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悪役令嬢の妹に生まれましたが、破滅後のお姉ちゃんを幸せにするのは私です ~辺境に追放されたので、二人で幸せスローライフを送ります~  作者: 軽井広@北欧美少女2&キミの理想のメイドになる!
第二章 最強姉妹の冒険生活!

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Ⅸ セレナが恐れるもの

  わたしはどきどきしながらお姉ちゃんを待った。

 セレナに焚き付けられて、お姉ちゃんがわたしをハグしてくれるみたい。セレナに内心で「よくやってくれました」と感謝する。


 でも、お姉ちゃんは動かなかった。

 お姉ちゃんは顔を赤くして言う。


「や、やっぱり……恥ずかしいの」


「えー、残念。お姉ちゃんって照れ屋さんだよね」

 

「わ、私たち、これから一緒に暮らすんだもの。いつでもできるでしょ?」


 お姉ちゃんはそう言って、うつむいてしまう。


 でも……お姉ちゃんとわたしのどちらかに万一のことがあれば、永遠にハグもできなくなる。

 わたしは首を横に振った。


 そんな不吉なことを考えるのはやめよう。

 わたしたちは最強姉妹で、わたしがお姉ちゃんを守り、お姉ちゃんがわたしを助けてくれるんだから、きっと大丈夫。 


 お姉ちゃんが恥ずかしさも忘れるほど、わたしを溺愛してくれるように頑張らないとね!


 まずは、セレナが問題だ。

 セレナはくすくす笑う。


「ソフィア様がそんなふうだと、リディア先輩を私がとっていっちゃいますよ?」


「そ、それはダメ!」


「あっ、じゃあ逆にソフィア様を私のものにしてしまいましょうか」


 わたしはじろりとセレナを睨んだ。


「お姉ちゃんになにかしたら許さないんだからね?」


「怖い先輩も素敵です♪ ……じょ、冗談ですよ?」


 セレナは慌てて付け足す。

 本題を忘れていたけれど、セレナがわたしたちの仲間になってくれるって言ってたんだっけ。

 

 セレナの考えが読めないから少し不安だけれど、少なくとも敵になることはなさそうだし。

 断る理由はないと思う。


 わたしはちらりとお姉ちゃんを見ると、お姉ちゃんは肩をすくめた。


「リディアがそれで少しでも安全になるなら、仲間にするべきだと思うわ」


「……ありがとう、お姉ちゃん」


 セレナを仲間にするのが、合理的な選択だ。


「わたしたちと一緒に冒険してくれる、セレナ?」


「はい、よろこんで!」


 セレナはとっても嬉しそうな表情を浮かべた。

 そんな顔をされると、わたしはちょっと後ろめたくなる。わたしは、セレナが裏切り者であることを疑い、いざとなったら殺そうと思っていた。


 セレナはそっとわたしの耳元に唇を近づけ、ささやく。


「リディア先輩に信頼していただけるように頑張りますから」


「……っ!」


 心の中を読まれたようで、わたしは身がすくむ。


 セレナはくすっと笑った。


「大丈夫。私はリディア先輩の敵にはなりませんよ、絶対に。私は命の限りを尽くしてお二人をお守りします。だから……私のことも守ってください」


 セレナの青い瞳に、一瞬、怯えたような色が浮かんだ。

 そして、セレナが何に怯えていたか、すぐにわたしたちは知ることになる。

 

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