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第13話 今日という1日

今日という1日が終わる。


真っ暗な3階の窓から外の様子を伺うと、少し先の路地に酔っ払いの様にフラフラと歩く、赤い服の男の姿が見えた。


たった1日で、世界は大きく変わってしまった。

僕が見たこの世を覆う不幸の波。

そんなものは波しぶきのほんの一滴。


コンビニ前で自転車を襲った奴らは、偶然そこに早く辿り付いてしまっただけだった

本当の波、それはまるで津波の様に一気に町中を飲み込んだ。



事態が表面化し、都心から車で逃げ出そうとした人々は、都心から郊外へと繋がる導線へと一気に集中。

至る所で起きた事故や渋滞により、途中から徒歩での避難を余儀なくされた様で、いち早く動き出した一部の略奪者などを除き、そのほとんどが奴らの犠牲になった様だ。

そしてその行動は、奴らの集団を広範囲に誘導、拡散させることになり、更に奴らの発生源を生むことになった。


僕の家の周りも例外ではなく、少し離れた幹線道路から煙が上がった後、奴らから逃げ惑う人々の叫び声が段々とこちらに近づいて来たが、その声は次第に少なくなり、結局この街に辿りついた大勢の者の中に生きている人間は1人もいなかった。




この街の全てはもう、奴らの狩場になってしまった。

少し離れた家々から、電気を付けてしまった哀れな犠牲者たちの叫び声が聞こえて来る。


僕に行動力が無かった為に、

僕が上手くやれなかった為に死んでいく人達の声を聞きながら、

僕は眠りについた。


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