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異界で喰われて進化する?  作者: 那園曽 子規
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21話

休憩中に毒魔法の検証も終えた。


今までは催涙弾だけだったのがやはり蛇毒の影響で即死性が半端ない

ていうか、何で溶解液まで作れるの?森で火魔法の検証したら火事になると思って自重してたのに

溶解弾半端ない


今とどまっている一帯の木々が解けて爛れている。ただの森の中がここだけ妖怪が出そうなおどろおどろしい景色になってしまった。まあ今の見た目は確かに蛇妖怪なんだからあってるっちゃあってるんだが


空しいなぁ


あと、威圧ってのを使うと頭の後ろが横に広がってコブラみたいな形になる

まあ猛毒種って意味で怖がらせるんだろう、使う機会としてはどちらかといえばおしゃれに近い気がするんだけどこんなもんかね。


そろそろ、動けるくらいにおなかもこなれてきたし移動しますか。ていうか結構広範囲の音波探査でも全然生き物の気配がないんだよね?もしかしてやっちゃった?この世界のステータスに称号システムとかあったら確実に殲滅者とかつきそうなくらいかもしれない。


移動してると複数の生き物の気配を感じた。人?いや、人だけじゃない。

追いかけられてるのか?獣の反応も多い。


気配を消しながら近づいていく。何か硬いものをたたく音、獣の唸り声。

近づいていくと数匹のハウンドを使って人間が3人。相手はクラスターベアのようだ。


善戦しているがいかんせん装備の相性が悪い。

弓を背負っているのが二人。ショートソードに盾が一人。

弓の人がナイフを持ているってことは圧倒的に火力不足だ。

ハウンドって鳥の時に連携見たことあるけどどちらかといえば噛み傷で戦意を挫くことが主な役割で、

クマの毛皮と脂肪(装甲)を越えることはできないはず。

それでも、そこそこ持ちこたえてはいるけれど、そろそろやばいんじゃないかな?魔力が集まりだしているんだけど。感知できていないのか?あの人間たち



************


過日、ギルドに突如もたらされた報告。


この森にベノンヴァイパーが出現したというものだった。

本来ここは森の深部とは違いそこまで強力な魔物は出没しない。

エルフの集落を結ぶルートであるこの森は昔から王国とエルフの間で交易ルートとされ魔物討伐など整備がされてきた。大型魔獣はボア程度でありそれならば余裕で捌ける力量の自負はある。

だが、生息区域外にクラスターベアとは想定外だ。

いや、想定はするべきだったのだ。元々のベノンヴァイパー自体が想定外の報告。

だがどういうことだ?ここまで強力な魔物が一度に人間の生息域に出てくるなどかつてなかったことだ。


そこまで考え戦況を見る。仲間二人は腕利きのレンジャーだ。森の奥ということで本来の装備長弓を置いてきてしまったのは悪手であったが何とか持ちこたえていた。ハウンドを操っている操獣士がおそらくこの危機を伝えていてくれるはずではあるが。拠点から一日半入った森の奥。即時の救援は望めない

なにより、人里にこのような魔獣を連れていけるはずがない。できることは人里を離れることだが・・・


突如、クラスターベアの背中のクリスタルが光りだす。


「かわせ!魔法を使われる!」


叫ぶが間に合わないことは明白であった。クラスターベアの魔法は岩弾。人の頭ほどの岩を大量に打ち出してくるというものだ。もうだめかと盾を構え眼を閉じる


直後響いてきたのは岩の放たれる音ではなく。獣の咆哮。

苦しむような叫びに目を見開いてみれば、苦しみのたうつクラスターベアに巻き付く紫のロープ。

ベノンヴァイパーがクラスターベアに巻き付き締めあげていた。


************


危ないよ。まったく!

どんな魔法か知らないけどガトリングボアみたいな魔力光だったから礫なんだろう。

流れ弾とか来られたら痛いじゃないか。先に仕留めるつもりで溶解球を顔にぶつける。

おそらくこちらに気づいてはいただろうけどまさか遠距離攻撃とかは想定していなかったに違いない

目の前の溶解液でもがき苦しむのと同時、飛びついて巻き締めあげる。


太い胴体だから下肢はさすがに締め上げられなかったけど前肢と首さえマウントを取れれば問題はない。

毛皮の密度がすごすぎて毒牙が通らないんだよね。持久戦しかなさそうな。顔にかけた溶解液で毛皮溶けてるな。そこなら牙が通るかな。


かぷ


一瞬痙攣する。十分な毒を入れたと同時に身を放す。

蛇の締め付けは血流を滞らせるためのもの。本当はそれで致死まで絞めるんだけど毒が入ったら逆に全身に回した方が速い。


断末魔で前肢を振り回してくるが、手遅れだよ?安静にしないと。

ほら毒の周りが速くなった。血を吐いてそのまま倒れるクマ。


よかったよかったって周りを見るといまだ戦闘態勢を解かない人間たち。



そりゃそうか、クマに襲われてて絶体絶命の時にさらなる怪獣襲来。緊張解けないわな。

もしかしてこいつら俺を討伐に来た連中?

でもなぁ、クマに勝てない人間がベノンヴァイパー(この蛇)殺せるとは思わないんだよねぇ。

とりあえず挨拶でもしとくか


威圧


首の後ろを開きコブラ状になる。あれ?なんか一気にみんな青ざめてるよ?

ハウンドたちもしっぽ下げてるんですけど、そんなに怖いのか?

まあいいか、強い人連れてきてね~


ゆっくりと人里に向けて移動を始めた。


剣を持った男が突っ込んできた。無駄だよ?こっちは見逃してるんだし。

ほらほら、剣が通らない。ショートソードじゃなくせめてロングソードじゃないとダメなんじゃないかな?

剣は通らないけどぺちぺちめんどくさいな。

尻尾を使って追い払う。それでも起き上がって向かってくる男。

負けてあげられないんだよねそれじゃぁ。

こっちに行こうとするのを阻止しようとしているみたいだな


ラッキー!人里の方向が分かったかもしれない。

じゃあ、お礼も兼ねて。

少し力を入れて男を弾き飛ばす

気絶で済んだよね?死んでないよね?


とりあえず逆方向に向かって進みだす。

あとで方向転換すればいいしどうせ犬の一匹でも尾行してくれるだろ







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