狂気のプレゼント
今日は月曜日か。週の始まりは、何だか憂鬱になる。みんなと同じだ。でも、理由は少し違う。休み明けだからとか、そういうものではない。笑顔が怖いというか、そんな感じだ。
毎週月曜日に、彼女がプレゼントをくれる。プレゼントは、何でも嬉しいタイプ。正確にいうと、ずっと何でも嬉しいタイプだった。怖さがないものなら、今もプレゼントは嬉しい。
凶器ばかりだ。彼女のプレゼントは、みんな人を殺められる。そんな可能性を含んでいるもの。毎週だから、もう部屋がスゴい。殺人の準備をしている人の部屋になっている。
実用的なものもある。ダンベルは、かなり使っている。腕を鍛えるの半分。ペーパーウエイト半分で。良いものは良い。でも、基本はいらない。スカルペンダントは、自分の色に合わないし、怖い。
以前は、プレゼントをくれる曜日がバラバラだった。月に一回の時もあった。日曜日が多かった時期もあった。でも、少し前に宣言された。毎週月曜日の夜に、プレゼントをあげると。
そこから、恐怖が始まった。その前は、柔らかなものもあった。やさしさに溢れるものもあった。軽いものもあった。ハンカチとか、帽子とか、マフラーとか。でも今は、重くて鋭いものばかりだ。
彼女はピンク好きだ。毎日、全身のどこかしらにピンクがいる。だから、疑問だった。光る金属光る金属、の猛攻だったから。何かある。絶対、何かある。
今まで貰ったものを、もらった順番に並べてみた。ダンベル、イトノコ、スカルペンダント、キリ、ナタ、ノコギリ。文字にも起こした。じっと見る。じっと考える。
頭文字か。頭文字を繋げればいいんだ。頭文字を、順番に読んでみた。すると、愛の言葉が溢れてきた。頭文字が、ダ・イ・ス・キ・ナ・ノになっていた。
きっと無理矢理だろう。凶器贈りは、本心ではないところで起こったこと。絶対そうだ。それを知って、心の中で浮いていたものが、全て地面についた。そんな感覚だった。
彼女は、相当無理していた。思い付いたはいいけど、怖いものしか思い付かなかった。そういうパターンだろう。それならいい。脅しの凶器じゃなくて、本当に良かった。本当に本当に良かった。




