14話
「やっぱ、会話がつながらないとめんどくさいものね」
Yを押すと画面が立ち上がり連絡先グリードの欄ができた後、接続された。
音声チャットというか電話というか念話?まあ確かに思うことじゃなく言いたいことが伝わるのは便利。
何気に今生初めての『会話』になりました
「まずは初めまして、かしら?あなたにとっては誰かわからないでしょうね?お仲間よ」
そうだね。秘匿スキル名自体が自分を差す名になるのか。
「そうよ。個人名なんて転生完了まで意味はないんだし、特にあなたにとっては何の意味もないでしょ?」
そういやそうだ。個体名付いたのはこの姿の時からだもんな。じゃあこちらからはグリードって呼ばせてもらうよ
「グリちゃんでいいわよ?」
やだよ
「つれないわね、こんなに好きなのに」
いやいや、君が好きなのはこの姿でしょ?普通の男性姿で抱き着いてくれるなら呼んであげてもいいけど
「そんなのいらない」
即答かよ、どっちがつれないんだ
「貴方面白いヒトだったのね、もっと早く知ってたら仲良くなれてたのにね」
微笑みながら言う、その言葉で疑問が確信に変わる
もしかして、君には転生前の記憶がある?
「そうよ。正確には神の座で『あたしたち七人』が説明を受けたところからの記憶、かしらね。ラストのほうは前世分持って行くって決めていたようだけど」
え?だって記憶消去はみんな納得したって神のメールになかったか?どういうこと?
「記憶持ちはあたしとラストだけだったと思う。この世界に来る前に順番を決めるくじをしたのよ。結果グリード、ラスト、ラース、スロウス、エンヴィー、グラトニー、プライドの順番で地上に降りてくることになったの。で、くじトップボーナスとして記憶があるの」
神様候補なのにくじ運悪!最後かよ。あ、でも全員神様候補か
「いいことばっかりでもないけどね。最初なおかげであたしが幹事役。こうやってみんなに連絡をつけなきゃいけないんだから。」
委員長ポジションだなわかります。
「貴方記憶ないくせになんで妙な知識だけ残ってるのよ」
いや、メールの文面からみてもグリードもいい感じにインドアサブカル女子っぽいよ。
「まあそういうわけでボーナスとしてあたしとラストに記憶があるってことね。あとグラトニーとあなたにもブービー、アンカーボーナスがあったと思うんだけど?」
え?マジ?ちょっとお待ちください。探してみる。・・・・
ないよ!ステータス画面探しまくったけどそれらしい説明何処にもないよ!
「あら残念ね」
くそ~心底どうでもいい調子で言いやがった。まあ無いものはどうでもいいか
そういや、連絡つけるってどうやって探すんだ?わかるスキルとかあるの?
「駄目よ、スキルに関することはいきなり聞き出すもんじゃないわ」
いたずらっぽい顔になって人差し指を口の前に立てて彼女は言った
強欲の秘匿スキルの内容か。興味はあるけど無理強いもできないね
「意外とアッサリ引くのね?」
まだ敵対したくないからね。友好的にいこう。
「惚れた?」
んなわけあるか!
「残念ね」
棒読みで言うな。真面目な話に戻すよ。他のヤツラの情報がほしい
「情報?スキルとか、スリーサイズとか?」
いや、スリーサイズはいらないから。大きくても小さくてもそこにおっぱいがあればいい、って今鳥だから役に立たない情報だよそれ
「実は100は越えてるの」
まじで?そんなにウエストあるように・・
腹パンチ喰らいました。異世界でも神様候補でもスタイル茶化すのはいけないようです
面白いな、久しぶりの会話って楽しい。
ってまじめな話に戻せ。とりあえずみんなと会って話がしたいんだよどうするべきかどうありたいのか
「今から会いに行くの?」
まあ今なら飛んでいけるしね。遠すぎると無理だけど
「場所は半分くらいしかわからないわよ。放浪する人たちも多いから」
いいよ、どうせ連絡付くんだろ?プライド出現の一報入れるつもりならついでに場所も聞いといてくれると助かる。
「わかった、ついでにあなたへの連絡方法も送っておいていい?そしたら直に連絡取れるし」
メールアドレス公開ってやつか。まさか鳥になっても使えるとは便利なもんだね。
「あたしの連絡先もきちんと登録しておきなさいよ。そろそろアリス達が戻ってくるかもしれないから。詳しくはメールでね」
ハイハイ登録っと。まさかファンタジー世界でメル友ができる日が来るとはね




