表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/46

第三十三話:マナと一緒

平和な日常が続きます(`・ω・´)

 

「来たです!到来です!私の時代が!」

「なんのこったい」


 ネルと宿屋に戻ってから、俺はすぐにマナに拉致された。それはもう物凄いスピードで。んで拉致された先は何か服屋みたいな場所だった。


「ライブに相応しい服装を買うです!」

「ライブ?」

「世界一のアイドルのプレミアムライブです!」


 どうやらマナは俺が知らないうちにアイドルのライブチケットを買っていたみたいだ、本当にいつの間に買ってたんだか。アイドルの名前はアーラ・ベガルデっていうらしい、何でもアーラのライブに必要な買い物が幾つかあるから付き合ってくれとの話だ。


「ええっとぉ、このヘアピンとこの眼鏡とぉ」

「眼鏡?目が悪かったのか?」

「いえいえ、伊達ですお洒落です」


 そっか、まぁ確かに伊達眼鏡ってのはお洒落であるな。前に友人がやってたのを見た事がある、あれ邪魔じゃないんかね。


「折角だからアルタイルさんもコーディネイトするです!クヴェラントには様々なファッションアイテムがあるんですよ!」

「お、そっか」


 コーディネイト…まぁ確かに商業国家にゃそういうのもあるだろうな、折角だし俺もこっちの服を買ってみようかね。


「アルタイルさんはどんな服が良いです?」

「そうだなぁ」


 といってもこういうのは正直疎いんだよなぁ、今着てる服だってそんな大層な物じゃない…おっ?

 これは、元の世界でいうと和服みたいな感じだな…そんで俺の武器は刀か、侍コスプレってのも良いかも…でもそしたら剣が不自然な感じだし…


「あっ」


 そんな事を考えながら和服を見てたら、その隣に和服と似た模様をした洋服があった。上下合わせてさっきの和服っぽくなってるけど洋服にきちんと仕上がっている、正に和と洋が一体化した服だった。


「これ、これが良い」


 一目惚れに近い感覚だ、一目見た瞬間から何か惹かれる物があったんだ。


「中々良いセンスしてますねアルタイルさん!これはグリスレムのヒノモトという地方に伝わる、和服という独特な服を洋服風にアレンジした物です!」


 ヒノモト…グリスレムにそんな地方があったのか。でもグリスレムか…そういえばあいつらはどうしてるんだろうか?魔王の情報はあまり無いけど、向こうは向こうで頑張っているんだろうか?

 ま、今は俺の…いや、マナと俺の買い物か、それを済ませないとな。


「買いたいものはそれだけか?」

「はいです!」


 マナが欲しいのは紫色のフレームの眼鏡と可愛い猫のヘアピンだった。まあ男が女の買い物に付き合っているんだしここは俺が出す…んで良いんだよな?女の子と買い物なんて初めてだから、これで合ってるのやら…


「じゃあ会計してくるから、これで飲み物でも買ってて待っててくれ」

「へ?私の分は私が出すですよ?」

「ん、そうか?じゃあお金くれ」

「はいです!」


 マナに飲み物一杯分のお金を渡してから、マナからお金を受け取る、受け取ってからマナが俺から目を離した瞬間に、素早く彼女のポケットに気付かれないようにお金を入れた。

 俺はマナが離れてから会計の方に向かうと、女の定員さんがニヤニヤしながら俺を見てきた。


「彼氏さん、中々お上手ですね」

「彼氏じゃない」


 とりあえず彼氏じゃない事を訂正させておいて、俺はお金を払った。


 ☆ ☆ ☆



 いい買い物をしたな、こんな所で俺好みの服を買えたのもそうだし何よりこの国が商業国家ってのを思い知るいい機会だった。

 さっきのネルとの食べ歩きやマナとの買い物もそうだし、グリスレムよりもこっちの方が色々と過ごしやすいってのが俺の印象だな。


 これが本格的な異世界生活って奴か、さてこれからどうしようかな。マナがライブに行くって話だけどネルは何故か頑なに行こうとしないしアマネは行く気満々だし…俺はどうすっかね?


「や、やめて下さい!」


 ん?聞き覚えのある声が…って


「いいじゃねえかよ、嬢ちゃん」

「そうそう、退屈させねぇぜ?」


 な、何だこの美少女とデートしてから少しだけ別行動したら美少女がナンパされているテンプレは…これも異世界クオリティって奴か!?というかマナお前本気ならそんな奴等蹴散らせるだろ!


 ま、まぁマナは仲間だし俺は男だし?ここは勇気出して助けるか。勇気出す必要無いんじゃないかって?馬鹿野郎俺は慎重なんだよ!こういう時でも油断無く行動するのが俺なの!


「お、おーい。待ったー?」

「「あぁ?」」


 ひっ………


「アルタイルさん!」


 お、思った以上に屈強な男だった、正直ビビるぜ…


「何だこの貧弱野郎は」

「女みてぇな顔してんな」

「しかも、アルタイルだとよ!ギャハハハハ!」


 あ?喧嘩売ってんのか?買ってやるよその喧嘩。


「ア、アルタイルさん?お、落ち着いて…」


 ははっ、変な事言うなぁマナなん。俺は落ち着いてますの事よ?


「なぁそこの二人、俺達はデート中なんだ。イチャイチャラブラブしてんの分かる?だから俺達の邪魔しないでくれっかな?」

「デデデデデ、デートですぅ!?」


 最大限に煽ってやった、マナが顔真っ赤にしてっけど知らんな。


「んだとガキィ!!」

「喧嘩売ってんのか!?このバットブラザーによぉ!?」


 何だ冒険者か、あのC級みたいにリオナオンから来たならず者か?もう最近全部リオナオンって奴のせいにすれば解決する程にリオナオンの印象悪いからな?


「ははっ、先に俺の彼女をナンパしたのはそっちだろ?ほら、銀貨一枚やるから巣に帰れよ、負け組って名の巣にな」

「テメェ、ぶっ殺してやる!」


 おうかかってこいや!






「だ、駄目ですぅ!!!」


 瞬間、俺の目の前の男二人が砲弾のように吹っ飛んでいった。


「えぇ…」

「アルタイルさんが手を下すまでも無いです!」


 そして、前には槍を持ったマナがいた。いやいや槍でどうすれば男二人を吹き飛ばすんだ?いやマジどうやったのこの子?


「行きましょうアルタイルさん!デートの続きです!」

「お、おう」


 いや、デートとか彼女とか全部あいつらを煽る為に言った事だよ?本気にしないで?俺とお前が釣り合う訳無いんだからさ。おーい、マナさーん?



 ☆ ☆ ☆



 あの後俺はマナと一緒に色々な店でウィンドウショッピングを楽しんでから宿に戻った、途中俺が彼女に似合いそうな小物入れを買ってあげたらめちゃくちゃ喜んでいたな。その時にマナのポケットに入れたお金に気付かれて若干気まずくなってしまった。


「今日は、楽しかったです!」

「そっか、それは良かったよ」

「はい!ありがとうです!」


 でも彼女に喜んでもらえたなら俺も嬉しい、何せこんなのは初めて…いや、その前にネルと一緒に街歩いたか。


「そ、その…また一緒にお出かけしてもらえます?」

「俺で良かったら何時でも良いぜ」

「ほ、本当ですね!言質取りましたよ!訂正は聞かないです!」


 凄い勢いです…まぁ今日は疲れたし後はゆっくり休もうか















「速攻!」

「ぐぇっ」













「そ、それとですね…良かったら私と手を…あれ?アルタイルさん?アルタイルさーん?」















 な、何故だ


「ネルちゃんが顔真っ赤で布団に入ってたと思ったらリクト君に弄ばれたって言うし…しかも次はマナちゃん?へぇ、リクト君ってそういう事するんだ」


 何故、こうなった!何故目の前に黒いオーラを放つアマネがいるんだ!?


「ねぇ、順番的に私、だよね?」

「はいぃ!!!」


 俺は頷くしかなかった。決して怖い訳じゃないんだからな!?

今回の話でニヤニヤしてくれたら嬉しいなって。

え?最後?な、何のことだか

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ