ったのには、書き換えた方法を考えさせて、『すり替えた』という方法を気づかなくするという目論みも有りました。

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