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【一時間歩き続けても誰とも擦れ違わない】みたいなそんな世界で

ここはどこだ?


ここは本当に地球か?


ここは本当に、今まで生きてきた、あの地球と同じ場所なのか?


知ってる民家が並んでいる。


知ってる庭の木たちが揺れている。


知ってる空と知ってる雲が流れている。


ただ、誰もいない。


誰もいないから、人工的な音はない。


風が織り成す音だけが、虚しく通りすぎてゆく。


深夜なら、それでいい。


深夜なら、人がいなくても、何にも気にならない。


ただ、今は真っ昼間だ。


真っ昼間に、人がいないとなると、人類が滅びてしまったのかと、考えてしまう。


自分一人だけ、ここに生き残ったというのなら、僕の命もここまでだ。


頼りに頼りまくって生きてきた、そんな人生だったから。


頼れなくなったら、そこで終わる。


破壊されている箇所は、この街には、ひとつもないのに。


なのに、静かに壊れていった街として、この景色を見ていた。


スマホを取り出して、友達に電話をかける。


しかし、呼び出し音という電子音が鳴るだけ。


規則的な音、人工的な音、それを久し振りに聞いた気がする。


一時間ほど歩き続けたが、誰ともすれ違うことはなかった。


ずっと人間関係に、悩んでいた。


たまに、ひとりで居られたらいいのに、と思ったこともあった。


でも今は、人が恋しくて恋しくて仕方がない。

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