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クッキーの出会い

 「今回も何もなかったな」


 トイレの個室から出て手を洗う。

 あれ以来何も起こっていない。

 先生に話したのが良かったのだろうか。


 「平和が一番だからな」


 そう呟きながら扉を開いて外に出る。

 そしてどうやらまたフラグを立てて即回収されたようだ。


 「きゃっ!」


 トイレから出た直後女子生徒と当たってしまった。

 その女子生徒は転び、手に持っていたものを落とす。


 「ごめん。大丈夫か」


 声をかけながら落ちてた何か確認する。

 割れ物などなら申し訳ない。


 そして落ちたものを確認して少し申し訳なくなった。

 割れ物ではなかったがクッキーだったのだ。

 落ちているクッキーは元は大きかったんだろうがボロボロに割れてしまい、地面に散らばっている。

 袋からも出ていて、もう食べられないだろう。


 ていうか、落ちただけでここまで砕けるか?

 ぶつかったときに割れたのかもしれないな。


 「ありがと…‥あっ!」


 手を貸してやり立ち上がった女生徒は落ちて砕けたクッキーを見て大声を出す。


 「ちょっと!どうしてくれんのよ!」


 そう俺に怒鳴ってくる少女。

 背は俺より少し小さいくらいで、少しウェーブのかっかた綺麗な金髪を腰まで伸ばしている。

 美少女と言っても間違いないだろう。

 そして、胸の膨らみが凄い。

 そちらに視線が行きそうになるのを必死で絶えた。


 「ごめん。でもぶつかってきたのがそっちじゃ」


 そう、扉を開けた時横から思いきり走ってぶつかってきたのはあっちだ。

 クッキーが割れてしまったのには申し訳ないと思うが、そこまで強く言うのはおかしいと思う。


 「うるさい!アンタがいきなり出てきたからでしょ!」


 「分かった。ごめんって。代わりに何か上げるからさ」


 言い合いになりそうだったので、そう切り出したのだが、まさか代わりのものにそれを要求されるとは思がなかった。


 「なら、お金を頂戴。これ結構たかかったのよ」


 いやいや、お金って。

 クッキーだぞ?

 こいつは当たり屋か詐欺師の類なのか?


 「はいはい。…今財布持ってないわ」

 

 もう面倒だからお金を渡そうと財布を取り出そうとしたのだが、教室においてあることを思い出す。


 「何?言い訳して弁償しない気?」


 「いや、本当に持っていないんだよ」


 弁償って。

 まさか吹っ掛ける気じゃないだろうな。

 流石に釣り合わないお金は渡さんぞ。


 「なら、クラスを教えなさい!後で取りに行くわ!」


 クラスを教えると走って去っていった。

 なんだあいつは。

 色々とすごい奴だな。

 …‥胸も凄かった。

 

 教室に戻ろとしたが下に視線を落とす。

 地面に在るのはボロボロのクッキー。

 あいつ、このままかよ。


 「はぁ。仕方ないな」


 このままにしておくわけにもいかず、片づけてから教室に戻った。


 




 放課後、例の女がやってきた。

 

 「その…‥あの…‥」


 俺の前までやってきた女は何かもじもじしている。

 その時、こいつは腕を内側に寄せていたので胸が更に強調されて一度視線を向けてしまったが、下に置いていたカバンに視線を移し、机の上にカバンを置く。


 なんだこの態度?

 てっきり早くよこせって怒鳴ってくるかと思ったが。


 「今出すから待てよ」


 疑問に思いながらも財布をカバンから出す。

 

 クッキーならこれくらいか。

 これ以上を要求するなら何も渡さん。

 帰ってもらおう。


 そう思いお金を取り出そうとした俺に勢いよく声をかけてくる。


 「あっ!こ、これでいいわ!これで許してあげる!」


 そう言いながら机の上にあった何かを勢いよくとる。

 何を手に取ったのかと見て見ると、さっきまでアイリたちと話しながら食べていたクッキーの箱だった。


 「は?…‥あ、いや、いいのか?」


 突然の行動に驚いてしまった。

 お金を強奪しに来たんじゃないのかこいつは?

 よほどクッキーが好きなのか?


 「いいのよ!それじゃ!」


 去って行ってしまった。

 本当に何なんだ?あいつ。


 「お兄ちゃん。今の誰?」


 「いや実はさっきな…‥」


 さっきのトイレの前でのことをアイリたちに話す。

 

 「あのこ、マリーじゃない?」


 カインが訊いてくるが俺は知らん。

 アイリもフローラも首を傾げている。


 「多分だけど、そうだと思う。あの金髪に、あの胸…‥間違いないと思う」


 確かにあんな金髪巨乳美少女、他に滅多にいないだろう。


 「凄い大食いだって聞いた」


 補足して説明してくれる。


 大食い?

 あのスタイルで?

 はっきりとは分からないがお腹周りは絶対、引き締まっているだろう。

 

 「そんなことより、そろそろ帰るか」


 「そうだな。じゃあまた明日、サクラ、アイリちゃん」


 教室を出てカインとフローラと別れる。

 二人は敷地内にある学生寮に入っている。


 「バイバイ、フローラちゃん、カインさん」


 俺たちも二人に手を振り返し、家に帰った。

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