表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/46

第三十七話:接続と会議

一応、今回は伏線回。結構あります。

 

 とりあえず色々と聞きたいことは聞けたし、今後どうすればいいかの指示も受けた。

 本格的な護衛の時間になったら呼び出すから、時間までに泊まっている宿屋か冒険者組合が経営している酒場にいて欲しいとの事だ。


 それまでは時間があるから、後俺達がするべき事は護衛のプランをどう考えるか……だな。

 それと、恐らくの範囲内だけど魔王の側近のような相手……天道十二門と戦うことになる事だ。正直なところ不安しかない、今の俺には足りないものが沢山ある、戦闘の経験や自分自身の覚悟が……正直なところ怖くてたまらない。


 まぁ今まで魔物と戦ってきたくせに今更何を言ってんだって話になるけど、魔王直属の部下だぞ?今までよりも段違いの戦闘になる筈だ。そんな奴らとと戦闘するって事は恐らく……いや、確実に相手の方が強い。正直この刀を使っても勝てるかどうか分からない。


 情報が、足りない。


「じゃあとりあえず、酒場にでも行って時間を潰そっか?」

「はぁ、早く来ないですかねぇ?アーラさんの護衛の時間」

「…………呑気」


 今回ばかりはネルに同意だ、ネルは事態の深刻さを多分分かっている節がある。説明を一通り受けた後には表情も何時もより引き締まった感じがあるからな、とても途中で寝た奴とは思えない程に。


 アマネもマナも、どうしてそう明るくいられるんだ?事態の深刻さが分からないのか?魔王の側近が攻めてくるんだぞ?幾らカズト君の力が強いとしても相手は今までとは違う、確実に今までとレベルが違う相手だ。


 幾ら俺の常識凌駕(ルールキャンセラー)が強力なものでも通用しないかもしれないし、そもそも今回の一件で俺自身こいつのリスクを軽く見てたのがあった。


 気絶する程のリスクがあるとは、思わなかった。それも戦闘中に気絶する程なんて……考えただけでも恐ろしくなる、あの時に皆の助けが無かったらと思うと、背中に嫌な汗が流れる程に。


 改めてコイツの再確認をしようと思った矢先に今回の依頼だ、正直なところタイミングが悪すぎた。

 だから今回コイツを使えない…使えたとしても、せいぜい無属性に属性を注ぎ込む分の常識を無視するだけに留まる。


 ……でも、こいつの「常識を伸ばす」という使い方自体にはリスクは無いんだよな……ならそれをどう使うか?それが今後の課題になってくるかな?今後は能力についても考える必要が出てきたからな。


「とうちゃーく!です!」


 考え事をしている内に、酒場に到着したようだ。考え事をしていると周りが見えなくなるとはいえこうまで熱中するなんてなぁ。

 俺達はなるべく隅っこの席を取って各々の注文をした。ちなみに俺はバナナジュースを頼んだ。


「マナ、浮かれていると危険。今回は天道十二門が相手……今までとは訳が違う」

「ダイジョーブです!私達ならどんな奴が相手でも倒せるです!」

「その根拠の無い自信は一体……」


 ネルがさっきから浮かれているマナに注意したけれど、マナがドヤ顔をしつつ、胸を張って言い返した、ネルは当然何言ってんだこいつみたいな表情をしつつ、彼女が頼んだ甘口のジンジャーエールをチビチビと飲み始めた。

 てかこの世界にも俺の世界と同じような食べ物とか飲み物が色々とあるんだよなぁ、時々バリューツとかいう謎のフルーツらしき物が存在したけれど。そんで、そのバリューツを使ったジュースをアマネが頼んだ訳だが。



「うえっ」


 苦い表情を浮かべてら、多分口に合わなかったんだな。


 まぁそんな事よりだ、とりあえずこれから戦うだろう相手だけに、今の戦力を見極めないといけない。


 まずはステータスからだ、といっても全てを見透かす瞳(ステータスチェック)の恩恵でステータスカードを出さなくてもステータスを確認できる、本当に便利ですありがとうございました。


 HP785/785

 MP1400/400+10000

 STR155

 VIT120

 INT200+5000

 DEX145+1000

 SPD140+1000

 LUK80


 何故だ……いや、色々とツッコミどころは多いけど、何故運が下がってんの!?てか下がるステータスとか存在したのか!?それにあれ程獲得した称号の内一つも補正が無いじゃないか!何故だ!?苦労人とか補正付きそうなのにー!!


 もう……あれだ、次だ。能力についてだ。えぇっと……




 唯一能力(ユニークスキル)常識凌駕(ルールキャンセラー)(自分の常識を伸ばし、無視する)

  能力(スキル)全てを見透す瞳(ステータスチェック)(敵、味方、自分の基本情報を読み取る)

 特別能力(エクストラスキル)守り抜く者ロード・ディフェンサー(守ると決めた存在の数だけ、自らのステータスを二乗する)



 うん、ここまでは変わりない……うん?



 ■■能力(■■■■スキル)■■す■■(■■■ュ■■■ン)(この能力はその力をまだ発揮しない)


 まーた文字化けかよ。つかなんだこりゃ?す……に、ュン……?てか仕事しろよ俺の能力(スキル)……まぁこっちはこの位で良いかな。


 称号については…補正が無いから確認は良いかな。後は挑戦する者だったり苦労人だったり、変なのばっかりだしな。


 そういえば、この世界のHPっておおよその生命力の強さを表してるんだってさ。今までいらねぇだろ?とか思ってたけど本当にいらない子だったよ。そのまんまの意味だしさ。

 ステータス……例えばSTRは力の強さとか技の腕前はDEXに左右されるとか……まぁそんな感じだ。


 そうなると、俺は魔力の高さと技の腕と身軽さが抜き出てる事になるな。魔法職かな?

 まぁ魔力に関しては魔法の開拓者の称号の補正が半端ないからな、せめてSTRに補正が効く称号が欲しいです、切実に。


 後は能力(スキル)についてだ……この世界の力はこれによって依存している節が少なからずある。魔法なんてハイリスクハイリターンを地で行ってるしな。

 ひょっとしたら、前の世界のゲームである特技に位置するものもこれに当たるのかもしれない、剣技を扱う者って感じでな。


 それに、エクストラとかユニークとか……どうにも格付けみたいなのも存在するし、ここいらで知っておくべきだろ。

 そのために、常識凌駕(ルールキャンセラー)の常識を伸ばす力だけを使う、世界と接続して必要な常識を見つけ、それを自分の糧とする。


「見っけ」

「……?何を?」

「あぁ、悪い。独り言だ」

「そう」


 危ない危ない、口に出しちゃったよ。でも欲しい情報はあった、俺の予想通り能力(スキル)には格付けがされていた。

 ついでに気になった項目もあったからそれに関する常識も身に付けた、それは……今まで気にしてはなかったけど、これからは多分嫌でも関わる事になりそうだ。


 性質……それはこの世界で選ばれた者に値する。それは唯一無二の存在で、性質がある存在はこの世界にただ一人しか存在しない。


 憤怒、嫉妬、傲慢、怠惰、暴食、色欲、そして……俺の強欲と大鷲(アルタイル)


 なーんで厄介事をこうも……てか、他にもきちんとあるんだよなぁ、この性質が、魔王と、そして勇者という性質が。



 何でこの二つが性質になっているんだ?世界に選ばれたのが性質なら、召喚された勇者は……俺は、俺達は一体何なんだ?

 検索した結果、謎が増えた。もし、もしも仮に勇者という存在が既に性質としてこの世界に現れていたら、俺達は偽物という事になる。

 なら、本当の勇者は?そして俺達が呼び出された意味は?駄目だ、全然分からない。


 というか、性質についてもこの世界の住人が知ってる要素とは限らない、世界の常識と個人の常識なんて全く違うからな。

 世界と接続できる俺だからこそできる裏技みたいな……待てよ?

 世界と接続できる、これは何らかのヒントになるんじゃ……


「リクト君!」


 ッ!?


「さっきからぼーっとして、何かあったの?」


 不意にアマネに呼ばれて、思考に集中していた意識が周りに向けられた。ふと見たらネルもマナもアマネも怪訝な表情を浮かべて俺を見ていた。


「わ、悪い。天道十二門の事を考えててさ」


 咄嗟に嘘をついた、誤魔化す方法に使ったのは何れ来る敵の事だったけれど。


「リクト、考えすぎは頭が痛くなる」

「そうです!難しく考えるのはマナも苦手ですので!そんなのはぽいっとしちゃいましょう!」

「いや、それはどうかと思うな」


 確かに、難しく考える必要なんて無いかもな……でも。


「天道十二門に関しては別だろ」

「うぐっ」


 相手が相手だ、それなりの対策は必要だろ?


「なぁ、相手のことに関して気を付けた方が良いとか……なんか無い?」

「正直なところ、情報が足りなさ過ぎて対策の立てようがないというのが私の見解」

「泡を出すって能力と意識を失う能力だっけ?どうやって出すのとか、どうやって意識を奪うのとか、全然分かんないもんね」


 そう、俺が気になってるのはその部分だ。相手の能力の大まかな効果は大体予想が付くけど、問題はその手段だ。

 予備動作とか、条件とか、俺が知りたいのはその辺りだ。それが分かれば何とか対策の立てようは……ある。

 意識を奪うのに条件が必要なら、それを達成させなければ良い。泡を出すのに予備動作が必要なら、注意深く観察すれば良い。


 その辺り、詳しく知りたいんだけど……冒険者組合の方でもその辺り分かってないって言っちゃったからなぁ。まぁ何も分からないよりは全然良いんだけどさ。


「出来ることは三つ、普段より連携を意識することと、何があっても対処できるように心の準備をしておくことと、それ相応の準備と覚悟をする事」


 ネルの言葉に俺達は頷く。どの道戦うのは決まっているんだ、後はどう立ち回るかだけ。

 俺は注文したジュースを飲み干しながら、そう思考した。


色々な種類のジュースがあるのが、クヴェランドクオリティの一つ。貴方はどんなジュースがお好き?


自分はメロンジュースが好きです、何れどっかで出す予定。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ