第三話 検査結果と驚愕
※改稿をしました。
検査開始から約三時間が経過したころ、孤児たち十名の模擬魔法適性・階級検査の査定は終了した。
そして、その中の何人は、おかしな結果を出している。
━━━━━━━━━━━━━━
模擬魔法適性・階級検査 結果
((総)は総合階級を(個)は個別階級を表す)
サラ (総)4級
(個)火魔法 3級 水魔法 6級
風魔法 4級 雷魔法 4級
スコラ (総)6級
(個)火魔法 6級 水魔法 5級
風魔法 6級 雷魔法 5級
スパナ (総)5級
(個)火魔法 5級 水魔法 4級
風魔法 5級 雷魔法 6級
バール (総)5級
(個)火魔法 6級 水魔法 5級
風魔法 4級 雷魔法 5級
アリア (総)3級
(個)火魔法 4級 水魔法 2級
風魔法 3級 雷魔法 3級
デフ (総)5級
(個)火魔法 6級 水魔法 6級
風魔法 4級 雷魔法 4級
カーリ (総)4級
(個)火魔法 4級 水魔法 5級
風魔法 4級 雷魔法 4級
ビチルダ (総)4級
(個)火魔法 5級 水魔法 4級
風魔法 4級 雷魔法 4級
イーサ (総)2級
(個)精霊魔法
(火魔法 3級 水魔法 3級
風魔法 2級 雷魔法 3級)
ルクス (総)6級(仮)
(個)火魔法 6級 水魔法 6級
風魔法 6級 雷魔法 6級
黒魔法 ¥♪☆級
━━━━━━━━━━━━━━
この査定結果を改めて見返したバーバラは頭を抱えて独り言を呟く。
「薄々気づいてたけど、どうしてこの孤児院は才能ありなやつばっかりなんだいまったく」
今度は天井を見つめて呟く。
「ルクスとアリアはまぁ分かってたが、イーサ、アンタはなにが起こったっていうんだい!あ、でもアタシが孤児院の前で拾ったとき、周りの魔力がイーサを包み込んでたのが微精霊だったワケか。なんであの時気づかなかったんだよ、アタシのバカ!」
今度はホッとした顔をして呟く。この人は何度呟けば気が済むのだろうか。
「あぁ、でも良かっただわさ。ほとんどの子が基礎知識もあることだし、魔法使いとしてやる気があるならギルドに登録できるまではワタシが育てることができるさね。さて、この結果はみんなを図に乗らせるだけだから嘘でもついておくとするだわさ」
そうして、頭の整理を目的とした呟きを終えたバーバラのすぐ近くで待っていた何人かの子供たちが、期待の眼差しでこう尋ねた。
「バーバラさん、結果どうだった!?」
今がグッドなタイミングさね。彼女はここぞとばかりに悪者のような顔を子供たちに向ける。
「今後の訓練に関わることだから全員よく聞きな!今のアンタたちにはまだ魔法使いと名乗れるギリギリの才能しかないだわさ。でもこれからワタシがミッチリ鍛えて、何年後かには一端のギルドに入れるくらいにはしてやるつもりだ。だけどやる気がない奴にワタシは教えるほど甘くないさね!分かったら返事!」
最初はみんなが自分の才能がないと言われて、少しショックを受けていた。
しかし、それぞれがやがて覚悟を決めて元気に返事をする。
「はい!」
そんな中バーバラは、その中で無邪気に笑っているルクスを見つめる。
ルクス、アンタは別さね。
アンタは一刻もはやく「魔力の壺」でも調べることが出来ない、その脈打つ黒魔法の魔力をコントロールしないと、恐らく魔力暴走で死ぬからね。
ホントに困ったもんだわさ。
と、内心ハラハラすると同時に、絶対にルクスを死なせないと心の中で誓うのだった。
次回からは主人公視点で話が進んでいく予定です。
それにあたって、気合いをいつも以上に入れて書くつもりですので、よろしくお願いします。