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模擬戦 カイン

 話し合いの結果、俺たちのクラスから模擬戦に出ることになったのは、俺とアイリ、それから今から模擬戦をするカインの三人だ。


 てっきり、俺たち兄妹の他の一人は俺に出ろと命令してきた男が出るのかと思ったが、そいつは立候補しなかったのだ。

 意外にも自分からでたいと言ったのはアイリだけだったのだ。


 カインになったのはクラスの大半の女子がカインを推薦したからだ。

 今更になるがカインはイケメンだ。

 顔もそうだし、みんなより一つ年上だと言うのにフレンドリーでコミュ力も高い。

 自分では気づいているのかは分からないが、カインは女子から人気がある。


 多分だがフローラもカインのことが気になってるんだと思う。

 最近妙に仲がいいし。


 カインを最初に推薦したのもフローラだったりする。


 と言うことで皆の推薦を受けて模擬戦に出ることになったカインはトップバッターを行くと出て行った。


 出るものと審判をするというセレン先生以外の者たちは訓練場の端にまで寄って見学になる。

 一対一を三回行い、勝ち数の多いクラスの勝利だそうだ。

 この形の模擬戦はクラス対抗戦の時によく使われる形だそうで、これを選んだのだとか。


 「それじゃあ、二組の代表者も出てこい」


 先生の声に二組の代表者が前に出る。

 出てきたのは、なんと、この模擬戦を提案した男子生徒。

 鑑定してみたところ、名前はタロウ。

 スキル、称号共になし。


 てっきり俺が出るときに出てくると思ったけど違ったようだ。

 俺のことをぼこぼこにしてやると言う視線を感じたのだが気のせいだったのだろうか。


 タロウが出てきたことには先生も驚いていた。


 「…‥それじゃあ始めるぞ」


 しかし、切り替えて二人に準備を促す。


 「それでは、はじめ」


 先生の合図でカインとタロウの模擬戦が始まった。


 模擬戦のルールは相手を戦闘不能にする、降伏させる、または先生の判定によって決まるようだ。

 魔法以外の手段、体術や剣などもあり。

 しかし、剣は刃を落としたもの。

 魔法も致命傷になるようなものは使用禁止。

 などのルールが試合前に説明された。


 今二人が持っているのは、タロウが片手で持つ盾と杖。

 カインが片手剣を一本だ。


 カインは剣が使えたのか。

 一年間魔法の練習をしていたと言っていたが、剣も練習していたのだろうか。


 そしてタロウの盾と杖。

 あまり見ない組み合わせだが、意外と有効だ。

 杖は言わずもながら魔法を補助するもの。

 その効果は杖によって色々なのでタロウのもっているものが、どのような効果があるかは不明だが、魔法に補助がかかることに間違いはない。


 そして盾。

 魔法を行使するには時間がかかる。

 構築だったり詠唱だったり。

 それらをしている間に倒されては意味がない。

 どんなに強い魔法が使えようが、使えなければ無意味と同義だ。

 そこでその時間を稼ぐために盾。

 近づかれて剣が振られても盾で防げば魔法を使う時間が出来るし、相手が魔法使いの場合でも打ち合いで有利になるだろう。

 

 もちろん、デメリットもある。

 魔法使いが基本肉体は鍛えない。

 魔力を鍛えることに重視する。

 なので盾なんて重いものを持って戦うのはきつくもある。

 杖で防ぐこともできるし。


 だがまぁ、タロウは鍛えているのか、それなりにガタイのいい身体をしている。

 これは珍しいことではなく、魔法と同時に身体も鍛える魔法使いもいる。

 王国魔導士団の中にもいるくらいだ。

 ようは、自分に合ったスタイルをすればいいだけ。


 少しばかり話がそれていたようだが模擬戦に戻る。


 カインはタロウ目掛けてまっすぐに突っ込んでいった。

 恐らく、魔法の構築もしくは詠唱をしながらだろう。


 今更ながらだが、カインを鑑定してみる。

 結果はスキルに<剣術>があった。

 称号は特にない。


 <剣術>があるなら武術学園に行けばいいのに共思ったが、カインは魔法を学びたいと言っていたし、才能に関係なく、本当に魔法が好きなんだろう。


 <剣術>を先天的にか後天的にかは分からないが、それを使い魔法も高める。

 凄い奴だと思った。

 俺なら才能のある武術学園に行っていたかもしれない。


 またまた話がそれてしまった。

 

 カインは剣を振り下ろす。

 その剣をタロウは盾で防ぐ。と、同時に魔法も放つ。

 それを予想していたのか、軽く躱してからカインも魔法を放つ。

 その魔法は少しタロウをかすっただけとなり、お互いに殆どダメージはない。

 

 離れようとするタロウに逃がさんとばかりに追撃をかけるカイン。

 <剣術>があるだけあって、なかなかの剣術だ。

 俺は剣とか全く知らんけど。


 「くっ!」


 タロウが苦痛のこもった声を漏らす。

 どうたらカインの剣の勢いに盾で防ぐのにいっぱいで魔法を使う余裕がなくなっているように見える。


 「カイン君頑張れー!!!」


 クラスの女子たちからは黄色い声援が聞こえて来る。

 いや、何人か二組の女子も混ざってないか?


 「ファイアーアロー」


 先ほどと同じ魔法をカインが放ち、それは今度は見事にタロウの足に直撃する。


 「くっ、そっ!」


 足に炎の矢が当たったタロウは体制を大きく崩す。

 しかし、最後に一矢報いてやると言わんばかりに盾でカインに突っ込んでいく。

 

 「!」


 その行動は予想外だったのか、盾の突撃を食らうカイン。

 しかし、とっさに剣で受け、体制を崩すまでは至っていなかった。

 苦し紛れの突撃だったこともあり、カインに剣で受け止められたタロウは今度こそこけてしまう。


 「そこまで」


 転んだタロウの首元にカインが剣を向けたところで先生の制止の声がかかる。

 どうやらカインの勝利のようだ。

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