3話
それからまた三日ほどが過ぎた
昼は鳥に警戒もきゅもきゅお食事
夜は闇に紛れもきゅもきゅお食事
食うだけだね
大きさはそろそろ葉っぱ一枚分くらいになろうとしている。
もし地球のカエデと同じくらいの葉っぱだとしたらかなりの大きい芋虫なんだが
比較対象がないのでいまいちよくわからない。
正直鳥らしきものはまだ一度も見ていない。
たまに蟻とかがちょっかいかけてくるのだが自爆必死(泣)の威嚇臭い攻撃でお帰りいただく。
いや、人のこと言えないけど虫の顔って怖いんだよ。でっかい顎キチキチ鳴らして近寄ってこられても愛嬌なんてあるわけない。ありって触覚がほとんど匂いセンサー(鼻)って聞いたことがあるのでヤツラに向かって威嚇角振ったら一目散に逃げてくれました。無益な争いはいけませんね。こちとら芋虫速度なので臭いからは逃げられないのに(大泣)
そんなこんなで一枚葉っぱを平らげ次の葉に移ろうとしたときに
パキ
葉っぱの根元から折れました。
どっしえぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
受け身なのかとりあえず無意識に丸まったのもあり
下の葉っぱや枝に何度かバウンド地面に落ちてもそのまま転がってい行く
きゅー
衝撃に目を回したのが収まって周りを見渡すと
薄暗い鬱蒼とした森の中。当然底だわな
生まれてから此の方樹上生活だったものだからこの薄暗さは新鮮。森だねぇ
なんて悠長に構えられていられないマイホームに戻らなければ食べ物もないしなによりこの森の中移動ができない。芋虫レッグスは短すぎて落ち葉や枝のこんな中では移動に困難だし襲われたらひとたまりもない。
エッ?ちょーピンチじゃないっすか?
立ち止まっているよりまず移動だ。
いもいもいもいも
走れない身体が恨めしい。歩くのと変わらん速度だよ
こんなところ襲われでもしたら・・・・
カサ
え、もしかしてフラグ立てた?
音のほうに意識を向ける
視線があった気がした。
細長い体、比べて小さな三角の顔。長い触覚に何より特徴的な鎌二つ・・・
いやぁぁぁぁぁぁ! カマキリさんじゃないですか?
巨大なんですけど?地べたをはい回るこの身からは想像もつかないくらい高い視線。上からしっかり見られている
いや、確かに地球じゃないってわかったよ。体色は真っ黒。軍隊蟻のように飛び出した顎。何より足が6本鎌を合わせて8本だから昆虫よりは蜘蛛、サソリ系だね。なんて悠長に考えてる場合じゃない。
伊達に虫生(一週間)生きてない。あの顔は明らかにおなかすいた顔だ。当然見逃してくれそうにないし。逃げたところで向こうの歩行のほうがこちらの全力疾走より早いのはわかりきっている。
狩りに失敗することがない。そんな自信からか一歩づつ余裕をもって近づいてくる。反撃しかないのだが威嚇が効くのかはわからない。蟻なんかと違って奴は触覚の位置が高いから臭いが効きだす前に一撃もらえば即終わり。何より芋虫スピードでは圧倒的に遅すぎる。残る手は糸だがそれもまた圧倒的に分が悪い。命綱用に太さ調整しかできない糸を吐いたところでそんなのなんの役にも・・・
いや、これしか生き残る方法がないならやるしかない。一寸の虫にも五分の意地を見せてやらぁ
逃げの体制を反転しカマキリに向き直る。怪訝に思ったのか距離を詰めるのをいったん止めこちらをにらんでくる。
まあ実際は複眼なので睨まれているわけではないんだけどね。カマキリって複眼の中に黒い点の部分(偽瞳孔)があるからどの向きからでも睨まれているように見えるって聞いたことあるけれど、なるほど対峙したらすごい威圧感だ。
しかし所詮格下。芋虫など餌としか見ていないようで上から目線(文字通り)でこちらに向かってくる。
狙いは一つ、油断した近づいてくる顔。今だ!
口を開いて糸を吐き出す何よりの狙いは奴の口。
虫っていうのはサソリやハチ以外基本的に攻撃方法は顎で噛み千切るしか持っていない。
カマキリの前肢、鎌の部分はじつはただの捕縛用しか能力的にはないんだよね。
まあ前世幼児時代に鎌に挟まれてすごく痛かった記憶はあるんだが。そこそこ力はすごいのは変わらないだろうけど。間違いなく口さえ封じれば高確率で致命傷を避けられるはず。
狙いあやまたず、糸は口の両端に引っかかりマスクのようにふさいでいく。そのまま大顎をコーテイングしていくように口の身に狙いをつけて糸を吐き出していく。
一瞬ひるんで顎からはがそうとするが無駄な足掻き。
基本的に芋虫、蜘蛛の糸などは他種族にかみ切ることなどできないのだよ。
そのままロープ糸(かってに命名)に切り替え前肢、顔などこれでもかと振りかけていく。
気を抜けば即お持ち帰りなのでこれでもかと一心不乱に。
途中で糸吐きのレベルアップを何度か知らせてきた。
気づいたらカマキリ入りの繭ができてました。
前世怪獣映画の東京タワー大芋虫さん。あなたの攻撃方法は正しかった。感謝感謝
なんか繭から伸びているけど触覚かな? あれ?
ニヤリ、いいこと考えた。
いもいもと近づいていく。
糸を吐きつけひっぱって届く範囲までしならせる。長いけどこれも触覚なら匂いセンサーになってるはずだ。糸で固定してから威嚇角を伸ばし擦りつける。コシコシ
突如繭の中でカマキリが暴れだした。壊れるかと思ったけど過剰に拘束しているので繭は無事だった。
ひとしきり暴れた後に動かなくなると
頭の中で何度かブザーが響く
アレ?レベルアップした?
ってことは倒したの?てか死ぬくらいの匂いなのか?この威嚇。
やだ、最終兵器だったのね。そりゃ自分でもダメージ受けるわ。
種族名:ギガノパピリオ(幼生体)
個体名:未登録
LV: 9
HP:10/155
MP:18/70
特殊技能:糸吐きLV10(MAX) 大食LV7 威嚇LV8
秘匿スキル:傲慢
え?さっきまでレベル2だったのになんだよこの上がり方。
まあ確かに本来勝てる相手ではないだろうしね。赤ちゃん対横綱で金星上げるもんだろうしこの上がり方は納得だ
でもきっとまだまだ鳥には勝てないだろうしなぁ
正直幼虫なのでHPがかなりしょぼい
成虫に早くなりたいんだけど時期なのかレベルなのかがよくわからないんだよねぇ。
[謎の組織]_・)フラグが立ったぁ!
---------------- 8×キリトリセン ----------------
「アレクマンティス」
八本の足を持つカマキリ 体長50Cm(ちなみに今の芋虫の体調は30CM)
旺盛な食欲を持つ。本来は自らより大型の虫、トカゲ系の獲物を好んで捕食するが
この個体はたまたま空腹であったため芋虫を狙った。
長い触覚は臭い、音、気流などを感じる複合センサー。大変鋭敏なために
拷問のような刺激物質をこすりつけられ哀れ絶命した。