食堂で昼食
「授業を終わりにする」
チャイムが鳴り、セレン先生が授業の終わりを告げる。
今終わったのは朝の3時限目の授業。
これから昼休みだ。
いつもは持ってきた弁当を食べるのだが、今日は食堂に行ってみようと言うことになった。
「私たちは食堂って初めてだけど、二人はあるの?」
教室から出て食堂へ向かって歩いていく。
その途上、アイリがフローラとカインに話しかけた。
「うん。寮に入ってると大体は食堂になるからね」
アイリの問いにフローラが答える。
そこにカインが補足を加えた。
「食堂は弁当やらも売ってるから昼食はそこで買って、君たちと食べてるわけ」
いつもは皆で教室や広場で食べている。
そんな話をしているうちに食堂についた。
中は結構広く、人もそれなりに居る。
「教師もいるんだな」
食堂の中には生徒だけでなく教師もいて昼食をとっている。
「みたいだな。昼は来たことがないから、あまり知らなかったよ」
教師の多くは通勤なので朝、夜は家で食べている人が多いのだろう。
食堂のカウンターの上には多くのメニューが書かれてある。
それを見ながらカウンターの方へ歩いていると、一人、知っている人物が席に座って昼食をとっていた。
「あ、お兄ちゃん。あの娘」
アイリも気づいたようで視線を送る。
フローラとカインはアイリの言葉に気づき視線を送っていた。
「それにしても…‥凄い量だな」
そこに居たのは先日、クッキーを取っていった女、マリーだった。
そして彼女の前には凄い量のご飯が並べられている。
大食いだとは聞いていたが、まさかここまでとは。
大人の男よりは確実に多い。
「噂通りだな。あの身体のどこに入っているんだ?」
呟きながら視線を胸部に送ってしまった。
やはりあのふくらみの部分に行っているのだろうか。
そんなことを考えながら、胸を見ているとマリーがこちらに視線を向けてくる。
そして、睨まれた。
「おいサクラ、睨れてるぞ」
俺だけか?
マリーの視線を見ると、どうやら俺だけらしい。
「お兄ちゃんが、胸ばかっり見てるから」
睨まれた理由は分かっているが、別に「ばっかり」ではないし、特にやましいことはない。
…‥いや、全くないと言えば嘘になるが。
男なら仕方ないことだ。
「サクラさんも、そういうのに興味あったんですね」
いやいや。そりゃあるよ。
俺だって男なんだから。
ふと、同意を求めてカインの方を見たのだが。
こいつは全く興味なさそうだった。
「カインはないのか?」
「ん?特には」
こいつ本当に男か?
あの胸だぞ?
「そんなことより、お兄ちゃん。早く注文しよう」
アイリの言葉にメニューに視線を戻す。
大体は日本の学校の食堂のメニューと変わりないが、中には魔物の肉を使ったものもある。
魔物の肉は家で出て来るので食べたことがある。
別に魔物だからと不味かったりはしない。
もちろん、種類によるが、うちで買うのは美味しいもの。
中でも竜肉がなかなか美味しかった。
メニューを見ながら歩いていると、突然前から衝撃が伝わってくる。。
その衝撃でしりもちをついてしまった。
「悪いな」
尻もちのついた俺のことを見下しながら謝ってくる男。
クラスメイトの男子だ。
言葉では謝っているが、顔がニヤついている。
ぶつかる衝撃もおかしかった。
恐らくわざとだろう。
「お兄ちゃん。大丈夫!」
アイリの出された手を取りながら立ち上がる。
その間に男は去っていった。
「大丈夫だが、あいつ、もしかしトイレの時の奴か?」
あの時トイレで水をかけてきた犯人は分かっていない。
声は聴いたが突然のことだったし、いきなりの水に呆気に取られていたからだ。
あれからは何事もなかったので忘れかけていた。
「あいつ、いつもサクラのこと睨んでるもんな」
クラスの数人は俺のことを睨んでいる。
その視線は妬みや憎しみと言った負の感情が込められている。
今の奴はカインの言った通りその中の一人だった。
視線だけならいいのだが、こうして直接来られると面倒だな。
今回は当たってきただけだったが、今後エスカレートする可能性は大いにある。
先生に話したことで、もうないと思っていたがそうでもなさそうだ。
「まあ直接来たら來たでやりやすいがな」
回りくどく、来られるよりは対処しやすい。
カウンターで昼食を注文してから席に着き、昼食をとって教室に戻った。
戻る前にちらっとマリーの方を見たらまだ食べていた。




