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第二十六話:噂

ちょっとペースを上げてみる。

 

「おい、知ってるか?何でも突然現れた期待の新人の話をさ」

「おお、あのパーティだな」

「そうそう、銀河の冒険団だよ!」


 今、街ではある冒険者のパーティが話題になっていた。

 流星の如く突如現れてC級冒険者を圧倒し、その後の依頼をミス無くこなす冒険者達を。

 現在のランクは試練を受けずに上がる最大のランク、Dランクまで来ていたがその成長スピードが異常だった。その期間約一週間…一週間でDランクへと上り詰めたのは歴史上でも片手で数える程の出来事である。


「でもさ、ここまで来るとあいつらリオナオンの方が大成したと思うんだがなぁ」

「だよな」


 だからこそ二人の冒険者は彼等が何故冒険者と軍事の国と名高いリオナオンに行かなかったのかを疑問に思った。

 そして二人は雑談しつつギルドの中に入る、そしてそこには噂の冒険者達がいるのを確認した。




 ☆ ☆ ☆



 ぶっちゃけた話し、ここまでは計画通りだった。

 俺達がやる事は最速で名を上げる事だったからな、といっても殆ど簡単な魔物との戦闘だし実際に手こずる事は一切無かった。

 だからこそ、俺達は迷宮に入っても問題無いと冒険者組合の人達に認識される必要があった。

 そして、それは見事にクリアされて俺達はDランクに上り詰めた。


 そして俺達は、今試練に挑もうとしていた…迷宮に入るには最低でもCランクの資格が必要だという事が分かったからだ。

 そしてネルとマナは今宿屋にいる。彼女達が言うには既にCランクになっているから試練は受けられないということだった。

 ネルとマナの力を借りれないのは痛いけれど、今回は俺達が受ける試練だから仕方ない。でもネルは兎も角マナまでCランクだとは思わなかった。

 まぁ二人が言うにはDランクとCランクは冒険者組合からの扱いもそれまでとは破格らしい。


 その証拠に、冒険者組合の食用スペースにはCランク以上専用料理なんてものもある、実は密かにそれを食べてみたいなとも思っていた、だからこそ今回で無事昇格したい。


「では、リクト・アルタイル様、アマネ・カグラ様お二人には昇格試験を受けてもらいます、リーンネイションより西に行った先のレイダル遺跡に行ってもらい、試練達成の証を獲得し、冒険者組合に戻って来ることを試練とします」

「レイダル遺跡か」


 レイダル遺跡、この遺跡は実は行ったことが無い。

 理由はレイダル遺跡自体がCランクから突入可能という制限があったからだ。

 この試験ではCランク冒険者に相応しいかどうかを見る、つまりはそれ相応の場所から無事に生還できるかって事なんだろうな。


「危険な魔物もいるかもしれないから、念入りに準備をしようか」

「うん!」


 気を引き締めて行こう、制限があるという事は危険があるって事になるからな。下手したら死ぬ事も十分にある…

 それと、早いところこの刀に相応しい実力にもならないとな。

 そうして俺達は、道具屋である程度の道具を買ってから遺跡に向かった。





 ☆ ☆ ☆



「クライスさん、アルタイルさん達は無事に試練をクリアできるのでしょうか…?」


 マナは不安そうな表情を浮かべながらネルを見つめる。それに対してネルは自信満々に言い放った。


「あの二人は既にB級クラスの実力がある、特にリクトはA級のゴブリンロードも倒した。問題はほぼ無い」

「ほぼ…ですか」

「当然、人生に絶対は存在しない」


 ネルは最悪な出来事は常に起こることを想定して生活している。突然災害が起きたり魔王が襲来したり世界がなんの前触れもなく滅んだり…可能性は限りなくゼロに近いが、決してゼロではない。

 だからこそ、ネルはあらゆる可能性を吟味して行動している…本人が冷静でなくなるとそんな余裕が無くなるという欠点もあるが。


「私達にできるのは信じて待つ事」


 ネルの言葉にマナは頷く、それを見たネルは満足そうに鼻を鳴らしベッドに横になった。


「そういえば、変な噂があるそうですよ?」

「噂?」


 普段極力宿から出ようとしないネルにとっては世界の情報は疎い、対してマナはほぼ外で行動しているためそういう情報には敏感だ。


「何でも髪の色が変わる女の子がいるとか」

「髪の色が?」


 その言葉に、ネルはとある心当たりが浮上した。ネルが知る以上髪の色が変わる女性なんて一人しかいないからだ。


「……まさか」


 ネルは額に嫌な汗が流れるのを感じ、そして考えた何故ここでそんな噂が流れたのかを。


「その女の子は何かを探してるみたいなんですよ」

「名前は分かる?」

「そこまでは…」


 流石に名前までは分かってなかった。その事にネルは軽く舌打ちをしそうになった、だがマナの前でする訳にもいかずにそれを耐える。


(リクト達が帰ったら、暫く外出は控えるように言っておこう)


 もしもネルの想像通りの人物ならば、その人間に抵抗できるのはこの世界上に一人もいない、それこそネルも含めてだ。


(本当、何で次から次へと…!)


 ここ一週間何事も無かった故に、ネルは新しく現れた問題に頭を抱えた。










『報告、リクト・アルタイル、アマネ・カグラが称号、「挑戦者」を獲得しました。』

実は後二三話やってからこの話の予定でしたが、特に飛ばしても問題無いかなと思って飛ばしました。

特にイベントも無かったし…ね

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