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第十八話:クロウは彼等に妹を託す。

今回は日常?会です。

前話で派手にやっといても日常?です。

 ゴブリンロードを退けた俺達は、場所を移してから女性陣や商人達を休ませて見張りをする事に決めた。

 後から聞いた話だと、ゴブリンの群れは突然現れて襲ってきたとのこと。完全な奇襲。見張りも気が付かないほどの隠蔽や気付かれても瞬く間に制圧する連携だったらしい。


 これが本物のAランクモンスターだという事になる。ネルは伝説級とか言ってたけど、俺には根拠があるからA級と言った。その言葉にネルはまた驚いていたけどな。


 ああ、根拠はこれだ、新しく手に入った称号の事だ。「強者に挑む者」っていう称号は、Aランク討伐経験者に与えられる称号らしい、ステータス補正も何も無いただのライセンス的な称号だということだけどな。


 それと、称号を見たついでにステータスも確認してみた。


 リクト・アルタイル


 HP580/580

 MP10200/200+10000

 STR105

 VIT85

 INT100+5000

 DEX95+1000

 SPD98+1000

 LUK87


 ステータスはこんなんだ、補正が凄いけどな。後この世界の基準ってのがイマイチ分からないってのもある。

 新しく速さに補正が出たのはこいつのおかげだ。


 天星伝説武器スターレジェンダリーウェポン 天翔大鷲(てんかけるおおわし)

 ・装備者の速度に1000の補正を付属する。

 ・この装備の重量は使用者に合わせて最適な重量に変動する。

 ・この装備に風属性と炎属性を付属する。

 ・この武器は破壊されない。

 ・


 ということ。いやーチート武器ありがとうございました!

 というか、名前が半端無いんですけどこの武器、天星伝説武器スターレジェンダリーウェポンって何だそれ!常識凌駕(ルールキャンセラー)の常識を伸ばす能力でも、半端無い答えが返ってきたぞ!


 この武器は星に選ばれた者にしか装備できないってさ!いつの間に選ばれたんだよ!

 知ってるよ!あの大鷲だろちくしょう!


 しかもまだ空欄部分あるし!これ以上何が増えるんだ!?

 後、風と炎の属性は多分鞘と刀身の色的にだろうなぁ。改めて見ると本当に綺麗な色をしてる刀だなぁ、そこもチート武器って所かな?

 それにしても、星に選ばれたねぇ、鷲と星…とくればワシ座のあれだよなぁ?


 そうなると、琴座と白鳥座の武器も出てくんのかなぁ。考えてみるとそうなるからな…まぁそこは後で考えよう。ここら辺の考案は何時でもできる。


 次はステータスだ。補正で5000とか出てるから、実はこの世界はインフレが激しいのかもしれないという事も考えられる。

 それは新しく俺に生まれたスキルも含めて言えることだ。


 守り抜く者ロード・ディフェンサー、条件を満たせば全ステを二乗するスキル…これだけでインフレが進んでる事が分かる。


「せめて二倍にしてくれよ…」


 二倍なら強スキルで良かったんだけど、二乗は無い…マジで。

 二乗とはまぁ、例えば百を二乗とすれば、二乗した後の数は一万になる事。つまり元の数と同じ数をかけるということになる。


 つまり…これの二乗後のステータスって…


「うわぁぁ!考えたくねぇぇぇぇ!!!」


 インフレってレベルじゃねーぞこれ。多分あのゴブリンロードと戦った時はこれは発動していた筈だ、アマネとネルがいたからな。あの二人を守りたいって心が俺にはあった。あれ?って事は二人になるって…いや、これ以上考えるのはいけない。


 ええっとつまり、Aランクモンスターは俺のこの補正後のチートステータスと互角ってことに…ん?

 そういえばこれ、俺の補正ステータスには影響されるのか?そこの所分からないな。

 仮に補正ステータスに影響されないなら、まだ考えようはあるけれど…うーん。


 そうなると、S級冒険者がどれくらいぶっ飛んでるのかが分かるな。

 ネルの話だとS級ってのは半端ない実力を持っている事は分かってた、でも頭でだけだ。

 これは認識を改める必要があるな…ん?誰か近付いてくるな。これは…


「リクト、そろそろ交代の時間だ」

「クロウ」


 クロウ・スタイン、俺の手助けをしてくれた冒険者。

 実力はかなりの物で、無属性を使わない俺は軽く蹴散らせる程…いや、無属性を使っても勝てるかは分からない程だ。

 それ位にこいつから実力を感じた。何せ…


 クロウ・スタイン


 能力(スキル)真実隠蔽


 珍しくそのまま呼ぶタイプの能力(スキル)だけど、効果は一目瞭然、ステータス完全隠蔽だ。

 これじゃあ詳しい手札が分からないし、もし俺と同じような敵が出てきた時に役に立つ力だ。俺も欲しいなぁこれ。


 そしてクロウは、今回の戦闘で妹以外の仲間を失った。

 アマネ達を助けるために…クロウのパーティは全滅したんだ。

 でもクロウは俺達に何も言わなかった、それどころか助けられて良かったと言ってくれた。


 __俺の立場だったらそんな事は言えない__


「おいリクト?」

「ああ、ごめん」


 少し、考えてしまった。


「もしかして、まだ気にしてるのか?」

「うっ」


 す、鋭いな。


「やっぱりか、気にするなって言ってるだろ。確かに思う所が全く無いって言えば嘘になるけどさ、悪いのはあのゴブリンロードだって言ってるだろ?」

「ま、まぁ…うん」


 それでも、俺がもっと早く駆け付けていれば助けられた筈だ。それなのに…


「そういえばお前等、初心者なんだっけ?何でネールディラスがいるのか分からんが、そんな気に病んでたら早死するぞ?

 妙な能力(スキル)持ちだからって言ってもお前はまだペーペーの新人だ、一人じゃ何時か限界が来るからな」

「それは…ん?ネールディラス?」


 待てよ?何でこいつはネルの本名を知ってる?


「ん?その反応…ああ、悪い、ネルだったな。まぁとにかく先輩冒険者からの助言だ、仲間を守りたいなら自分を守る実力とそれ相応の経験を身に付ける事、それだけだ、交代の時間だしお前はゆっくり休め。今回大活躍だったのはお前なんだしよ」


 イマイチ腑に落ちないけど、確かに時間は時間だし…まぁ追求はしないでおこう。


「分かった、後は任せたよ」

「おう、任せろ」


 俺も今日は疲れたしな…ゆっくり休んで明日に備えよう。



 ☆ ☆ ☆



 俺はリクトを見送って、さっきまであいつが座っていた椅子に腰掛ける。

 新人ってのは本当に良い、特にあいつは可能性を秘めている。それこそ遠くない将来にS級になる程のな。


「それにしても、こんな所で会えるなんてな。ネールディラス」

「それはこっちの台詞」


 茂みから一人の人影が出てくる。

 青髪の女の子だ、そして俺はそいつを良く知っている。


「何故貴方がここに?リオナオン王国元S級冒険者、クロウ・スタイン」

「お前が言う事か、リオナオン王国第二王女ネールディラス・K・アフロディテ」

「あの二人の前でそれを言うな、それを言ったら…」

「殺すってか?」


 俺の質問に黙って頷くネールディラス。

 まぁお前の心情も分かるが…流石に殺すって酷くね?


「今回の遭遇は偶然さ、妹がクヴェランドに行きたいって言うから、妹が組んでた奴等と一緒に行ったって訳」

「妹も、完全隠蔽を?」

「あぁ、俺達の種族はそうしないと生きてられない」

「…まさかとは思うけど、この国のS級のフロウって」

「あぁ、俺の偽名な。因みに妹には知らせてないぞ」

「やっぱり」


 まぁ気付くよなお前なら、何せ「流浪の剣客」って言ってんだしさ。


「この国のS級になって、何を考えてるの?」


 何を考えてるの…ねぇ?


「当然今代の勇者を見極める為さ」

「勇者…あまり好きじゃないよ」


 勇者という単語にネールディラスが暗い表情になる。そりゃ勇者には思う所があるからな。


「まぁまぁ、勇者も良い奴はいるっちゃいるぞ?現に今代の勇者は三人が良い奴だ、一人は若干危なっかしいがな。何て言ったか…カズ何とかって奴だ、もう一人は良く分からんがな」

「貴方が分からないなら、その勇者は危険」

「まぁ、俺もあいつの名前は嫌ってほど頭に叩き込んだしな。スズカ・シノミヤって奴には気を付けろ」

「警告には感謝する、やっぱり勇者はろくなのがいない…」


 いやいるだろ、つかあの二人組が勇者の一組なんですけど?しかも会ってみて分かったが結構マトモな方のな。

 うん?って事はこいつ、あの二人が勇者なの知らないのか?これはまた隠し事多いパーティになってんな。

 あ、そうだ


「ネールディラス、俺の妹をお前等のパーティに預けられるか?」

「一応理由は聞いておくけど…何?」

「長くなるが…まぁ飽きずに聞いてくれや」


 真剣な表情でネルを見ると、彼女も同じく真剣な表情をして返してくれる。

 やっぱりここは変わってないな、やる時はやるがやらない時はとことんやらない。本当ブレない奴だよお前は。


 そして俺は、長い…長い理由を話し始めた。

























「理由は分かった、そして私にリスクも無い。良いよその話、受ける」


 ネールディラスが受けてくれた事が、今は感謝しかないな。

 あいつを任せられるのは、多分お前とあのリクトだけだ。リクトはきっと仲間を全力で守ってくれる。俺の忠告を聞いて、実力を付けてくれればあいつはきっと…おっと、ネールディラスに礼を言わないとな。


「すまんな、こんな事頼めるのお前しかいないんだ」

「別に良い、ブレイヴやレリィに比べれば貴方は話が通じるから」


 心外だ、あいつらと比べるなんて。

 そうだ、レリィで思い出したが…一応耳に入れといてやるか。


「あいつらと比べんなっつうの、あーそうそう、風の噂だがレリィが妙な動きをしてるってよ」


 俺が言ったら、ネールディラスが苦虫を噛んだような表情をした。面白い顔してんなお前。


「…冗談」

「これまたマジで」

「うーわー……」


 本気で嫌がってんな、まぁ俺も嫌だけどな。

 さて、今回は何人の犠牲者が出る事やら…その犠牲者にリクトが入って無いと良いけどな。


「んじゃ俺は見張りを続ける、お前も拠点に戻ってろ」

「そうする、今日は働きすぎた。アマネとリクトに癒してもらう」

「ほー、お前の口から他人に癒してもらうって出るとはなぁ?しかもアマネって子は分かるがリクトもか。ほーん」

「う、うるさいっ!」


 顔を赤くしながら珍しく走って行った。

 本当に珍しいな…あいつが他人にこだわるなんて、明日は雪でも降るかね。

 まぁ、ともかく…マナを頼んだぜ?ネールディラス、アマネ、そして…リクト。

ネルの秘密が一部明かされました。

完全隠蔽は、その名の通りの力で、クロウとマナが持ってるスキルです。


クロウがゴブリンに手間取ってたのは、ゴブリンの連携と奇襲による混乱の為、商人の安全を確保するのを最優先としていた為です。

妹の安全は妹のパーティが守ってくれると信じてましたから、自分は商人を助けようとうごいてました。まぁ結果は……


そしてクロウは、単独でA級ゴブリンロードには勝てます、また、ネルがゴブリンロードに勝てなかったのは彼女が全力を出せなかった事と、実力が出せなかった事です。その理由もまた、おいおいと………


感想お待ちしております!




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