人類皆同じ顔
全人類の顔がだんだん似てきた。
そしてみんな同じ顔になった。
みんな同じ顔だから、もちろん待ち合わせは大変なものになる。
顔では判断できないが、他のもので判断することは出来る。
判断材料としては髪型、体型、服装などだ。
僕は今、友達と待ち合わせをしている。
心配はいらない。
ちゃんと対策は練ってある。
その友達はオリジナルTシャツを着ている。
だからこの同じ顔の人々が溢れる街からオリジナルTシャツを探すだけだ。
僕は待ち合わせ場所に着き、周りを見渡す。
ヘッドホンをしてノリノリに踊っている人やベンチで寝ている人が目に映る。
友達の髪の毛は黒髪で、短くも長くもなく一般的な特徴の無い髪型だから、頼りはTシャツのみ。
友達のオリジナルTシャツを見つけて僕は話しかけた。
「ユウヤくん、待った?」
「私はユウヤじゃないです」
「あっ、ごめんなさい」
声を掛けた人は友達のオリジナルTシャツを着ている別人だった。
「そのTシャツはユウヤくんが作ったものですよね」
「これはフリマで50円で買いました」
「ユウヤくんとは関係ない人なんですね?」
「はい。私はただの日本生まれのフランス人OLです」
「本当に失礼しました」
「いいえ、慣れているので」
オリジナルTシャツも、いつも穿いている黒いパンツも、体型も同じで間違えてしまった。
声は似ていたけど男子ではなく女子だった。
それにフランスの方だった。
僕は携帯を取りだし、すぐに友達に電話をかけてみた。
すると、ベンチで寝ている人から友達オリジナルの着信音が鳴った。
本人は新たなオリジナルTシャツらしきものを着ていた。