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プロローグ 異世界へ

 




 どうしてこんな事になったのかは今の僕には理解できない。

何か不可解な現象に巻き込まれただけかもしれない・・・・・・。いや、訂正する、巻き込まれた。



 僕は確かに家へ帰っていたはずだ。だけど此処は、森じゃないか


 僕が瞬きをした一瞬の間に何が起こったんだ?!

 一瞬。

 一瞬だ。

 一瞬で僕は太陽の光の下から薄暗い森の中へと歩を進めていたらしい。

 

 

 ありえない、あってたまるか!というか此処はどこなんだ?

 

 僕は瞬きをしたら此処にいたというだけであって、魔法陣が現れて召喚とかそんな非日常現象を喰らったわけでもない。

 

 

 瞬きをした一瞬で僕は此処に来たわけだ。

 

 

 僕は気づく、幼馴染の姿がないことに・・・・・・、幼馴染と言っても3人いるけど

 


 一人は男で、守崎壱拾夜(かみさきとおや)と言って、かなりの色男でどこへ行っても

女を引っ掛けてくる屑。


 

 二人目は壱拾夜の妹である守崎愛梨(かみさきあいり)。この子はいわゆるブラコンというやつで

ありえないほど壱拾夜LOVEなわけで、時々ベットに浸入するほどの重症らしい。

 


 最後の一人はもうずっと話していない女の幼馴染で、火菜時音《かなときね》。

どうしてずっと話していないのかは・・・・・・過去に、時音に話しかけるなと言われているという理由から。まぁ、色々あったんだよ、いずれ話す。。。と思うけど



 僕の自己紹介だけど、名前は霧雨時雨(きりさめしぐれ)。自覚できるほど痛い名前だがどうか勘弁して欲しい。ちなみに僕が女の子だったら魔理沙という名前だったらしい。・・・いや、名前の由来は知らないけど。


 


 で、今日はいつも通り壱拾夜、愛梨と一緒に帰っていたのだが、久々に時音と昇降口で会い、壱拾夜が誘って一緒に帰ることになったのだ。勿論、時音と僕は話していないが。 

 とりあえず、皆と一緒に帰っている途中で僕は異世界だかどっかだかに飛ばされたわけだ。

 

 

 辺りは薄暗い森・・・・・・。空は・・・・・・普通に夜だけど、やたらと大きい星がいくつも見える。



 日本、訂正、地球では絶対に見れない光景だな。



 緑色の小さな星が散りばめられ、幾度となく流れ星が夜空を翔けているその情景に僕は思わず息を呑んだ。



 何分経ったのだろうか、僕はいつの間にか地球では絶対に見れない美しくて、それでいて奇怪な夜空に見惚れていたらしい。


 

 とりあえず、此処は夢か、異世界のどちらかだ。僕は多分後者だと思う。何となく



 さて、どちらに行こうか。とりあえず僕は左に進むことにした、どうなるかは神のみぞ知るさ。



 歩いているうちに気づいたことが幾つかある。正直、どこの王道だ――と思ったけど・・・・・・



 まず、王道の身体能力の強化?跳躍力10m弱、堕ちるときは頭ではなく足から。重力が低いわけではないらしい。調整すれば1m程度の跳躍も可能だった。


 それと、何となくそこら辺の木を蹴ったら曲がってしまったじゃないか・・・ごめん木

 


 瞬発力、反射神経、スピード。全部上がってる、人以上に。今ならオリンピックで殆どの競技で金メダル取れそうだよ

 


 まぁ、ここら辺はまだいいさ、王道だもの。



 でもさ、なんか疲労感ないし、空腹にもならないし・・・・・・、痛みも感じない。痛みっていってもフィルターがあるみたいで、一定以上のダメージが通らない。軽く叩くとちゃんと痛みが通るけど、さっきこけた時頭を思いっきり打ったのだけれども、その時は全然痛くなかった。



 そして、コレ重要。特に重要でもないけど僕にとっては重要。なんと、僕の髪が背中まで伸びているのだ。コレには流石に驚いた。最初、ジャンプした時に、ばさばさって顔に思いっきり髪がかかったし



 大丈夫なんだろうか、僕の体。怖いからやらないけど今なら前方宙返りができそうな気がする。

だって、どんなに高く飛んでも足から落ちるんだもん。

 さっき、高く飛んで上方の木に頭をぶつけて酷い目にあった。痛くなかったけど


 

 さて、薄暗い森を抜けたのはいいけど・・・・・・



 目の前には舗装すらされていない一本の、横幅が4mほどの通路がずっと続いているだけだった。

因みに僕が通路の真ん中に立って前を見ると通路、右が薄暗い森、左が平原と、こんな感じ。


 

 何を思ったのか僕は猛ダッシュをした。何回見ても飽きない美しい夜空を見上げながら、前方を確認せずひたすら走った。80km並みのスピードでひたすら走り続けた。



 いくら走っても疲労感に襲われなかった。というか息すら上がんなかった。僕の肺がそろそろ心配になってきた。つーか、僕の体は大丈夫なのか?!



 さっきのテンションが嘘のように消えて特に理由もなく仰向けに寝転んだ。以前と変わらず煌びやかな夜空が視界いっぱいに広がっていた。この空を見るだけで僕の心は癒された。


 

 かれこれずっと走りっぱなしだったので、いつの間にか回りは左、右どちらも平原だった。障害物のまったく見えぬ、とても広い平原。

 


 僕は通路のど真ん中ということも忘れて、急に押し寄せる睡魔に襲われ、そのまま意識を手放した。




 



 

 いつも聞こえる車の騒音も今はない。僕の存在を否定する者も今はいない。


 


 一時の夢が見れそう・・・・・・







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