インスタントグラマー
グラマー。
それは誰もが憧れるもの。
女性はそれになることに憧れ、男性はそれを見ることに憧れる。
友達に、細すぎるとか言われた。
私だって、ナイスバディに憧れはある。
でも、食べても太れないんだもん。
羨ましいとか、言われても全然嬉しくない。
女性らしいセクシーさとかが、何にもないから。
私は、雑誌に載っているグラビアに憧れがある。
いつかはナイスバディになって、雑誌に載ってみたいと思っている。
『インスタントグラマー』?
何気なく立ち寄った、コンビニの栄養ドリンクコーナーに、興味をそそるドリンクが並んでいた。
即席でナイスなボディになれるドリンクらしい。
早速レジを通し、コンビニの前で一気に飲み干した。
すると、周囲に分からない程度のスピードで、身体や服が変化しているのが分かった。
その姿で、街を颯爽と歩いた。
「すみません。ちょっといいですか?」
スカウトだった。
グラビアアイドルが多く所属するプロダクションらしい。
私は、複雑な気持ちでいた。
ずっとスカウトされたことがなかったのに、グラマーになった途端に声を掛けられた。
そして、すぐに萎んでしまう運命にあるから。
夢も希望も、身体も情熱も、萎んでしまう運命のなかで、私は努力という2文字を胸に貼り付けた。




