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アイドルジョッキー馬になる  作者: ゆらゆらゆらり
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♦ ラクパーク競馬 ~ 競馬予想配信番組・フローラステークス編

【ラクパーク競馬・重賞展望】


※フィクションです。


ラクパーク競馬は地方競馬のインターネット投票サービスである。そして、某動画投稿サイトと連動して重賞展望番組が配信されれている。



[司会進行]

ラクパーク競馬の広報大使である通称スダマリこと須田茉莉香(28歳)。

競馬タレントとして活躍する彼女は、元アイドルグループ出身。当時と変わらぬ可愛らしさからは想像できない生粋のギャンブラーである。

趣味は公営競技に麻雀、ビール、チューハイ、日本酒、ワイン、お酒はなんでもござれ。



[アドバイザー]

 ラクパーク競馬のアドバイザーを務めているのは青鈴大平(44歳)。

元は競馬新聞の記者だったが、今はフリーとして活躍している。予想歴は30年近くなるベテランである。計算すると合わないが、あくまでも昔は馬券を抜きにして楽しんでいたとのことだ(今は何かと問題になるのでそういうことで)。




それでは番組のほうをご覧ください。



「みなんさん、こんにちは。ラクパーク競馬広報大使の須田茉莉香です。そして」


「はい。青鈴大平です」


「さあ、青鈴さん。今日は特別編で中央の重賞を取り上げます」


「ええ、なんの問題ございません。スダマリもわたくしも、某チャンネルで中央のほうにも関わっていますし、ドーンっとおまかせください」


「そうですが、馬券のほうは……ねぇ」


「何をおっしゃる、うさぎさん。先週の皐月賞は、まあ置いといて、桜花賞は3連単的中やで。しかも頭と2着を固定して、2点でやで」


「確かに、3連単だとけっこうつきましたし、2点は凄いですよね」


「まあ、わしらとしたら、勝ち馬の強さは知っとるからな。スダマリも単勝をけっこう、いったらしいやないかい」


「まあまあ。ちょっと、いいお酒をいただきました。それより、また雑談が長いって言われちゃいますから。では、今日取り上げるのは東京競馬場で行われるフローラステークスですが、どういったレースでしょうか」


「3歳牝馬限定の重賞で、オークスのトライアルレースです。2着までに優先出走権が与えられます。せやから、賞金的に厳しい馬は、なんとしてでも2着までに入りたいところやな」


「優先出走権は他にも桜花賞の上位馬や、他のトライアルレースにも与えられていますので、オークスへは狭き門になっていますよね。ではでは、まずは最初にコース紹介からお願いします」


「東京の芝2000Ⅿになります。ここも浦和の1600のようにトリッキーなコースですね。1コーナー奥のポケットからのスタートになるんやけど、初角となる2コーナーまでが130Ⅿしかない。せやから、多頭数の外枠は厳しいかったりするねんな」


「どうしてもコーナーで内側へと馬が寄っていきますから、隊列が決まっていないと殺到して怖いですよね」


「せやねん。古い話やけど、こんなコースであるがゆえに、秋の天皇賞で降着なんていう後味の悪い話があったしな」


「メジロマックイーンですか?」


「スダマリ、若いのによう知っとるなあ」


「そりゃ、マックイーンといえば、生粋のステイヤーで大好きですし、それに母系で大ブレークしてましたからね。ネットで動画も見まくりました」


「ほんま、スダマリは昔の動画とか、よう見とるよな。レースを肴に酒飲んどるらしいしな」


「お酒がすすむお勧めレースでも紹介しますか」


「ええなあ。ベスト5くらいでいっとくか」


「ちょっと、青鈴さん。また、脱線してますって。ほら、先にすすめろってカンペがでちゃってますよ」


「ほんまや。まあ、そのマックイーンの頃に比べると、コースが改善されて少しはよくなったけど、コーナーまでの距離は変わっていないから、外の先行馬はレースがしにくいのは確かやな」


「そうですよね。それでは時間もおしていますので、さっそく本命馬を教えてください」


「遅れてきた大物、ラジカ、うん? なんや、言いにくいのう。ラジカ、二、カ、サ、カ」


「ラジカ二カサカですね」


「さすがやのう。アナウンサーはちゃうなあ」


「アナウンサーちゃうわ。しがないタレントです。それより推奨理由をお願いします」


「はいはい。去年の夏のデビュー戦は5着やったけど、その後は成長を促す意味で牧場に戻して、2月に復帰すると未勝利戦を楽勝。さらに1勝クラスの特別戦も連勝という馬やな」


「その連勝も、1800、2000と距離が伸びていい走りしてますよね」


「せやねん。まだまだ成長段階やけど、現段階でもトップクラスやろ。ここを勝って良血馬が素質開花で、オークスでもいいところいけるんちゃう?」


「いやいや、それはちょっと気が早すぎますけどね」


「なんや。他にこのレースを勝てる馬がいるとでも言うんかい(笑)」


「ええ、いますとも(きっぱり!)」


「スダマリ、お気に入りのあの馬やな(にやり)」


「まあ、それは後ほどということで、他に注目している馬はいますか?」


「展開からは単騎で行けそうなゴリンダリンダやろ。行ってしまえば粘り強いからのう。ミモザ賞の逃げ切りは刻んだラップからも優秀やし、逃げ切りまであるんとちゃう」


「そういえば、青鈴さん、忘年会で歌ってましたよね。オリンピック選手へ感謝を込めてとかなんとか言って、ゴリン(五輪)ダ・リンダ・リンダって、あの歌の替え歌を暴れながら熱唱してましたよね」


「酔った勢いで失礼しました。しかし、よう覚えとるな。スダマリも相当飲んどったけど、ほんも酒強いな」


「いえいえ。たしなむ程度です」


「うそつけ! この底なしが」


「ほら、また脱線しちゃいますから。次行きましょう」


「せやな。他はあの馬やけど。それはスダマリにお願いしますか」


「ユッカですね。まかしてください。みっちり取材してきましたから。まず仕上がりに関しては万全ではないでしょうか。馬体がしっかりしてきたことで、攻めた仕上げもできているといった感じです」


「ほんまやね。直前の坂路でもいい時計がでとるし、中間も本数こなしとるな。浦和桜花賞の時以上に攻めとるとなると、ちっちゃい馬やから、馬体重のほうは大丈夫かいな」


「ヤマさんじゃなくて、調教師の先生の話ですと、桜花賞でも増えてましたが、今回も飼い葉食いがよく、プラスでいけそうとのことでしたね」


「となると、あとは初芝がどうかやな」


「そうですね。やってみなければというところですが、桜花賞のあの末脚の切れを目の当たりにすると、芝でもって期待しちゃいますよね」


「そういえば、スダマリの特集記事を読んだけど、キラボシに乗ってた内戸君も芝でもいけると言っとったようだね」


「そうなんですよ。ユッカの血統が芝ではどうかといわれていたので、父馬であるキラボシの主戦だった内戸騎手に、取材させてもらったんですよ。そしたら、あの一瞬の切れ味は芝でも十分通用するとのお墨付きをいただきました」


「そりゃ、心強いのう。ただ、その一瞬というのが問題やな。スダマリも記事の中で書いとったよな。キラットやったけ? あれは1ハロンの輝きだって」


「そうなんです。内戸騎手もおしゃっていたんですが、本当の切れ味を発揮できる脚は1ハロンと少しといったところのようです」


「となると、東京の直線は厳しいよな。直線の半分にもならないということになるからな。そこが弱点やな」


「あの、私って高校時代、弓道部だったんですよ」


「なんや、突然」


「いや、浦和の予想回の時、青鈴さんもラグビー部の話してたじゃないですか。それで私も」


「なんやなんや。よう、わからんけど。まあ、とりあえずどうぞ」


「では、お言葉に甘えて。弓道の話を少々。弓って弦を引いて矢を射るんですけど、矢と弦を引いた指って、力が入っているから、ぷるぷる震えちゃうんですよ。でも、そこでしっかりためて、的を見据える。そして、心と矢をそこに向けて射るんです」


「せやな。弓を放つ姿ってかっこえよな。それに、的の真ん中にスパッと突きささったら、気持ちええやろうな」


「そうなんです。最高なんです。だから、ユッカもきっと」


「いやいや、わからへん。急にユッカの話になっとるし」


「要するに()()なんです。そして、ユッカが矢なんです。狙いを定め、引かれた弦から射られた時、きっと輝いてくれるはずです。矢が1ハロンの輝きとなるはずです」


「よう、わからんけど、長い直線でも大丈夫ってことかいな」


「そうです。弱点が武器になることだってあるんです。そのための準備もできてますから」


「えらい、力が入っとるな。一瞬の脚を活かすための準備ってことやな」


「はい。キラットが光り輝きます」


「楽しみやな」




 まだまだ、番組は続きますが、この後も雑談多めで長くなりますので、とりあえずこの辺で。



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