青い日々03
【worldespair】
六十年前の第三次世界大戦で使われた生物兵器。男性のXY染色体のみに作用するらしい。実際に見たことは無いけど、端から見ると熔ける様に見えるらしい。
戦争。
その発端となったのは【光石】と言う固形燃料の発見だった。この鉱石の特徴は圧力をかけると大量に発電することだった。圧力をかけるほど強く発電するが、その大きさに準じた量を発電するとただの石になってしまう。だが、1㎏で日本全土の年間消費電力をまかなえた。
当時、とうとう石油が完全に枯渇し、電気を主流としていた。しかし、そこに光石が出てきた。全世界はその採掘権を奪い合った。
恒久的なエネルギー。それを手にした国が全てを手に入れることは容易に誰もが想像出来たから。
まず、その【光石】が最初に発掘された採掘場。そこが、【日本海溝】日本の目と鼻の先。日本は当初一年程、この光石の発見を発表しなかった。その間、日本は全力でこの光石の研究をした。日本はその一年で約50年分他国との科学技術に差をつけた。
……50年。その差は凄まじかった。
超電磁砲【レールガン】
電磁波ミサイル【パルス】
荷電粒子砲【プラズマ砲】
この3つがが最大の抑止力となった。
核保有国を遥かに凌ぐ戦力を得て、日本は光石の存在を世界に公表した。途端、世界からのバッシングにあった。一年間公表しなかったこと。勝手な軍事力の拡大。何より各国の要求を全て断ったこと。
日本は世界から敵視された。
しかし、【レールガン】【パルス】【プラズマ砲】の抑止力によって戦争を仕掛けてくる国は現れなかった。日本は最大の譲歩としてそれから10年かけて日本から世界に海底ケーブルを通して電力を供給するようになり、世界のわだかまりは徐々に薄れていった。この10年を経て、世界は均衡を取り戻した。
この間日本は更なる技術的発展をとげ世界を超越し、また食糧自給率100%を達成し完全に独立していた。もう世界の軍事力を統合しても歯もたたない。
しかし、日本は世界に対して公表後、常に友好的な態度で、一切の武力行使をすることは無かった。それは世界との信頼と団結を作り上げた。