表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/83

オダテ屋敷

〈屋敷行こうぜ、屋敷!〉


[屋敷って何だよ!オバケ屋敷みたいなヤツ?]


〈まあ、おおまかに言えばそんな感じだよ〉


[そっか、ならいいよ!行こっか!]




オバケ屋敷は子供の頃に一回入ったきり、入ってない。


特にオバケ屋敷に苦手なイメージはない。


しいて言うなら、オバケ屋敷で、全ての邪気を吹っ飛ばしてしまいそうなほど、大声を出している女性は苦手だが。


友達に連れられて目的地に着いたが、この建物はオバケ屋敷にしては、外観がかなりハッチャケ過ぎている気がする。


派手で明るい雰囲気を醸し出していて、お化け屋敷の印象の真逆を行く屋敷だ。


まあ、暗いだけがオバケじゃないし、不気味さだけがオバケ屋敷ではないのだが。


友達に導かれるように進み、券を買って中へ入った。




イメージと違った。


でもある意味イメージと合いすぎていた。


オバケ屋敷の真逆だったが、外観のイメージをそのまま再現しました、みたいな、キラキラ感があった。


中は豪華すぎてパーティー感もある。


もう、とにかくキラキラしていて、めっちゃノリノリの音楽と笑顔が溢れていた。


オバケ役の人とかは全くいなくて、ハッチャケている人しか存在しなかった。


オバケ屋敷にしては、外観がハッチャケてると思っていたから、想像通りといえば想像通りだ。




「落ち着いた色使いの服装で、あなたに凄く似合ってますね」


[ありがとうございます]


急に僕の外見を褒めてきた。


まあ悪い気は全然しなかった。


「出身地はどこですか?」


[栃木です]


「栃木はすごくいいところですよね。日光は何回も行きましたけど、とても美しかったです」


出身地の質問をしてきて、色々と褒めてきたり、話を広げてきた。


「趣味とかあります?」


[読書とかですかね]


「読書は知識も身に付きますし、いいですよね。趣味が読書の人、すごく憧れます」


出身地を褒めたり、趣味を褒めたり、聞きやすさまで褒めてきたり、まんまと気持ちよくなっていた。


美味しそうな料理もたくさんあって、何回も勧められた。


「特技あります?あったら見せてください」


[ジャグリングなら出来ますけど]


「ジャグリングが出来るんですか?いいですね。そこにミカンがあるので、見せてください」


僕は三個のミカンを使ってジャグリングをした。


「すごいですね。私たちは二個でも出来ないのに、三個をあんなに簡単にさばいちゃうんですからね。もう神の領域に突入しちゃったんじゃないですか?」


特技をさせて、それを褒めてきた。


身の毛もよだつほど褒めてきて、ある意味オバケだった。


入る前の想像とは全く違うものだったが、これはこれで楽しめた。


オバケ屋敷ではなくて、存分におだててくれるオダテ屋敷だったが、癖になるしこれも悪くはない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ