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現実アンチは色付ける。  作者: 新田 穂摘
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EP2 悪魔と女神

無数に輝く蛍のような光に囲まれて、それとも違う様なまるで真夜中の街頭下にいる感じ。何処か懐かしく温かい。

『僕は死んだのだろう。ここは天国という所か』

心で思った事をまるでマイクが拾い上げスピーカーが代弁しているかのような。

素直に曝け出すとはこんなにも心地良いのかと思わせる程今まで感じた事のない澄んだ気持ちだ。

生前、気持ちを内から外になんて出した事などない。いや、出す様な気持など持ち合わせてはいなかったと言うのが正解だろう。いくつもの割れた鏡に写る、いくつもの自分。悲しそうな自分。喜ぶ自分。怒る自分。何かに魅かれている自分。そしていつものぶっきらぼうな自分。そこに写る自分なのに自分でない自分に恐怖と苛立ちを感じ、状況など関係なくいつの間にか壊し殺している。それが自分。感情を出さず、無関心でいてとっつきにくい。それが俺。


『皇 みどり』


そしてそいつはこんな性格だからか、はたまた世界が不公平だからか、蔑まれ、親からも捨てられ、生きる意味も生きる事自体を諦めざるを得なくされた。ただ死んで尚誰も居ないこの空間でなら思う。

みどりは今になって苛立ちを感じ始めていた。

それは世への憎しみなのだと、感情のかの字も知らない筈のみどりは直感で辿り着いた。


「来世があるのなら・・・もし来世を生きるライセンスをこの手の内に収めたなら、世という敵にこの憎悪をぶつけてやる。敵だ。俺は変わる現実逃避では無く現実アンチへと」


いつの間にか心の色が反映された様に周りは熱く暗く何も見えなくなっていた。

ただ遠くに鍵穴のついたドアだけが見えた。

歩き歩き時には走りそのドアの前に辿り着く。

その瞬間自動ドアの様に、みどりが来る事を見透かしていた様にそのドアが開き内から透明感のある白い光が溢れ始めた。あたりの黒に少しずつ白が侵食していく。そしてみどりはその光に包まれながら意識を失った。


まるで悪魔が女神に抱かれて眠る様に。


「・・・みど・の・来世・・・美し・ありま・・ように・・」

途切れ途切れのその声を境にみどりは完全に堕ちて言った。


そして・・・あの不思議な部屋に・・・・


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