鎌倉〜あじさいのうた〜
【本編はこちら!】
新江の島縁起〜なぜかイタリア出身の怪人として戦うことになった僕は、魔法少女に恋をした〜
https://ncode.syosetu.com/n4318mh/
旅立つ友人を見送り……
あしひきの 峰の向かひの 青き雲 ついぞ果てえぬ 志かな
雨降る渡り廊下にて……
雨雲の たどきも知らぬ あじさいの 葉の玉飾り そと残りいる
水色の傘をさして……
雨ふりて さみだる淡き あじさいの 四片巡らふ 玉垂れの縁
雨の江ノ電から眺めて……
咲かざらば 焦がるる思ひ なからまし いかにぞにおふ 長谷のあじさい
悩める月夜に……
ひさかたの さやけき月よ 降り照らせ うつろふ雲居 天つ空ごと
サムエル・コッキング苑で口づけ……
言の葉に 重ぬる思ひ 限られど 重ぬる唇に 限りあらざり
江の島のホテルにて……
朝ぼらけ しとねうたたね うたかたに 水泡添ひうた ささめき合はす
ショートカットの黒髪……
ぬばたまの 妹が黒髪 うるはしく 吾が手枕の 冷ゆるも忘る
狐の夢の中で、指切り……
約束を 来世は同じ 蓮の葉に 生まれ出づると 君求めしや
雨魂……
いきあひて 別れ合はせて 待ちわびて 愛し雨玉 あちこちかしこ
迷いは晴れて……
雲いぬる 心まにまに 色づきて つゆと別れむ 藍のあじさい
空希
【この作品について】
今後、新江の島縁起の作中で登場する予定の和歌です。
が、戦闘和歌とは違うもので、恋愛場面でたまに載る感じです。
まあ、源氏物語の話の途中でポツポツと出てくる和歌のイメージかな?
もしくは「挿絵みたいな詩」、かもしれません。
あじさいは、ヒロインの青浜夏音を象徴しています。
★この短歌集は完結なので、最後に星評価をお願いします。
【補足】
妹が黒髪…とありますが、これは現代の兄妹をさす言葉の[妹]ではありません。
古い時代には、恋人や妻を[妹]と呼びました。




