11/16
とんだ珍客
御休みなさいませ!
俺はハンドルをきつく握りながら、前方を見詰めることで、彼の言う事を無視しようと努めた。 俺は彼の言う事をまるで相手にしていないというのでもない。 俺はいつでも、他人に対しては公明正大であるつもりでいる。 少なくともハナからひとを鼻で嗤って、なんでもかんでも話を聞くことすらせずに門前払いしてしまう、というようなことはない。ただ、この男のいかにも妖しげな雰囲気と、どこかぞんざいにも思える物言いが少しばかり苦手なだけなのである。 車のフロントグラスの内側には、後方に向かって規則的に流れる街灯の光が、白い光条となって映っていた。 「このままだ。もし、仮にも君がこのまま、わたしを乗せて目的地までこの車を走らせて、そこに到達したとしよう。そこで君は、わたしから料金を受け取り、そしててそのまま、次なる客を捜すなりして、乗務を続けたとしよう・・・」そこで彼は一旦言葉を切った。
御読み頂きまして、誠に有難う御座いました!




