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第三十四話:アマネと一緒

さて、今回でデート回は最後です

 

 死刑宣告って受けた事あるか?俺はあるぜ、しかも現在進行形でな!何か黒いオーラを垂れ流しているアマネにビクビクしながら一緒に歩く俺、他の女の子と一緒に買い物してるだけでこんな態度取られるなんて、もしかしたら嫉妬してるのかな?とか考えたけどそれは無いよな。

 勘違いしてそれを指摘して変な目で見られるのも御免だし、素直に彼女の要求に従っておこう。


「さて!リクト君には私の用事に付き合ってもらいます!」

「イエッサー!」


 所でアマネの用事って何だろうか?やってきた場所はリーンネイションのいわゆる娯楽区、いわゆる遊園地に位置する場所なんだがな…あっと、そういえばアマネには言っておきたい事があるんだ。


「アマネ、ウェアウルフの時には力になれなくてごめん」


 そう、あの時俺は常識凌駕の副作用で気絶してしまった。物質を作ったのは前に空き缶で試したから平気だと思っていたけれど、実はあの時に作成したあの水筒が不味かったみたいだ。


 何で空き缶が平気で水筒が駄目だったのかは未だに分からない、でも作り出せる物にも限界がある事には変わらないし、元々創作系の常識を無視するのにはリスクはある事は分かってたのに、それをあの状況で無視した俺の落ち度でもある。


 だからこそ、肝心な時に力を貸せずにアマネを危険に晒した自分が情けなく思っている、守ると誓ったのにこのザマだ。


「リクト君は何時も私達を助けてくれたから、私達もリクト君を助けただけだよ」


 アマネはそんな俺の心境を気遣ってくれたのか、優しく微笑みながら俺にそんな言葉をかけてくれた。その気遣いは嬉しくも思うけれど…やっぱり俺自身が情けなく感じるのには変わりない。

 これは本当に反省するべき事だ…そう自分に言い聞かせる、今後はこういった事が無いように、な。


「そんな話より!これからやる事の方が重要なんですー!」

「ははっ」


 アマネは頬を膨らませるながらそんな事を言った、こんな様子じゃ悩んでる俺が馬鹿みたいだな。

 もしかしたら、ネルもマナもこんな俺の心境を見抜いて外に連れ出してくれたのかもな…本当に良い仲間を持ったよ、俺は。


「じゃあ、今日はとことん遊ぶか!」


 そうしたら、うじうじ悩むのはやめにしよう。今日はとことん息抜きして明日からまた挽回すれば良い。


「うん!じゃあ早速遊んじゃおっか!」

「おう!とことん遊び尽くそう!」


 そして俺達は、娯楽区を見て回った。





 ☆ ☆ ☆







「わあ!見てみてリクト君!」

「あぁ、綺麗な噴水だ…」


 ある場所には幻想的な雰囲気を生み出す噴水があって、それを二人で暫く見ていた。



「みぎやぁぁぁぁ!!!!?お、おば、おばばばば」

「良く出来てんなーこれ」

「ふにゃぁぁぁ!!?」


 ある場所にはお化け屋敷のような場所で、アマネが暴走したりしていた。(俺はお化けの仕上がりに感心していた)



「あ………あぅあぅ」

「ほら、そこでアイス買ってきたから」

「ありがとぅ……っ!!?美味しい!何これ!」

「何でもリーンネイション限定のライトニングボルトアイスクリームだってよ」

「何その物騒な名前!?でも美味しい!」


 お化け屋敷で精神を使い果たしたアマネを労って、限定商品のアイスを買ってあげたり。(一口食べる度にしゅわっとした食感が口の中に広がった、味はバナナ味だった)



「あっはっはっは!!はっやーい!」

「殺人的な加速だッ!…いや、シャレになんねぇつての!おい!止めッ!?あばばばばば!!!」


 時速200mとか化け物級の速度を出すトロッコに乗ったりもした。(ジェットコースターのトロッコ版だった、二人乗りでしたけど何か?てかめちゃくちゃ速いから死ぬかと思った)


「情けないなぁリクト君は!」

「さっきお化け屋敷でダウンしてたの誰だっけ…?」

「そんなの忘れたよ!そんな事言うならもう一回トロッコに連れてくよ!?」

「おうアマネ、もう一度お化け屋敷行こうぜ」

「「ぐぬぬぬぬ………」」


 とりあえずまぁ、そんな感じでリーンネイションの娯楽区を遊んで回った、そんで今俺達が乗っているのはリーンネイション名物のリーン湖のクルージングだ。

 日の傾き具合でも、これが最後のアトラクションになるな。



 あっ………


 隣に立っているアマネと、湖と夕日が合わさった光景がとても綺麗だと思った、ここにカメラがあったら迷わずに撮るほどには…今の彼女はそれ程に綺麗だ。


「今日は、楽しかったね!」


 そんな彼女が俺の方に向き直って、満面の笑みでそう言った。俺は何か照れくさくなって目をそらしながら


「あ、あぁそうだな。俺も楽しかったよ」


 そう返すのに精一杯だった、ただでさえ女性と接する機会に恵まれなかったからどう反応して良いのか分からないんだ。

 思わず前みたいにチャラ男っぽく接しようと努力使用とするけど、上手く頭が回らないから…だって目の前に絶世の美少女って良い程に可愛い女の子がいるんだから。


 綺麗だ。本当にそれしか彼女を表現できる言葉が、それしか今の俺には分からない。

 けど、俺は言わないといけない。今日はこんなにも楽しかったから…一緒に俺と付き合ってくれた彼女に精一杯の感謝の気持ちを伝えたかった。


「ありがとうな、今日は楽しかった…本当に」

「ん、どういたしまして…」


 こんな時に限って口下手になってしまったけど、彼女は文句も言わずにただ微笑みながらそんな言葉をかけてくれた。



 ☆ ☆ ☆



「はぁ…」

「ぬっはぁぁぁ!!!私の時代が!到☆来!いよいよコンサートですぅ!!!」

「やかましい…」

「またまたぁ、クライスさんも今回のウェアウルフ討伐協力報酬をたんまりと貰ったはずです、素直に私と一緒にコンサートに行くべきです!」

「ちゃっかり席四人分取ってるし…!」

「ふへへ、興奮してきましたです…!」

「このドルオタめ」


 ネルはマナのテンションの異常な高さについていけず、布団にくるまって見る者が見れば、まるで芋虫みたいだと言うくらいに布団にくるまっていた。


「はぁ…」


 ネルはそのアイドルのライブに嫌な予感がしてならなかったが、マナがこの調子だし席もいつの間にか四人分取ってたので、ほぼ諦めていた。


「それにしてもS席四席も良く取れた」

「…………まぁ、色々とやったのです」

「おい」

「世の中には、知らない方がいい事があるのですよ」


 この女、何をやりやがった。ネルはマナの執念とも言える行動に戦慄していた。


「いよいよ明日ですぅ、もう待ちきれないです!アーラ様ぁぁ!!!!」

「アーラは女の筈なんだけど…」


 まぁ、あの女なら関係無いか…そうネルは思い、明日は自分もしっかりと自分を保つ必要があるなと肝に銘じておいた。

 そして、リクトとアマネに忠告をするのも忘れずにしようと考えていた。






 アーラ・ベガルデのコンサートまで

 残り一日

次回から、コンサート編に入ります。

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