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「それはよかった…。

この硝子玉は師匠からの貰った御守りで、昔…といっても君と会う一年位前だったと思うけど、俺も同じ様な悩みを持っていたから君に渡したくなったんだ。

その時から俺は君が好きだった。一目惚れしたんだ。」


ヴィルヘルムの再度の告白に私は自身の気持ちを告げる。


「ヴィルヘルム様、わたくしも貴方様のことが好きです。この硝子玉をずっと持っていたのも、くれた御方がずっと心にいたからなのです。

わたくしもあの時に貴方様に…。」

「嬉しいよ。エリザベート嬢。」

「不束者ですが、お傍に置いてください。」

「ああ。君だけを愛すると誓うよ。」


彼は私の隣に腰掛けると手を重ねた。


「本当は帝国へ戻ってゆっくりと関係を築くつもりでいたんだけど…」

「そういえば先程、そうも言ってられなくなったと仰っていましたね?」

「実はこの一年間で王国へ出向くことが多くて、帝国の社交界へ参加していなかったんだけど、とある侯爵令嬢が俺の婚約者に内定したと吹聴していてね…。」

「えっ…」

「勘違いしないで?前も言ったけど、俺は帝国では冷たい男で嫌厭されていたのは本当だ。何ならアルベルトに確認してもらっても構わない。」

「安心しました…。ヴィルヘルム様に婚約者がいないという話は王国でも有名でしたのに、本当はいたのかと焦りましまわ…。」

「アルベルトは唯一の皇子で俺は皇弟の息子だから皇位継承権もある。アルベルトが婚姻するまでは結婚はしないと言っていたんだ。

まあ、本当は君を想っていたから誰とも結婚する気がなかっただけなんだけど…。」

「う、嬉しいです。そんなに想っていただけて…。」


「ねえ、愛称呼んでもいい?リズだとサーラ様と同じだからエリーとかどうかな?それと、抱きしめてもいい?さっきから君が可愛すぎるんだよね…。」

「だ、抱きしめ…!?」

「駄目かな…?」


そんな甘えるように言われて断れるわけなかった私は「愛称も抱きしめるのも駄目ではなないです…。」と答えた。


「エリーが小さくて可愛すぎる。」

「は、恥ずかし…です…。」

「ごめんね。でももう少しだけ抱きしめさせて?

初恋が叶って浮かれてるから。」

「あ、あの…帝国内でヴィルヘルム様の婚約者だと吹聴している令嬢とは本当にご関係はないのですよね?」

「ない。俺への縁談は断るようにと父上や皇帝陛下にも伝えてあるから。」

「よかった…。」

「安心した?」

「はい…。」

「ねえ、エリー。俺のことはヴィルと呼んでほしい。それと敬語も使わないでほしい。」

「で、ですが…」

「駄目?」


ヴィルヘルムは私の頬に手を添えて視線を合わせる。


「(こ、こんな素敵な表情で言われたら断れるはずないわ!)

駄目…じゃないわ…。ヴィル…。」


私がヴィルと呼んだ瞬間に彼は抱きしめていた腕の力をより一層強めた。


「幸せすぎる。」

「わ、わたくしも…。」


どの位抱き合っていただろう。コンコンと部屋をノックする音が聞こえたので私とヴィルは名残惜しそうに離れた。

「ヴィルヘルム様、リズが来ておりませんか?」とサーラの声がする。

するとヴィルは私の耳元で「続きはまた今度…。」と囁いてからサーラを出迎えた。


「やっぱりこちらにいたわ。」

「サーラ、ごめんね?」

「ヴィルヘルム様、わたくしに黙ってリズを連れ出されては困りますわ。」

「サーラ様、これから彼女を独占するのは控えてください。」

「あら?やっとですの?」

「サーラ!?」

「その通りです。ですから、独占されては困るのです。」

「控えたくはないけれど努力はするわ。

そんなことよりもヴィルヘルム様、アル様がお探しですわよ?

なので、リズはわたくしが。」

「あ、あの、ヴィル、アルベルト様がお呼びのようですから行ってらっしゃいませ。」

「………分かった。」

「ヴィル、これからも過ごす時間は沢山あるわ。」

「そうだね。では、行ってくるよ。

今日は疲れただろ?ゆっくり休んでね?」

「!!」


そしてヴィルは私の額に口づけてから部屋を出ていった。


「心臓に悪いわ……。」

「あら?仲良しね。嫉妬してしまいそうだわ。」

「サーラ?」

「ふふ。でもあなた達が両想いでよかったわ!」

「恥ずかしいし、何か実感がないわ…」

「わたくしもアル様と両想いになったときは実感がなかったわよ?」

「あんなに素敵な人と両想いでいいのかしら…?」

「いいに決まっているわ。帝国の皇太子と皇太子妃があなた達を護るから安心して。」

「サーラ、わたくしを一緒に連れてきてくれてありがとう。」

「どういたしまして。帝国へ着いたら、わたくしの婚姻までは一緒に城に滞在してもらう予定だったけど、ノルバンディス公爵邸の方がいいかしら?」

「えっ!?」

「だって、わたくしの専属なのだから、城へ部屋を構えてもおかしくないわ。でも、先程のヴィルヘルム様のご様子だと…」

「わ、わたくし無理よ!きゅ、急に公爵邸へお世話になるなんて!」

「外堀は埋められているから、城への滞在は最小限でヴィルヘルム様と公爵邸から一緒に登城する感じかしら?」

「外堀?」

「ええ。そのことについては追々ヴィルヘルム様に確認してちょうだい。」

「分かったわ。」

「さっ、湯浴みをして休みましょう?」

「そうね。」


外堀とはなんのことなのか、私には全くわからなかったが、ヴィルと両想いだったことで頭がいっぱいで寝付くのが遅くなったことは皆には秘密だ。

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