【神】の称号
「何言ってるの?そんなの【暴食神】を使ったのよ」
暴食神?
もう一度マリーを鑑定してみる。
だけどさっき模擬戦の時に鑑定したときと結果は変わらずマリーの言うようなものはない。
「その暴食神ってのはなんだ?」
「何言ってるの?私の称号よ」
もう一度鑑定してみる。
もちろんそんな称号はない。
やはり【鑑定士】では見抜けない称号があると言うこと何だろうか。
スキルの<鑑定>では称号が見えないように格上のものは見抜くことが出来ない。
そう考えるなら【鑑定士】よりも格上の存在があるとしたら見抜けないものがあるとしても納得は出来るが。
「もしかして俺の称号に【創造神】があるの見えてないのか?」
「さっき言ってたやつ?そんななもの見えないわよ」
さっき立てた予想に確信が持てたので不思議そうにしているマリーにも説明してやった。
「そうなのね。まさか【鑑定士】で見抜けないものがあるとは思わなかったわ」
「それは俺もだ」
まさかの事実にお互い戸惑いつつも納得する。
それにしてもまさかマリーが【暴食神】なんて称号を持っているとは。
俺のもつ【創造神】、マリーのもつ【暴食神】。
お互いに共通するのは【神】の名が入っているところ。
お互いに確認を取ったがこれらの称号以外は全て見抜いていた。
つまりは【神】の名がつく称号は【鑑定士】では見抜けないと言うことになる。
自分は得ているのは分かるのに他人のは分からないという不思議は残るが。
それは置いておくにいても、【神】の名がつく称号は他人には知られることがないと言うことだろうか。
それとも【鑑定神】みたいな称号があれば分かるのだろうか。
「ところで、よかったらその【暴食神】について教えてくれないか?もちろん俺も【創造神】について話すからさ」
何となく興味をひかれたので訊いてみる。
秘密にしたいと言うなら無理に訊くつもりはないが、それでも知れるものなら知りたい。
「別にいいわよ」
俺の提案に軽く了承してくれて、称号についての説明をしてくれた。
【暴食神】は何でも喰らうことの出来る称号の様だ。
暴食と言うよりは悪食のような気もするがそこを突っ込んでも仕方ないのでスルーする。
そして喰らったものは自分の魔力へと還元することが出来るらしい。と言っても【暴食神】の発動自体にも魔力が必要みたいなので何でもかんでも喰らい魔力へと還元することはできない。
更に発動に必要な魔力量は喰らうものにより変わってくるため何でもかんでも無限に喰らうことも不可能らしい。
これは他のスキルや称号にも言えることだが熟練度のようなものを上げることで【暴食神】の発動にもかかわってくるそうだ。
昔は発動された魔法を喰らうことすら出来なかったらしい。
ちなみに模擬戦の時、マリーが負けを認めたのは、俺の放った魔法に対する喰らう魔力量に対して、還元される魔力量の方が少なかったのと<未来視の魔眼>に必要な魔力の合計が優っていたため。
だとしても、何でも喰らえるというのはなかなかのチートだと思う。
「ありがとう」
教えてくれたことへの感謝を伝えた後、俺は【創造神】についての説明をした。
「なにそれ。何でも作れるなんて私よりもチートじゃない」
まあ確かにそうかもしれない。
でもこの称号、大きな問題があるのだ。
「確かに何でも作れるとは言ったが、正確には作れると言うより作られるなんだよ」
「どういうこと?」
「この称号、俺の意志とは関係なく勝手に作られるんだよ」
本当にそれが困るのだ。
俺の意志では全く発動が出来ない。さらには変なものまで作られる始末。
「それで【シスコン】なんてあるのね。自分でそんあ称号を作るほどのド級なのかと思ったわ」
「そんなわけないだろ」
自分で自分にシスコンなんて称号つける奴いないと思う。
「でも見てる感じ、あんたシスコンに見えるけど」
「まぁ、否定はしないが」
それでも自分にそんな称号はつけない。
それからも少し話をして今日はこれで解散と言うことにした。
外国でたまたま気の合う同郷に会った時のように話も弾んで楽しかった。実際それに近い状況だと思うし。
また機会があれば話そうと俺たちは教室から出る。
「あっ、お兄ちゃん!話は終わった?」
どうやら外でアイリが待っていてくれたみたいだ。
「待っててくれたのか。ありがとう」
「ううん。全然いいよ、一緒に帰りたかったしね。それよりもマリーちゃん、なんの話だったの?もしかしてお兄ちゃん、告白されたり?」
笑顔で「いいよ」と言った後に少しからかう感じで言ってくるアイリ。
「そんなわけないだろ!?」
「そうよ!なんで私がこんな奴に!?」
お互い強く否定する。
それにしてもこんな奴とは少し酷くないだろうか。慌てているのは分かるが。
「そっか。二人ならお似合いだと思うけど。『恋人』になってみたら?」
「絶対ないわ!こんな奴と恋人何てごめんよ!」
流石にそこまで言われると少し傷つくぞ。
そんなやり取りをして、俺たちはそれぞれの家へと帰った。




