【恋人の絆】
「それでマリーちゃんとはどんな話をしていたの?」
現在は家に帰ってきて俺の部屋にアイリと二人でいた。
そしてそこでさっきの話のことについて訊いてくるアイリ。
どうやら話の内容について気になるらしい。
「あぁ実はな、どうやらマリーも日本人だったんだ」
さっきマリーと話し合いをしているときにアイリには説明してもいいと許可は貰ったので説明する。
俺がこの世界に転生してきたことなどは全てアイリに話していると言うと、それならとマリーも軽く許可をくれた。
「え!?そうなの!?」
「あぁ俺も驚いた」
それから称号のことなんかも話したりして今日もアイリとの時間を楽しく過ごしたのだ。
次の日。いつも通りアイリと二人、学園へと登校してきた。
そんな時だった。
「サクラ!ちょっと来なさい!」
自分たちの教室に入り荷物を置いたタイミングでマリーが慌てた様子で教室にやって来て、俺を見つけるなり近づき、腕をとられて外へと連れ出される。
「な、なんだよ」
「いいから黙ってついてきなさい!」
焦っていると言うか、どこか怒っているようにも感じる。
何かあったのだろうか?
俺は得意に怒らせるようなことをしたつもりはないが。
それともタロウに関わることだろうか。孤児院に何かあったのかもしれない。
おとなしくマリーについて行き、と言うより引っ張られていき昨日も使用した空き教室に連れて来られる。
どうやらアイリもついてきたみたいで一緒に教室へと入ってきた。
「どういうことよサクラ!?」
そんなアイリに気にすることなく俺に向き合ったマリーはそんな言葉をぶつけてくる。
どうやら俺に対して何か怒っているみたいで孤児院は関係なさそうである。
だけど俺には心当たりがない。
「えっと、どういうことっていうのは?俺には心当たりがないだが?」
「とぼけないで!称号のことよ!これ、あんたの仕業でしょ!?」
称号?一体何のことだ?
よく分からないがマリーを鑑定してみる。
するとそこには新たな称号が増えていて、それは……
「【恋人の絆】!?」
そんな名の称号が増えていたのだ。
詳しく見て見るとどうやらそれは対となる称号らしく、その対となる称号の持ち主は……
自分を鑑定してみる。
そしてそこにもマリーと同じ【恋人の絆】があった。
「……」
なんだこれ?
少しの間思考が止まってしまう。
「どういうことよ!?」
改めて問い詰めてくるマリー。
「お兄ちゃん、どうしたの?」
固まっている俺に対し首を傾げて不思議そうにするアイリ。
「いや俺知らないから!本当に知らないから!
何とかマリーも落ち着いて話を聞いてくれることになったので謝罪をしながらも言い訳をする。
「悪い。だけど、昨日も言った通り【創造神】は勝手に造るんだ」
こんな称号が突然増えた理由なんて一つしかない。
【創造神】。こいつの仕業だ。
だけど今までは有能なものばかりだった。
【シスコン】も事実俺はそうだろうし、納得は出来る。
だが今回に関しては全く理解不能だ。
俺とマリーは恋人同士ではない。
「……ごめんね。私のせいかも……」
俯きながら誤るアイリ。
どうやら昨日俺たちに恋人になったら?という発言で造られたと思っているらしい。
「いや、全然アイリのせいじゃないからな」
「そうよ。全部こいつが悪いのよ」
俺ではなく【創造神】なのだが……。
まぁ使いこなせていない俺の責任と言えばそうなのだが。
「うん…ごめんね」
それでもやはり自分が悪いと思っているアイリ。
だけど二ッと作り笑いをしてくる。
そんあアイリの頭を撫でながら「本当に気にしなくていいからと」伝えた。
「それより、これ消したり出来ないの!」
話を変えるように俺に詰め寄りながら問い詰めてくるマリー。
だけどそう言われてもそんな方法知らない。
「得た称号を失わせる方法何て聞いたこともないし……」
「なら造りなさいよ!そういうの!」
いやそんなこと言われても。
何度も言うが【創造神】は俺の意志で発動できないのだ。
一応試してはみるが。
お願いします【創造神】様。称号を消せる称号をください。
セレン先生のエルフの姿を見たいと思ったら<看破の魔眼>が出来ていた。
それ自体は意味がなかったが一応頼みは聞いてくれたのだ。今回ももしかしたら何か作ってくれるかもしれない。
「一応試してはみるが、無理だったらすみません」
「ッ。なら誰にも言うんじゃないわよ!!効果は凄いから今はそれで許してあげる。
だからアイリも気にしなくていいわよ」
それだけいうとマリーは教室から出て行った。
「効果?」
マリーの言葉に疑問に思ったのかアイリが訪ねてくる。
【恋人の絆】。効果は対となる称号を持つ者同士が近くに居ればいるほどお互いにバフが掛かると言うもの。
要は俺たちの【シスコン】と【シスコンの加護】と同じような効果だ。
「まあ効果だけを見れば強力だし、マリーの言う通りきにしなくていいからな」
「……うん」
再び頭を撫でながら伝えると少し俯きながらも頷いてはくれた。




