青い日々07
再テストは見事ジャスト90点!ヤッチャンから解放された俺は走って家に帰った。
6時52分。実はうちの門限は7時と決まっているのだ。これはどこの男の子も同じ。暗くなると危ないからね。世界の男女比が1:8位になってから何と逆レイ○が多発化したのだ。この男女比が逆だったら最悪の世界になってただろう。
それ以来女性に対する痴漢行為は減ったが、男性に対する痴漢と前代未聞な現象が増加した。
男性専用車両の設置
初の女性首相
相撲の廃止
床屋の減少
美容院の増加
上げたらキリがない。要は男の子には肩身の狭い世界になったのだ。
「ただいま~。」
玄関のドアを開ける。すると中から玄関に走ってくる足音がする。
「お帰り、にいちゃ~~ん!!」
中に入った瞬間、鳩尾に頭から突っ込んできた俺の天使。
「ウボォ!!!!」
俺が今一番大切にしているもの。それがこの可愛い弟の「夏樹」だ。もう10歳になるのに、純粋・無垢・誠実・従順・正直などなど色で現すなら【原色】だ。もう完璧。身長136cm体重36kg肩までの茶髪。そして何より完璧な顔立ち!可愛く、凛々しく、美しく!!そこらの女子高生の10000000倍はカワイイ!
「大丈夫、にいちゃん?ごめんなさい、痛くない?」
「痛くない!!むしろ気持ち良いよ!!」
「お兄ちゃんゲームしよ!」
「いいよ!何がやりたい?」
「グランドセフトオートバイスシティ。」
「…………ダメ。」
「何で~!?ボクも人を引きたいよ!」
…ダメ。
俺の天使が…。
…守らなきゃ。
…天使。
俺の天使。
…弟。
…夏樹。
「じゃあ、兄ちゃんと映画見ない?」
「どんな映画?」
「グランドセフトオートバイスシティより100倍面白いぞ。」
「みるみる!!」
俺は部屋からDVDを持ってくる。
デッキにセット。
…俺は、俺の天使を守る!
「何て映画?」
「SAW」