プロローグ
これは、毎日自分を理想とは違う色に染めていく現実に絶望を覚えながらも抗うある男の話だ。
プロローグ
「・・・ここは」
真っ白で、でも夜になると真っ黒になるそんな一室で俺<皇 みどり>は生まれる。前世の記憶を持って。
頭が痛い。それも今までに無いくらいに、まるで無限の光の中に閉じ込められたかのように。
「いっっ・・」吐きそうになりながらも周りを見渡す。
靡くカーテン。その隙間から刺す様な光。見覚えのない椅子と机。
それらはどれも実在しているのにまるで無いかのような、
どれも観た事がない、はずなのにどこか懐かしさのあるそんな不思議な部屋。
「な、なんだここ。一体何処なんだ。誘拐!?」
思い出そうとしても一向に思い出せない。まるで二つの記憶が交差し道を作るように。ゴールの見えない膨大な記憶。
みどりは考えるのをやめた。いや割り切ったのだ。
「ったく。いつか思い出すしな」
だがひとつだけみどりは思い出した。
「此処がどこだろーが知ったことか。現実に変わりは無い」
その瞬間何処かみどりは取り憑かれたようにニヤリと笑い呟いた。
「イコール、敵」
心の臓から出る鼓動の振動が空気中に伝わるかのように空気の流れが変わった。
そう。みどりという男は現実を真っ向から否定し抗う『現実アンチ』ということだけは。




