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白い教室

「先ずは君たちの意識がうまく伝わっているのか試してみよう」

円形の教室は白い壁が光るように眩しく、特別な空間にいるかのような場所だった。

No.3609 (きざし) (ひかる)旅をしながら、その旅の魅力と旅のやり方を教えている。

本日は、生徒とと共に中心を囲むように授業をしている。

その教室の真ん中には、緑色に光る丸い球体が白く細長い柱の上に置かれている。

その球体の中は液体なのか気体のなのか分からない変わった動きで漂っているものが入っていた。

「そこの君、この球のそばに来なさい」

兆に指先を向けられた生徒の体には、微弱の振動が感じ取れた。

自分に向けられているものと認識した彼は、言われた通り、その球のそばに寄った。

寄るとすぐに、その緑色のゆらゆらと漂うものが'3'と言う数字の形を表した。

そしてすぐに、その数字はフッと息を吹きかけるように消えた。

「きみ名前は?」

No.54027大藤(おおふじ) (じゅう)です。

「では、大藤君。君の波動レベルは3だ。正直とても少ない。根気が必要になってくるが、君の目標は?君はどんなことを目的としている?教えてくれ」

大藤という生徒は、その少ない数字に肩を落とすわけでもなく、堂々としていた。

その姿を見て、どうしても聞いてみたくなった。

「はいっ。私はタイムトラベラーとして活躍するつもりでしたが、残念ですがご覧の通りです。ですので、波動力を磨く為にも、先輩トラベラーの補佐となれるよう学習していくつもりです」

自分の向かう先をきちんと見ている彼に、賞賛と彼の力を引き出す為の補助バッヂを送った。

これによって彼は、目の前の世界に目を向けて、宇宙に向かうスピードを進めるだろう。

講義は続いた。

「では、これから次の話に向かう前に、今度はそれぞれ目標とするものに近い方に分かれて講義を受けて欲しい。タイムトラベラーを目的とする時間のグループと、探究を目的とすると旅グループ二手に分かれてもらう。私は勿論旅の方を担当する。時間のグループには大ベテランの講師が本日いらしている。今日の君たちが羨ましいぞ。それでは分かれてくれ」

生徒たちは、ばらばらと分かれ始めた。


タイムトラベラー、所謂時間を旅するには、己の波動がある程度高くないと難しい。そしてそれをある程度、扱えなくてはならない

時間のエネルギーとは物凄いもので、自己のエネルギーで跳ね返すくらいの力がないと、時間の歪みに挟まり、抜け出せなくなってしまう。

それほど危険な旅の一つでもある。

今は、乗り込む船や、ボディースーツの外側で調整し、内側は一定に保つようにはなっている為、ひと昔まえより行動はしやすくなっている。

だが万が一の時は頼ることなく、己の力で戻れる知識と経験が必要だ。

知っていないと、それこそ取り返しのつかない事になってしまう。


白い部屋に白い服を纏った生徒たち、年齢は皆見た目は若いが生存年数はながい。

人の生命の期限はかなり昔から、

''あってないものと"なっている。

だが、

"無くてあるもの"でもある。

どちらの考えで生きているかはそれぞれだが、ほとんどが命に対して、限りあるものという意識がない。

我々には死が無縁の為、死と隣り合わせであったり、迷い込むことでおこる危険性に関して理解がしづらい。

宇宙を旅する私達の考えの中に、その恐怖を植え付けることもまた、バランス的に難しいことでもあるのだ。

講師が光の中から現れた。

「私は、まだ人類が時間を飛び越えた事がなかった時、最初に飛び越えた、かなりレアな人間です。初めまして、私は(そら) 一太(いちた)と言います。」

そういうと、何やら両腕を開いた変わったポーズで頭を下げ、挨拶した。

すると、驚くほどものすごい歓声がどっと湧き起こった。

「しってます!わぁ!!光栄です。」

「お会い出来なんて!夢のようです」

「講師…」と入って失神するもの。

さすが光や時間を扱う部門だけあって、皆が高揚感でキラキラ輝いた。

そして一気に活気が膨れ上がった。




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