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2.王族

全面改稿しました。

設定も変えましたので初稿見てくださった方は1もお願いします。


コーデリア・セレステ・テオフィンドール。


貴族に降嫁した母をもつ、王族のゆかりのある血縁。

常ならば、一度は王族を離れたものとして、本人が『王位』にかかることはできない。


しかし、彼女の周りでは多くの奇跡が起きた。

彼女が生まれたのは夏。

彼女が生まれてから、それまで不作といわれてきたその年の作物がいっせいに実りはじめ、彼女の誕生を祝うかのように例年では考えられないほどの恵みをもたらした。

冬も例年多くの死者を出す疫病はなりをひそめた。

多くの人が、コーデリアが引き起こした奇跡とそれらを喜んだ。


彼女が王位継承権をもつようになったのは、彼女が王都にあるテオフィンドール公爵の屋敷に来てからだ。

神殿にお告げが来たのだという。


『コーデリア・セレステ・テオフィンドールに祝福を与える』と。


グリース王国は、現在は男系の王が立ち、それを妃殿下が支える形が続いているが、もともとは女王をたて、そこに王配殿下をたてる国だった。

信仰深いこの国は、本来、神に祝福されたものしか、王になれない。

貴族により、または近隣諸国にあわせて、形骸化したその決まりであったが、神からそのようなお告げがあったのではただの一貴族の娘として扱うわけにはいかない。


伯父でもある国王は彼女に王位継承権を認めることとした。



***



「コーデリア。いつまでもここにいるのは感心しない」


コーデリアはもう、丸1日飲まず食わずでこの部屋に篭っていた。

エリック・アベル・エルウッドは王をかばう名誉の上での殉職だった。

多くの民に悼まれる名誉を得て、多くの民の前で火葬されることになっている。

そろそろ遺体を広場へと運ばなければならない。


「お前もそろそろ着替えろ」

「…アディ」


コーデリアに声をかけたのは、彼女の従兄で王太子でもあるアドルフ・キャロル・ジュニアス・グリースだった。


「お前も王族としての参列の義務がある。早く準備しろ」

「……遺族としてではなくて?」

「王族として、だ」


彼女はすでにテオフィンドールの家から追放されていた。そのときに王位継承権も何もかも捨てたのだ。

葬式に参列の義務があるのは知っていた。それは、殉職した英雄の遺族として、だと思っていた。

それを、アドルフは”王族”としてといったのだ。

さかのぼれば、この王太子と同じ祖父母を持ちはするが、王族に連なったことなどは一度もない。


「父上が今朝、病に倒れた。もう、政を表立ってすることはできないだろうな」

「陛下が?」


コーデリアが目を見開いた。

まだ、齢50歳ほどの、壮年から老年に差し掛かる程度しか年を召していないはずの陛下が倒れた。


「その父上からの伝言だ。『神から祝福を受けしコーデリアを王とする』と」

「は?」

「150年ぶりの『祝福を受けしもの』の王位継承に議会は緊急招集、緊急承認された。告示は、葬式の後、盛大に行われる」

「私は、王位継承権もないただの騎士の…」

「お前が王位継承権を捨てることができるのは、エルウッドの妻になったときだ。…お前は、エルウッドの妻でもなんでもない。そしてこれからも、なることはできない」


『エルウッドの妻でもなんでもない』

コーデリアには、アドルフの言葉が胸に刺さった。事実、そうだったからだ。まだ、エルウッドとの関係は恋人の域も出ない、淡いものだった。

言葉を失った様子を確認した上で、アドルフは説明を続けた。


「お前が王位継承権を捨てることを認めたときから、国は確実に、目に見える形で荒廃してきている。陛下は手堅く政を行ってきたが、そんなのでは太刀打ちできない。まるで神が怒っているようだと、民は脅えている。……祝福を受けたおまえ自身が王にならないからだと、国境付近を中心とした各地では叛乱もおきている。そのいざこざの中でお前の夫となるはずだったエルウッドは死に、また、陛下は原因不明の病で床に伏す羽目になった。……陛下も弱気になったのさ。神の怒りだと」

「神、が」

「そうさ、その神は、俺が王になることはよしとせず、ただ一人の貴族にしか過ぎないお前が、王になるのを望んだ」


アドルフの声があふれ出る感情でかすれた。

コーデリアは、従兄であるアドルフが王になることを胸に勉学も剣術も礼儀作法も…すべてを学んできたのかを知っている。

王位継承権を持ったときに、王宮でそれを垣間見たことがある。もともと、天才でもなんでもないアドルフが王太子の公務の合間に叱咤されながらも必死にそれらをしている姿を。

国母になりたいという……王妃である彼の母親の悲願のために。


「お前はこの国の玉座から逃げられないのさ……うらやましいことにな」




王のために殉職した近衛隊長エリック・アベル・エルウッドの葬式は、厳かに、しかし壮大に行われた。

その後に、正式にコーデリア・セレステ・テオフィンドールが王族に迎え入れられ、コーデリア・セレステ・グリースとなり、また王位を告ぐことが発表された。


火急のごとく、国土全体にそのニュースは伝えられた。

歓喜と祝福を持って。






このたびは全面改稿いたしまして、本当にすみません…。

なんとなーくしっくりしないので全体の初期設定を見直し、少しいい加減だったところを直しました。それゆえの全面改稿です。まだいい加減すぎるのですが…というか、紙でプロットを立ててないのでまだ主要キャラの名前を覚えていないという。頭の中でまだ前半部しか組み立てしていないですが、そこまで全力でがんばりますのでお願いします。

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