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3話 中学 入学式
中学の入学式の日。
兄の高校の入学式が私の中学より少し早かった。母の送迎がなくては中学に行けなかった私は兄の入学式が早く終わることと母が早く帰ってくることを祈っていた。
私が中学校に着いたときには入学式が始まる直前で、名札を知らない先生に付けてもらい初の集合写真をクラスメイトたちと撮った。
私が車椅子を自分で漕げると知らない担任は入学式の入場で車椅子を押してくれた。押すのが早すぎてとても恐怖し、その時の自分は目を瞑っていた。
正直、入学式は入場の時が怖すぎて点呼の記憶しか残っていない。
何故こんなに怖かったかと言うと、車椅子のハンドルを誰かが握ると押すのが上手いかどうか感覚的に分かるようになっているのと、幼稚園も小学校も先生に押して貰うことはなかった。下手でも信頼があった友達が押してくれていたからだろう。