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Ⅱ ホワイトハウンド

 魔獣は、魔族のなかでも動物型のもので、人間が飼いならすことが可能な生き物だ。


 わたしたちは戦闘や魔法の訓練を受けていて、それなりに強い。でも、基本的には非力な10代の少女だった。

 力任せに攻撃されたとき、身を守れるかはちょっと不安だ。


 魔獣を仲間にすれば、その心配も少しは軽くなる。


 わたしは朝食のスープを平らげながら、お姉ちゃんとセレナに微笑みかける。


「ホワイトハウンドっっていう種類の魔獣がいてね。大型で強くて、使い魔の契約をすれば、人間にとても従順なの。それに、ホワイトハウンドが良い一番の理由は……」


 わたしはそこで言葉を切る。お姉ちゃんとセレナは続きが気になったようだった。

 あえてもったいぶってみたけど、言うことはそんなに重大なことじゃないんだけどね。


「可愛いの。白いもふもふの毛がとってもさわり心地が良くてね」


「そ、そんなこと?」


「大事なことだよ? お姉ちゃんも可愛いもふもふと一緒に冒険したほうが楽しそうだと思わない?」


「それは……そうだけど」


「可愛いくなくて、強い魔獣はたくさんいるんだけどね。でも、なるべく楽しいほうがいいと思うから」


 わたしたちがこの町に来たのは、冒険者として効率よくお金を稼ぐためじゃない。お姉ちゃんたちと……幸せで、楽しい生活を送ることが目標なのだから。


 もちろん、ホワイトハウンドは、可愛いだけじゃなくて、十分に強い。わたしたちの現状の力と組み合わせれば、もっと安全にダンジョンも探索できるはずだ。


「でも、どうやってホワイトハウンドを仲間にするんですか?」


 セレナが口をはさむ。当然の疑問だと思うけど、わたしは答えを用意していた。


「リトリアの町の郊外にね、ホワイトハウンドの生息地域があるの。そこに行って捕獲すれば問題ないはず」


「でも、そんなに上手く行きますか?」


「セレナはわたしのことを信用できない?」


「い、いえ、そういうわけじゃないです! リディア先輩のことを私は信じていますから!」


「ふうん。本当に?」


「本当です。私はリディア先輩のことを尊敬しているんですよ?」


 そう言われると、悪い気はしないなあと思う。

 そんなわたしたちを見て、お姉ちゃんが頬を膨らませる。


「私もリディアのことを信頼しているんだから」


「あれ、ソフィア様ってば、もしかして私に対抗心を持っているんですか?」

 

「持ってなんかいないわ。リディアは私の妹だもの。セレナさんよりもずっと強い絆があるんだから」


 言ってから、お姉ちゃんは恥ずかしくなったのか、目を伏せてしまった。


 恥ずかしがらなくてもいいのに。わたしがお姉ちゃんの妹で、強いきずながあるのは本当のことだもの。

 でも、やっぱりちょっと照れちゃうかもしれない。


 照れ隠しの代わりに、わたしは満面の笑みを浮かべて言う。


「ソフィアお姉ちゃんも、セレナも、ホワイトハウンドを探しに行くのに賛成してくれるんだよね?」


 お姉ちゃんとセレナは顔を見合わせ、こくりとうなずいた。


「リディアの提案だもの。きっと上手く行くわ」


「私は先輩にどこまでもついていきます」


 二人の女の子は、わたしの案に賛成してくれた。



<あとがき>


更新間隔が空いてすみません……! 現在書き溜め中なので5万字分書いたら一気に投稿しようと思います。


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