めいちゃんの空遊び【冬の童話祭2026】
めいちゃんは、朝、お日さまが昇るとすぐに、お外へと出かけます。
外の空を見上げるその瞬間は、幸せの時間です。
春の朝。
空は、やわらかな青色に包まれ、白い雲がふわふわと漂います。
めいちゃんは、じっと、その雲を見つめました。
時折、風がそっと吹き、雲が少しだけ動くたびに、めいちゃんは、こんにちはと声を掛けます。
「雲さん、今日はどこに行くの?」
雲は、ちっとも答えてくれないけれども、その穏やかな動きが、まるで、めいちゃんに、行ってきます!と話しかけているようでした。
しばらく歩いていると、今度は、近くの草むらから、小さな蝶がひらひらと飛び立ちました。
「蝶さん、どこに行くの?」
めいちゃんは、蝶に向かって手を振りながら問いかけました。
蝶は、花から花へと飛び回りながら、こっちだよ!と誘うかのように舞い上がります。
めいちゃんは、そのまま、蝶が飛んでいくのを目で追いながら、大きく手を振りました。
夏の昼、空は真っ青で、太陽が空高く輝いています。
めいちゃんは、木陰に座って風を感じながら、空を見上げました。
朝とは違う、強い光が、葉の間から、めいちゃんを照らしています。
すると、ふと、木の枝の間から、カサカサと音がしました。
「あれ?」
めいちゃんが顔を上げると、そこには、大きなカブトムシがいました。
カブトムシは、力強く羽音を立てて飛び上がり、めいちゃんの近くにやってきました。
「こんにちは、カブトムシさん。今日はどんな空を見ているの?」
めいちゃんが、微笑みながら声をかけると、カブトムシは、眠そうにゆっくりと空を飛び、また別の木へと止まりました。
「そっか、カブトムシさんは、夜が活動時間だったね。じゃあ、またね。」
めいちゃんは、手を振ると、カブトムシは、立派な角をひと振りして、木のうろの中へと消えていきました。
めいちゃんは、木を見つめながら、カブトムシの力強い羽音を心の中で感じました。
秋の夕方、空はオレンジ色に染まり、雲もまた、赤銅色に照らされました。
めいちゃんは、家の前の小道に立ち、空を見上げます。
もうすぐ、日が沈む時間です。
ツバメたちが、羽ばたきながら、空の彼方へと飛んで行きます。
「ツバメさん、どこに行くの?」
めいちゃんは、声をかけてみました。
ツバメたちは、まるでめいちゃんの問いかけに応えるように、群れを作り、力強く羽ばたきながら飛び去りました。
「さよなら、ツバメさん。また来年ね。」
めいちゃんは、そうつぶやきながら、ツバメたちにさようならをしました。
彼らの姿が見えなくなるまで、めいちゃんは、ずっと空を見守っていました。
日が暮れ、空がさらに深い色に染まっていく中、めいちゃんは静かな秋を感じました。
冬の夜、空は深い青色で、星が無数に輝いています。
めいちゃんは、窓を開けて、夜空を見上げました。
寒い空気が肌をピリッと冷やしますが、めいちゃんはその冷たさを心地よく感じました。
「今日も、空はきれいだね。」
めいちゃんは、つぶやきました。
その時、空の隅に、ひときわ明るく輝く光を見つけました。
それは、星とは少し違うような、空中をゆるりと漂うような光。
めいちゃんは、目を奪われ、じっと見つめました。
「あれは、なんだろう?」
心の中で問いかけると、光は静かに揺れながら、ゆっくりと動き始めます。
めいちゃんはその光が、まるで自分に向かって来るような気がしました。
それは、まるで空を舞う精霊のよう・・・
そうして、しばらくすると、光はふっと消え、空には、再び静寂が広がりました。
めいちゃんは、光にお礼を言うこともなく、ただ静かに夜空を見上げました。
めいちゃんは、その夜、空を見上げながら、心の中で約束をしました。
「また来年、また来年もよろしくね。」
彼女の目は、輝く星々に向けられます。
あのきらきらした光が、どこか遠くの星から届いたものだったのか、それともめいちゃんだけの特別な出会いだったのかはわかりません。
でも、彼女は、確かにその瞬間を感じていました。
夜空の星々が、静かに、優しく、彼女を見守っているような気がしました。
「うーん、眠くなっちゃった・・・」
めいちゃんは、小さく呟きました。
その声すら、まるで夢の中の言葉のようにぼんやりと消えていきます。
彼女の目は、まぶたがだんだんと重くなり、とうとうぴったりと閉じてしまいました。
その瞬間、星たちが、一斉に瞬き始めました。
まるで、星々が彼女の眠りを優しく包み込んでくれているよう。
そうして、めいちゃんが眠りに落ちるのを見守るかのように、ひとつ、またひとつと、光を強めながら輝きを増していきます。
空が、静かに見守りながら、彼女にそっと微笑みかけているようでした。
星々の光は、めいちゃんの夢の中に優しく溶け込んでいきます。
夢の中で、めいちゃんは、空を飛んでいる気持ちになり、蝶やカブトムシ、ツバメたちと一緒に楽しく過ごしました。
空の一番高いところでは、最も輝くきらきら星が、やわらかく光りながら、めいちゃんにそっと言いました。
「おやすみなさい、めいちゃん。いつも君を見守っているよ。」
言葉は、めいちゃんの心に深く刻まれ、彼女をさらに深い眠へといざないます。
静かな夜の中、めいちゃんが夢の世界へと旅立ったことを見届けると、空は、さらに濃い青色となり、星々のキラキラした光を飲み込んで、やがてすべてを深い青の闇へと染めあげるのでした。




