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第八話 黒い夢と後悔

皆様のお陰で総合PVが400を超えました。これからも頑張りますので引き続き「無彩色の運命」をよろしくお願いします。

今回はルクスが初めて〇〇を意識した回ですね。

※改稿しました。




 ──俺はいつの間にか目を覚ましていた。



 いや、これって覚めたって言っていいのか?




 何故かと言うと、目は開いているのだが瞬きが出来ない。そして体が動かない。オマケに周りは明かりのない村より暗い。というか光源というものが一切ないのだ。


 あのー、夢ならそろそろ醒めてくれないと心細いんですけど……


 そう思っていると、暗闇の中から、辺りの黒よりもさらに黒い霧のようなものが現れた。そして、それがいきなり話し始めると来たもんだ。


「おい、あんまり無理するもんじゃない、我の魔力を使って分かったと思うがそもそもの話、お前はまだ魔力のコントロールもできていない。さらには体も完全に出来上がっていないんだぞ?」


 うわっ!なんか喋ってる!なんか俺真っ暗闇な空間でさらに黒い霧(もしかしてさっき出てきたやつか?)に一方的に話しかけられてるんだけど?


「いいか、よく聞け。とにかく体力を付けろ。そうだな、我の大好きな飯を食うことと、走ること、四属性魔法の練習なんかをしておけば十分だ。もし「怠惰」のヤツ見たいにサボっていたらお前を我の魔力で内側から破壊してやるからな。ガハハ!」


 話しかけられているのは分かったがこっちは声すら出すことが出来ないので、正直どうしようもない。



「悪いが今の我にできるのはここまでだ。あとはお前が頑張るのだぞ?あ、そう言えばまだ名前を言っておらんかったな。我の名は────」



 おいおい、一番大事な名前言ってから消えろよ!おい待てバカ!


 俺の声にならない声を無視して、意識を持った黒い霧のようなものは結局自分の名前も言わずに支離滅裂なことを言い終えると、現れた時と同じように突然消え去っていったのだった。



 ────そして訪れる静寂。



 のはずが、何処かを誰かが走り回っている音がする。


 そして、その音が聞こえ始めてからそんなに時間が経たずに視界に目を瞑る程の光が広がった。




 ────結局なんなんだよ?どいつもこいつもさぁ!





━━━━━━━━━━━━━━



 「はぁ、もう驚かねぇ。全く次から次へとなんなんだ?ていうか我とか偉そうに言いやがって、何者なんだよあいつは!」


 そう愚痴と文句をこぼしながら俺は体を起こした。部屋の窓から外を見ると、夕方になっているのが確認できる。もうこんな時間か。


 あれ?なんか疲れた感じとか肩の傷とかがだいぶ無くなってるぞ?ていうかここ、俺がいつも寝てる部屋だよな。誰が運んでくれたんだ?


 まぁいっか。どうせバーバラさんが気付いて運んでくれたんだろ。やっぱ俺悪運持ってるかも。


 そんな失礼なことを考えていたところ、突然近くからモゾモゾする音が聞こえてきた。


「ん……ルクス、起きた?」


 ん?なんか隣で眠そうな(甘い)声がするぞ?


 そう思ってそっちの方を見てみると。


「え?うわぁ!」


 俺は突然のことに驚き過ぎて、ベッドから転げ落ちた。

 何故かと言うと、俺が寝てるベッドにアリアさんも寝ていたからだ。


 ちなみにバーバラさんが定めた掟の中で、同じ部屋で男女が寝るのはいいが、お互いのベッドに入るのは御法度、というものがある。




 それが何故ダメなのか、今分かった気がするよ、バーバラさん……





「ん……どうした、の?」


 アリアさんはそう無防備な格好(パジャマ)のまま、可愛く首を傾げて聞いてくる。


 くっ、眩しくて目が開けられない!これはもしかして神の子……いや女神そのものなのか!


 「ななな、何でもないよー?そ、それよりなんで俺のベッドにいたの?」


「イーサが私の自主練が終わって帰ってくるまで見ててあげてって言ったから。あと私も心配だったし……」


 そういえば忘れてた。イーサ姉ちゃんに昨日八つ当りしたこと謝らなくちゃ!


 「ごめん、アリアさん。ちょっとイーサ姉ちゃんのところに行ってくる!あと俺のこと心配してくれてありがとね!」


「うん………行ってらっしゃい。ルクス」





 そして、俺ががドタバタと部屋から出て行くとき、いつも表情に変化がないアリアさんが静かに微笑んでいたことに気付くことはできなかった。





━━━━━━━━━━━━━━



 俺は今、決して本調子ではない体に鞭を打って走っている。


「いつもあんなに優しくしてもらっといて八つ当りとか、俺って格好悪すぎだろ」


 イーサ姉ちゃんはいつも俺を、いやみんなを助けてくれてたんだ。


 俺が黒髪黒目なのを理由に「悪魔の子」と噂する人を俺の代わりに怒ってくれたり、孤児のくせにと馬鹿にする大人達のせいで落ち込んでいた俺たちを励ましてくれたりしてくれたのだ。


 今回だって、俺のことを思って言ってくれたことだったのに。それなのに俺は──


 俺は泣きそうになりながらも足を止めなかった。


 そして、やっとのことで村から少し離れたところにある、いつも魔法を訓練をしている場所に到着した。


「あれ、みんな魔法の練習してるんじゃないのか?」


 しかし、そこに孤児院のみんなの姿はなく、何故かバーバラさんが何やら緊張した顔持ちで一人立っているではないか。


 そして、その目線の先には。


「────は?」


 これは俺じゃなくても言葉が出なくなるに決まってる。


「ルクス!お前じゃまだ無理さね!村の人達に今すぐ伝えてくるだわさ、魔物のスタンピードが発生したってな!」



 なぜかと言うなら、いつも魔法を訓練している場所の奥にあるプレミア平原の方面から、約三千ほどの大小様々な魔物がこちらに押し寄せているからだ。



 


〇〇の答えは異性です。

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