5話
私の名前は高坂静流。高校一年生
三つ編みおさげ、めがねっ子、そして異様に育った胸。
ただし優秀すぎるなんてことはなくいわゆる地味っ子である。
女子とは普通に話せるけれど男子は話すことなんてできない。
そう、怖いのだ。
男子はこちらを見て胸がどうとか、触りたいとか聞こえるように聞こえていないふりで噂話をする。
好機の目が胸に向くたびにいたたまれない気持ちになる
女の子たちは男ってそういうもの、それは武器だ、なんていうけれどそんなものはなくてもいいと思う。
だから何度か告白してくる男の子もいるけれど頷いたことはない。といってもごめんなさいって言ってその場から逃げるだけで返事らしいこともしたことはないのだけれど。
ある日のこと。家に帰るとき電車で痴漢に遭う。いつも怖くて何もできないのをいいことに知らないおじさんが体を触ってくる。泣きそうになりながら体をこわばらせるしかできない。でもその日は違った。
「あんた、なにやってんだ?」
大学生だろうか。男の人が私を触っていた手を引きはがしてくれた。おじさんは逃げようとしたけどもう一人のお兄さんが捕まえてくれた。
「もう大丈夫だよ」
気づくとお姉さん二人が私をかばうように肩に触れてくれた。
「はいはい、駅だよ降りようね~」もう一人の大学生さんが開いた扉を差す。
駅員さんに事情説明とかお巡りさんとかお兄さんたちがやってくれた。
お姉さんたちは警察まで来てくれて親が来るまで一緒にいてくれた。
「静流ちゃんはかわいいんだからきちんと自衛しなきゃダメよ。」
「変質者には人権なんてないんだからされるがままなんて絶対ダメ」
慰めてくれる間にいろんな話を聞いた。痴漢対策に刃を抜いたカッターを持ち歩くとか、安全な時間はきちんと探さなきゃダメとか。
痴漢の人はスマホでいろいろ盗撮もしていたみたいでニュースにもなっていた。
私はそれから少し変わった。まだ少し怖いけどもう少し堂々と、いやなことははっきりというようになった。
それから二年後受験を控えたある日。
私は以前より電車に乗る時間を変えていた。朝は早いと眠いけれど痴漢よりはましって考えて少し早い電車にのるようにしていた。
ホームにメロディが鳴り電車が侵入してくる。私はスマホから顔を上げようとした瞬間
突き飛ばされた。
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「また、この夢・・・」
いつも見る夢、すべてのストーリーがわかっているのにどうしても身を縮め目が覚めてしまう。
私が13歳の時、初潮を迎えた夜に前世の記憶を思い出した。
その時に前世、静流としての記憶と特殊なスキルそしてその説明が頭の中に入ってきた。
それ以来だからもう4年になるのか
私は頭を振りベッドから降りる。一糸纏わぬ姿。プラチナの髪に赤い眼差し。女性らしく程よいふくよかさと締まるべきところは締まっている完璧なスタイル
「胸は前世のほうが大きかったわよね」
自らの姿を点検するようにしながらシャワールームに入っていく。
魔道具によりきちんとお湯の出るシャワーが完備してある。
現代日本の知識のある身としてはシャワーがでるなら原理など気にしていない。
便利ならそれでいいのである
使用人が体を拭き服を着せて
貴族令嬢のように清楚なドレスを纏い彼女の意識は変質していく
生きるために、戦うために、望みをかなえるために
静流であった夢の中から魂に刻まれた名へと
彼女の名は
「色欲」
牢獄にとらわれ足掻く一人である
裏設定ですが大学生5人のうち一人が別作品の彼です。
この設定語る日はいつになるのか、そもそもこっちで語れるのかw