《七魔》
----------キイィ………
建て付けの悪いドアの音が部屋中に響く。
「……おお……」
ルーフェに案内されてやってきた部屋。部屋の内装は…イメージとしてはベルサイユ宮殿の鏡の間、という感じだろうか。鏡の間ほど広くはないが程よく豪華で品があるあたりがよく似ている。
「どうだ??俺の部屋は??」
「素直に綺麗だと思うよ。…とくに、"傲慢"の部屋を見たあとだと。」
「ふっ…そうだろそうだろ、綺麗だろ!!」
「そうだね。」
感想を求められたので自分の思ったことをそのまま言ったのだが……やけに喜ばれた。心なしかルーフェの周辺に花が飛んでる気もする。
「ねえ、ところでさ、」
「ん?なんだ?」
「君にこの部屋をどうやって使うのだい??」
“部屋”と聞いた時からものすごく疑問だったが蛇にこんな部屋は必要なのだろうか……………
「ん?……ああ、客人用だ客人用。俺も普段はこの部屋は使わない。」
「そうなのか。」
こんなに豪華な部屋なのに普段は使わないのか……少しもったいない気がする。
「おう。さて、話をしようか。適当なところに座ってくれ 。」
「どこか、ね……」
私は部屋を見回す。タンス、クロッサー、水道、ベッドetc………
椅子やテーブルといった類のものが無かった。確かにルーフェには椅子やテーブルはいらないだろうが……客人用として使う部屋に椅子やテーブルがないのはどうかと思う。
とりあえず唯一座れそうなベッドに腰掛ける。…ふかふかしている。
「よし座ったな。隣失礼するぞ。」
するすると私の隣にルーフェがきた。
「さて、本題に入るか。………大罪の七魔のなにが知りたい。」
ルーフェの表情が引き締まる(ように感じた)。
「まず"七魔"の存在意義。それと先ほど君が言ってた"七魔"の『能力』について。他にも聞きたいことは山ほどあるけどとりあえずはこの二つだね。」
「了解。では順番に答えていこう。"七魔"の存在意義だな。…具体的にはどういうことだ?」
「具体的……そうだね……"七魔"のこの世界においての役割……仕事は??普段はなにをしているのだい??」
「"七魔"には仕事というものはない。ただ、《存在している》だけだ。その存在こそが存在意義。"七魔"は階級や称号というよりはもはや《現象》に近いのかもな。だからこそ"七魔"は別にヒトガタでなくてもいいんだ。俺みたいなのでも、極端なことをいうと無機物でも構わない。」
「無機物……」
「そう、無機物だ。"七魔"の定義的には無機物でもいいんだがな……定義的にはな。だが理論的には無機物では"七魔"にはなることができない。」
「なぜだい?」
「まず、"七魔"になるための絶対条件がある。それは圧倒的な『負の感情』だ。それも"大罪"に値するような強大さ、醜悪さ、歪さが必要となる。」
「それで選ばれたのが私、か……」
「そうだ。……心当りがないわけではないだろ?」
「………………………………」
「だんまりか、まあいい。で、"七魔"になるに値する"嫉妬"の感情を持ち、尚且つちょうど"嫉妬"の席が空く、という凄まじい確率の結果、お前がここに喚びだされた。」
「空席の理由は?」
「それは言えない。理由はお前がまだ正式な"七魔"ではないからだ。」
「機密事項、か。……誰が私を喚びだしたんだい?」
「あのジジィだ。」
「ああ……"傲慢"か………」
"傲慢"の嫌われ様がすごい。……若干わかる気もするが。
「では二つ目の質問。『能力』について教えてほしい。……例えば先程の話だと、傲慢の『能力』とは人を喚び出す『能力』かい?」
私の問にルーフェは首を振って否定の意を示す。
「いや、違う。……まあ、"傲慢"はお前を喚び出すにあたって『能力』を使ったがな……おっと、これ以上は『機密事項』だ。すまないな。お前が正式な"七魔"となれたら個々に聞くんだな。」
「ずいぶんと機密事項が多いんだね。君たちは。」
私の皮肉に対してルーフェは肩を竦めながら答える。
「ああ、一応は世界最上位ですから。」
「世界最上位ねぇ……………まあいいよ。聞きたいことは以上だ。答えてくれて感謝するよ。」
私はベッドから立ち上がりドアへ歩く。
「私はもう一度"傲慢"のところへ行く。そこが一番の近道らしいからね。では……」
私がドアノブをひねり、外へ出ようとした、瞬間。
「おい、まさか口先の礼だけで済むと思ってるのかよ。」
「………………………え?」
気がついたら私の体はベッドに仰向けになっていて、私の視界には部屋の天井と、
白銀の髪を持った男の姿があった。
閲覧ありがとうございます。こんにちは澪標です。
今回はルーフェに世界観説明をしてもらいました。お疲れ様、ルーフェ。
次回がルーフェとの邂逅回、ラストになるでしょうか。