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魔獣をテイム!

すみません、更新再会します! 2万字は書き溜めがあるのでしばらくはいけるはずです!


追放された万能魔法剣士、クールな女神様と一緒に住んだら、北欧美少女のクラスメイト、キミの理想のメイドになる! などコミックス発売中です!

 そのとおり。わたしはお姉ちゃんのことが好きだ。

 セレナのことだって、大事な仲間だと思ってる。


 そのために必要なことも、今したいことも。

 わたしはどちらも諦めるつもりはない。


 やがてリトリア大森林に差し掛かる。

 これから先は魔族も出る。


 だけど、農民の人たちが放牧や伐採に訪れるように、さほど危険なわけでもない。

 わたしたちはピクニック気分で軽やかに足取りを進める。


 といっても、それなりの距離をすでに歩いているわけで。

 わたしやセレナは少女としては、かなり体力があるほうだ。暗殺者として鍛えられているから。


 けど、お姉ちゃんはそうでもない。完璧美少女なお姉ちゃんだけれど、体力があまりない、というのは数少ない弱点だった。といっても、武術の訓練も多少はしていたはずで、普通の女の子よりは全然、体力はあるんだけどね。


 ただ、お姉ちゃんはわたしやセレナのペースについていけなくなっていた。


「お姉ちゃん、そろそろ休憩する?」


「……平気。先を急いだほうがいいでしょ? 日暮れまでに戻らないといけないし」


 負けず嫌いなお姉ちゃんは、疲れているとは言わなかった。

 わたしはくすりと笑う。


「無理は禁物だよ。ベストコンディションじゃないと、弱い魔族にだって隙を突かれるかもだし」


「でも……」


「わたしもちょっと休憩したい気分かも。天気もいいし、そろそろお昼ごはんにしよ?」


 セレナが「賛成です!」と言ってくれたので、お姉ちゃんも渋々という様子でうなずいた。

 わたしたちは布のマットを敷き、腰掛ける。


 セレナがいそいそとカバンから飲み物と食べ物を取り出した。


「じゃーん、私の手作り弁当です!」


「「おおっ」」


 わたしもお姉ちゃんも、目を輝かせて、セレナの用意してくれた食べ物を見つめた。

 美味しそうな干し肉と干しブドウを、白パンに挟んである。シンプルだけど、それなりに高価な食べ物だ。


「こないだの悪徳冒険者討伐の報酬で、懐も潤ってますからね~。こういうふうに干し肉と干しブドウを挟んで食べるのはリトリア流だそうですよ」


「へえ、セレナもここでの生活に馴染むのが早いね」


 わたしたちは早速その食べ物(リトリア辺境伯にちなんで、リトリッチというらしい)を口に運んだ。

 期待通り、いや、期待以上の美味しさにわたしは目を見張る。


「美味しい……!」


「簡単なものですけど、お口にあって良かったです! さ、ソフィア様も召し上がれ☆」


 お姉ちゃんもぱくぱくと口を進めていて、かなり気に入った様子だった。

 うーん、平和だ。幸せ。


 セレナが仲間に加わってくれて良かった。家事や雑事は三人で分担している。最初は男爵家の娘のセレナが、全部負担すると主張していたけれど、そういうわけにもいかない。

 だいたい、わたしたちは全員、もはやただの平民の女の子なのだ。


 分担したとしても、何かと世事に長けたセレナがいるおかげで、生活はかなり助かっている。元・王妃候補のお姉ちゃんも、一応、公爵の娘のわたしも、生活力はあまりないから……。

 

 さて、あとはホワイトハウンドさえ捕まえれば、目的は達成だけれど。

 ちょうど食事を終えたとき、がさっと物音がする。


「お姉ちゃん」


「ええ」


 わたしたちは立ち上がり、戦闘態勢を取った。

 のそっと図体の大きな魔獣が現れる。


 わたしはにんまりとする。

 食事に釣られて、ホワイトハウンドが現れたんだ。


 ラッキー。けど……。

 わたしはその大きな魔獣を眺め、つぶやいた。


「思ってたのと、違う……」


 なるほど。たしかに白くてもふもふの魔獣だ。

 ただ、可愛いかというと……?


 犬っぽい見た目なのだが、だらーっとだらしなくよだれを口から垂らしている。ぼやーんとした目が特徴的だ。

 なんか、もっと愛らしい雰囲気か、それでなければ、凛々しい印象だと勝手に思っていたんだけど……。


 わたしはお姉ちゃんとセレナの反応を見ようと振り返る。

 意外にも、お姉ちゃんとセレナは目を輝かせていた。


「「か、可愛い……!」」


 二人の好みにはぴったり当てはまったみたいだ。

 

「こ、これが……?」


 わたしの問いに、お姉ちゃんもセレナもこくこくとうなずく。


「このゆるい雰囲気がたまらないわ!」


「ぼんやりとしているのも好きですし、面白そうです!」


 ……まあ、二人の好みに合ったなら、良かったのだけど。

 よく見ると、たしかに可愛いような気もしてきた。


「うん。可愛い……かな?」


 どちらにしても、魔獣を使役するのは、わたしたちの負担を減らすためでもある。

 ささっと使い魔にしてしまおう。

 

 ホワイトハウンドは好戦的な性格ではない。

 わたしは餌として用意していた干し肉を投げ出した。


「ほら、どうぞ」


 ホワイトハウンドが肉にむしゃぶりつく。

 そのタイミングを狙って、わたしは魔法剣を抜いた。


 使い魔にする魔法も、上級魔獣を相手にするときは難しいらしいけれど。

 ホワイトハウンド相手なら、わたしでもなんとかなる。


 ところが、お姉ちゃんがわたしの前に進み出た。


「お、お姉ちゃん、危ないよ!」


「平気よ。こういうときのために、魔法が得意なわたしがいるんでしょ?」







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