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光と闇  作者: 緋翠
第二章
18/22

01

いつの間にかユニーク2,000 PV12,000突破してました。

凄いのかよく分かりませんけどこれだけ読んでくれる方がいてくれるとこの小説もそこそこ面しr

調子に乗る投稿者ですが、色んな方にありがとうございます!!

「レイ・カゲミヤ、あなたを国家反逆罪で捕らえます」


都会のような人混みがある首都クリスタル・パレスのメインストリートは今、私がこの世界で最も嫌う人間代表によって騒ぎになっていた。

って言ったら凄い他人事よね、私。

周囲を取り逃がさないように衛兵達で囲い、何も感じさせない目でこちらを見てくる聖女様と対峙していた。

まさか街中でこんな事言われるなんて思いませんでしたけど。


「おいレイ、お前何やったんだ?」

「さぁ?なんの罪でしょうね?全く記憶がございませんよ」


声高に民衆の前で宣言した聖女様は、返事の言葉が気に喰わなかったらしく眉をしかめている。

別に良いわよー?捕まっても逃げる自信はあるから。

でもアディアとミリアを巻き込むのはいけ好かないわね。


「あなたは勇者としての義務を放棄している、それだけで充分な命令違反となります。どうしてすぐにでも我々と合流しようと思わなかったのですか?」


あぁあれだね、これはやられた。

一哉君しか言葉が分からなかった時、こいつの親父と面会した時に何か言われていたのか。

しくったな、私にも寄越せぐらい言っておくべきだったか。

まぁでも、突き飛ばしたのあなたですからね。

もう二度と近寄らないで下さいまし!って事だろ?


「お言葉ですが、私は命令を聞いた覚えが無いのですが」

「私の父と謁見した時にあなたもいたでしょう?その時命令が下されたはずです」

「いましたっけ?」

「いましたわ!!」


それに今私が出来る事はこの場で自分の情報を漏らさない事だ。

こんな所で弁解とかしたくないんだけど。

然るべきところで話してあげるから、早く連れて行きなさいっての。


「~~っ!もういいですわ!!この女を早く連れていきなさい!!」

「はっ!この二人も共に連れて行きましょうか?」

「連れて行きなさい」


はぁ?と呆れた溜め息が出てくるのをなんとか堪え、衛兵のされるがままにされておく。

不機嫌そうだった聖女様の顔がいきなりご機嫌顔になる。


「その方達に、この女の正体を教えて差し上げましょう」


あ、こいつ反省してないなって思った瞬間だった。



正直言って首都に来て一ヶ月が経ち、ようやく一哉君と会える手綱がぶら下がってきたなと思っていた。

私が上陸したベルルカには一哉君達の姿が無かったから、違う港町に到着したとしてもこの皇帝のお膝元にいればいつかは世界を巡る上でここに来るんじゃないかとは思っていた。

世界最大と謳われるニヴァーナ大陸のどこかには一哉君達がいるって事だし。

あぁこの期間で時空間系の術式を煮詰められたのは良かった事かな。


「レイは本当に勇者なのか?」

「……あなたはその話、どこまで知ってるかしら?」

「んー?魔王を倒す力を持つ人間、って所かな」

「ミリアは?」

「興味ない」

「そう」


やけにばっさりと切るような返答なのがミリアらしいとも思う。

現在護送車にてクリスタル・パレスからどこかへと運ばれている途中。

がたがたと揺れる護送車の壁に凭れかかりながら、僅かな光が入る天井付近の窓を見る。

捕まる前に昼ごはんを食べてきたから空腹感はないけど、揺れる護送車のおかげで吐きそうだ。


「私はレイが好きだ」


いきなりの告白!?あれ、いつフラグ立てましたっけ。

私はバイでもレズでもないぞ、そうノーマル。

可愛いと美人は正義だ、とありきたりな台詞は言わせていただくけど。


「たとえレイが何者でも、私は傍を離れるつもりはないから」


頬を撫でるようにして手を添えたミリアの表情は心配そうなものだった。

もしかして、さっきの正体が~って聞いた辺りで私が彼女達から離れると思ったのかな。

気持ち悪くて顔真っ青だから余計勘違いさせたか?

とりあえずミリアの頭を撫でておいた。


「ありがとう」


ぷい、と顔を背けられた。

なんだ?お礼言われ慣れてないのか?うい奴よのぉ。

使い道違うか。


「俺も離れる気はないよ。離れようとするなら追いかけてやる」

「……それはどうも」


へたれから男前にレベルアップした!ってレベルアップ早い!

なんだか身の危険も感じるような台詞ではあるが、二人からの愛の告白は素直に受け取っておくとしよう。

好意を受け取っていても嫌ではないしね。

行き過ぎた好意は勘弁したいところですが。


『命の危機とあらば、私はあなた様のために身を粉にしてお護りします』

『その時が来ないよう祈ってるけど、そうなったら死なない(?)程度によろしくね』


ついには三人目からの愛の告白まで受け取ってしまった。

いや、フェルマーは最初から全身全霊で愛の告白をしていたな。

……あれ?していたっけ。


仲間になってからそんな経ってないっていうのに、なんだってこんな慕ってくれてるんだろ。

人徳のおかげ?まぁ私も君ら好きだよ。

とりあえずうぇっぷ、吐きそうだ。

どうにかならないのかこの護送車。



罪人を運ぶのに護送車であってたかな…(汗)

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