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2話 小学校
車椅子――。
全ての健常者ではないが一部の健常者からは便利な乗り物だと思われているだろう。
私にとっても便利な道具でありきっと絶対に必要だ。
だが、時にその道具が自分を苦しめ悩ませることも少なくはない。
車椅子、というよりは『身体障害者』ということに縛られているのかもしれない。そのことは高校の今でも答えは出ていない。こうやって産まれてきたことにも後悔は半分しているという微妙なものだ。
幼稚園を卒園し、一番楽しかったかもしれない小学生時代。クラスの人数は最近にしては多かった。と言っても卒業する年には新一年生は10人を少し越えるぐらいだろうと先生たちが噂していたが。
人数が多いうえに一人ひとりが個性的で児童の私たちは手を焼いていた先生とは対照的で卒業までとても楽しい毎日を過ごしていた。
いじめなどという言葉は知らないのではないかと思われるほど仲良く人間関係は平和な頃だった。