一輪 私は『物』だった。
一輪 私は『物』だった。
monolog
私は≪ 物 ≫だった。
いつから、こんな事を思うようになったのかは分からない。
私は≪ 物 ≫だった。
人間とは呼べない、もっと別の何かだと思うようになった。
「「何一つとして、認めたくはないけれど」」
monolog
ちゃいむのおとがなるきょうしつ。
「ねぇねぇ、あみちゃん、あそぼ?」
その少女は突如として声を掛けてくる。
彼女はその当時、小学生一年生が始まって僅か半年で引っ越し&転校してきた子。
性は≪ 氷見 ≫ 名は≪ 真奈沙 ≫
大体の転校生が浴びる洗礼として、クラスメイトからの質問攻め~みたいなお決まりイベントがあると思う人が殆どだろうが…。
彼女に対して「誰も」声を掛けていなかった。
そう、彼女は転校初日にして誰からも相手にされないような…ちょっぴり変わった子だった。
いや、、、周りが変わっているのか…?
…どうでも良いか。
まぁ、でも、私も同じような人間だった。
友達作りも下手、人に合わせるのも苦手、そもそもお喋りも無駄だと思っていた。
本に没頭して…難しい小説を読み、推理の謎を解いたり、甘酸っぱい恋愛にドキドキして、悲恋に涙する。
私は、相手の感情を感じ過ぎてしまう。
だから、、相手を傷つけたくないと言う建前を付けて、誰とも話さないまま生きていた。
小学一年生としては、なかなかのマセガキだっなぁと…多少思う。
そんな事はどうでも良いんだよ。
私の事は良いんだよ。
そう、彼女と初めて会話を交わしたのはこれが最初。
そして、当時の私にとっては
「やだ」
これで最後にしたかった。
そう、とっても質の悪い子供だったんだよ、、私。
でもね
「なにしてあそぶ?」
彼女は何一つ聞いてくれなかった。
「、、、ほんよんでたい」
私にとって、彼女みたいな人は初めてだった。
大抵の人なら…私が一言断っただけで諦めてどこか行ってくれるから、とっても楽だった。
でも、彼女だけはまるで違った。
「じゃあ、いっしょによもう?」
自分が一歩引く度に、彼女が二歩くらい詰めてくるような勢いを持っていた。
だから、、当時の私でも感じたんだろうね。
彼女を突き放すのは無理だと。
「すきにしてよ」
「やった、ありがとう♪」
まぁ、それからはこんな調子で進んでいく。
毎日同じような会話をして、毎日同じように一緒に本を読んで。
そんな、、何一つとして変わらない日々が続いていった。
それ以降は相も変わらず、私と彼女には友人と呼べる相手が一人もできなかった。
話せない訳じゃない…少し勇気を出して声を掛けても、、程度の知れた会話しかできずに終了。
だから私には、彼女しかいなかった。
一緒に本の主人公の話題で会話が弾んでいた時…私が不意に笑顔をもらした。
その時
「あ、やっと、わらってくれた♪」
なんて、小学生らしくないような嬉しい言葉をくれる時もあった。
そんな言葉ですらも
「うるさい、みないで」
と、一蹴してやったけどね。
そうして5年と半年の間を、彼女と共に過ごして…
小学生卒業という名の通過儀礼を終えた後に
私と真奈沙は一度
「またね、愛海ちゃん…!」
「うん…また、ね」
別々の中学校の道へと足を進めていった、、、。
さァ、一緒に狂エ。




