Ⅰ もふもふを飼おう!
セレナを襲おうとした男の冒険者三人は、わたしたちの証言で犯罪者として扱われた。
もともとダンジョンで他の冒険者を襲うことは、たまに発生する事態だし、特別不審に思われることもなかったみたいだ。
しかも、男たちの身元がわかると、札付の悪人だったことも判明した。他にもダンジョンで女性冒険者を襲ったりしていたらしい。
そういうわけで、わたしたち、悪徳冒険者の討伐の報酬までもらえてしまった。もちろんゴブリンみたいな魔族討伐の報酬ももらえた。
セレナの正体がバレる心配もなくなったし、お金も手に入ったし。
これで一安心。
翌日の朝。わたしたち三人は冒険者ギルドの酒場で朝食をとっていた。セレナは小柄な見た目に反して食欲旺盛なようで、ばくばくと食べてお代わりも頼んでいる。
昨日の依頼でお金も手に入ったし、今日はスクランブルエッグもある優雅な朝食だ。
一緒に朝食をとるついでに、今後の冒険の方針も話すつもりだった。
「あのね、やってみたいことがあるの」
わたしの言葉に、お姉ちゃんとセレナが目を向ける。いつのまにか、わたしが冒険者パーティのリーダーみたいになっている。
「リディアのやりたいことって?」
お姉ちゃんがわたしに問いかける。またトマトを残していたので、わたしはひょいとそれをつまみ、そして言う。
「魔獣の使い魔を飼ってみたいの」
「魔獣?」
「大人しい魔獣なら、特殊な魔法で仲間にできるから。ダンジョンでの冒険でも役に立ってくれるし。それにね……可愛いの」
生活に余裕のできたわたしたちの次なる一歩。
それは、もふもふ魔獣を手に入れることだ!
<あとがき>
もふもふ登場……!
面白い! リディアたちが可愛い!と思っていただけましたら
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